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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

「ミニプロジェクトX」

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「原点回帰」をし合うのは、自分がここにいる、そもそもの理由を思い出すのに役立つからおススメですよ。と、先日書きました。

もう一つ、これもおススメなのは、「ミニプロジェクトX」です。


「私がこれまでに携わった中で、特筆すべき出来事(頑張った仕事、成果を上げた仕事、すごく大変だったプロジェクトなど)を一人ずつ語っていくもの。


日本人のメンタリティからして、「そーゆうの、自慢みたいでカッコ悪い、ハズカシイ」と思うのか、最初はなかなか口を開きませんが、「まあ、演習なんですから、思い切って、思いっきり語ってみましょう」と促すと、徐々にエンジンがかかってきます。

まあ、出るわ、出るわ。語るわ、語るわ。

若手よりも中堅、中堅よりもシニアな人ほど、経験の数は多いので、劇的なストーリーも一つや二つお持ちです。(昨日、ここに書いた「子育てでのエピソード」だって、キャリアの話ですし)

中には、
「え?私、語るほどの歴史ないし。なんとなく20年仕事してきただけだし」という方もたまにいます。
でも、劇的じゃなくてもいいんです。

「今、私はここにいるけれど、ここに来るまでに、何があったかを自分の言葉で他者に語る」

「他人が聴いたらしょぼい思い出かも知れないけど、私はあの時こう感じたのだ」とか「一皮むけた経験なのだ」とか「あの人と一緒にやったあの仕事は10年経っても思い出すほど楽しかったな」など、自分が「ミニプロジェクトX」と思えるものなら何でもいい。

他者から見てスゴイかスゴクないか、カッコいいかそれほどでもないかは、関係ない。

とにかく、語ることが大事。

最初は照れくささから多少躊躇を見せた方でも、一人ずつ語る、というワークをしている内に、どんどん楽しそうになってきます。

全員が語りつくしたところで、質問。

「いかがですか? ちょっとすっきり、そして、ちょっと嬉しくなりませんか? 私は、自分がこのワークをすると、ああ、あの時自分はちゃんと頑張った。今でもまだ頑張れる。頑張ろうと前向きになれます」

なんて呼びかけると、「うん、うん」とうなずいてくださる。さわやかな笑顔になっている方も多い。


特に、もうほとんど褒められることのない、中高年には有効です。

部下のことを「褒めろ」とは言われるけど、「私は誰が褒めてくれるのか?」と思っているマネージャ。
「ああ、最近、褒められたことないなあ」という超ベテラン。
「家族もそんな話聞いてくれないしなあ・・・」という方もいるはず。

そーなったら、「語る場」を作ってしまうしかない。


呑み会で、部下・後輩を前にこれをやっちゃーいけないのですね。説教くさくなる可能性、たんなる自慢話になる危険性があります。
そして、お酒が不味くなる。

それより、何かに場(研修とか人材交流会とか”なんとか活性化研究会”とかそういう場)で、初めに「ミニプロジェクトX」をやる。

当人のモチベーションが上がる効果と共に、実は、他者の仕事を聴いて、自分の内省が深まるという副産物もあります。


「人に歴史あり」。


「やる気低迷しているなあ」「行き詰まりを感じているなあ」という方には、いや、とくに感じていなくても、とてもおススメ。

人事部・人材開発部の方も、「なんとなくぱっとしない中高年」が気になるなら、「ミニプロジェクトX」を仕掛けてみてはいかがでしょう?

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