答えが欲しいですか?そうですか
だから米国人はすごい、だから日本人はダメ。そういう単純な話ではなさそうです。ただ、いくつか読み取れるのは、
・日本では有償セミナー、ワークショップ開催は難しいこと
・日本では、人に出会うことにお金を払うという習慣がない(懇親会費は別として)
というのようなことかな、と感じました。
全文を読んでいただくと、いくつかのキーワードが出てきます。それを僕なりの言葉で列記すると、
・フェアであること
・自分の頭で考え、自分の言葉にすること
・序列、上下関係を作らないこと
の3つに集約される気がしました。
僕は以前、日本ファシリテーション協会というNPOで、分科会の主宰をしたり、ワークショップのファシリテーター、全国フォーラムの委員長をやったこともありますし、運営の監事(企業でいうところの監査役)を務めたこともあります。その際にも、定例会、分科会という名の勉強会を開催すると、必ずと言っていいほど、「主催者」と「お客さん」に分かれるんですよね。
一つの例として、何度か、僕が勤務していたソフトバンクの会議室を活用したのですが、時間になると来て、特に意見を言うでもなく帰っていく。ワークショップなので、特に正解があるわけでもないのですが、答えを聞きたがる人もいました。そこでのワークショップでは、事例のご紹介だったのですが、「その事例の結果が答えですか?」という質問もありました。その時に「ああ、答えが欲しいんだなあ」と感じたことを覚えています。
この記事を読んで感じたのは、あえて悪い言葉を使うと「もっとガツガツしていいんじゃない?」ということです。良い意味でも、そうでないものでも、もっとしっかり自分の頭で考え、気になれば質問し(正解をください、ということではなく)、納得するまで帰らない、くらいの勢いで参加していいんじゃないか、ということです。
セミナーや勉強会を主催していても、義務感で参加している人がいます。某大学で就職活動について講義をしたこともありますが、寝ている人もいます。(寝るのなら帰れば、とはっきり言いましたが)
せっかく参加しているのだから、何か得て帰るぞ、というガツガツ感で参加していいよな、と思った次第。
最後に、5ページ目の「ベンダーの言いなりにならない」というところも重要だと感じました。
利用のモデルができれば、それぞれの企業がそれを参考に、クラウドサービス会社やデータセンター構築会社に発注できる。IT企業があれこれ持ってくるクラウドの提案には安易に乗らず、自分で決めるという姿勢である。
IT業界ではない企業の情報システム部門では、ついつい提案されるものの中から選択したくなります。そのほうがラクですし。しかし、それが本当に自社にいいのか、自分たちの運用上も便利なのか、トータルコストはどうなのか、ということを、自分たちで考えましょう、ということだと思います。大変重要なことですね。僕自身も、とても考えさせられる記事でした。