創設から30年経った松下政経塾が、まだ7合目にいるという
日経ビジネスの1/11号の「今週の焦点」で、松下政経塾の佐野尚見塾長がお話しされています。(表紙を2ページめくった、最初の記事です)
昨年の衆院選の結果、松下政経塾出身の国会議員が、過去最多の34人となり、2人が入閣したそうです。その質問を受けて、佐野塾長の答えを引用します。
答 塾主である松下幸之助氏が目指していたところの7合目ぐらいまでたどり着いたかもしれませんね。
問 7合目ということは。
答 これから真価が問われるからです。そもそも松下政経塾の評価をするのは、我々ではなく国民や社会です。大臣が何人出たから何点というような話では本来ない。塾の卒業生たちの真価を世間でようやく問われるようになったので、7合目か、と。
松下政経塾を模倣したのではないでしょうが、有名になった経営者が似たような塾や勉強会を催されています。それはそれで頑張っていただきたいのですが、松下幸之助氏のように、二股ソケットを作ったばかりの小さなベンチャーのころから「社会をよくするために」「社会に貢献する」と言い続けてきた経営者と、結果的に大きな会社になった経営者がCSR的に行なっている活動とは、位置づけが違うんだろうという気がします。
それはともかく、ここの章のタイトルになっているのが、
神髄は「自修自得」になり
というものです。誰かに学ぼうとか、教えて欲しいといったものではないということですね。
加藤さんが「2010年も 起業家こそが社会を明るくする」と書かれていますが、非常に同意です。僕はさらに付け加えるとして、ベンチャーの語源となるAdventure(冒険)の精神を持った起業家こそが日本社会を明るくしていくのだろうと考えています。
誰かの模倣をしたり、ただ社長をやってみたかっただけの人ではなく、自らが学ぶために社員の先頭に立って走り回り、苦しみ、考え抜いて、汗と泥にまみれてきた起業家が、結果として社会を明るくするものを生み出したり、その姿が明るくしていくんだろうと考えています。
僕は今年の3月で50歳。昨日の日経新聞でいうところのシニア、初老と呼ばれるのかも知れません。しかし、だから先頭に立たないのでは意味がない。僕が走り回ることが、少しでも社会の役に立てればいい、と考えている3連休の真ん中です。