「下手な施策を打って辞めたら困る」より「ここで活躍したいと思える組織を作る」のがマネジメントの役目ではないか。
前回に引き続きだが、
「キャリアの研修をする? 自分のキャリアを棚卸させる?その後、今後やりたいことなどを明確にする?そういう研修を企画するの?」
「誰向け?え?30代向け?これからバリバリ活躍する油の乗った年代じゃない」
「そういう人たちが、キャリアを考えて、目覚めちゃって、退職したらどうするの?よそに転職したらどうするの?辞めるリスクないの?」
などという懸念を経営層などからぶつけられて、「ああ、もう、本当に分かってないな」と嘆く人事の育成担当や人材育成部門の方ともう何人も会ってきた。
最近、DX人材とかVUCA時代とか、キャリア自律とか、国も懸命に推奨しているので、だいぶこの手の会話、聴かなくなってきたなぁと思っていたけれど、やはり、最近もまたぽつぽつこのテーマで相談を受けることがあって、ああ、これは根深い!と思った次第。
そもそも、今の経営層、ベンチャー、スタートアップでない限り、50代60代だから、「キャリアを考える」という言葉が辞書にない世代。
キャリアなんて考える必要ないよね。会社の仕事を一生懸命していたら、上に上がってきたわけだし、と実感してる層。
だから、若手のために、キャリアを考える研修を行ったり、キャリアを考える仕組み、相談できる体制を整えたりする、なんてことも、そもそも考えにない。
そして、キャリアを考えること=離職につながるのじゃないのか?と心配する。
よく聞くセリフは、前回書いたように、
「目覚めちゃったらどうするの?」
なのだけれど、いや、ほんと、眠っていていいんですか?なのである。
目覚めて、自分でやりたいこと、学びたいことが明確になり、その上で、会社のMVVなどと調和できる箇所を見つけて、個人も組織も成果出していく、といった風に働きたい、とそう思える組織を作ることがマネジメント側の仕事だと思う。
ほんとに、社員が寝てていいんですか?
って、人事の方は、戦ったほうがよいと思う。もちろん、穏やかなバトルだけど。
先日のVoicy。
少子化がどんどん加速しているというのを数字で示してみた。
シニアの労働も長くなるし。思っていなかった展開が待っていたと戸惑う5-60代。