カメコ今昔
イベント会場で、コンパニオンの写真を撮りまくる来場者をカメコと呼ぶことがあります。「カメラ小僧」転じて「カメコ」。流石に長くイベントに携わっていると、その変化に改めて気付くことがあります。
デカいフラッシュとバズーカ
もちろんイベント会場には、本当のプロのカメラマンも多く来ます。新聞だったり雑誌だったり、もちろんWeb媒体であったり。中にはフリーのカメラマンの方も多く来場されますが、IT系のイベントの場合、大抵そういう方はプレス章を着けています。かつては大抵きちんとしたカメラマンはフィルムの一眼レフに大きなフラッシュをつけて会場を回っていたものでした。
もちろん、コンパニオンの写真を専門に撮るプロのカメラマンもいらっしゃるわけですが・・・ 随分と昔からコンパニオンの写真を一生懸命に撮るというか、出展物には一瞥もくれずにコンパニオンだけを撮る来場者の方が昔からいらっしゃいました。もちろん写真が趣味で、どんな被写体を中心に撮っているかはその人次第ですから、それが良い悪いではないのですが、皆さん結構良い機材をお持ちの事が多い気がします。デカいフラッシュと、たとえば70-200mmくらいのズームレンズ。通称バズーカと呼んでましたが、そういう機材を持って、ひたすらコンパニオンの方を撮りまくる。会期中毎日通われる方もいらっしゃいます。
でも、別にそれが良い悪いという話ではありません。
機材の変遷
それなりの機材をそろえるにはもちろんお金がかかるわけで、かつては本気でカメコをやってる人か元々写真が趣味の方でなければ、普通のコンパクトカメラとか使い捨てのカメラとかで撮っていました。この場合、写真が趣味なのか個人的趣味なのかについては一目瞭然だった、ある意味平和な時期でした。
でもデジカメの性能が飛躍的に良くなり、また一眼レフのデジカメが安くなったこともあり、機材から見たときの区別がつきにくくなりました。意外とメディアの記者の方やプロのカメラマンの方が普通のコンパクト・デジカメを持ち歩いていたりします。かたや・・・趣味の方の機材は年々立派になる気がします。
私自身、写真は好きなのですが、被写体はホボ100%家族です。これは私の考え方なのでどうでも良いのですが、元々機械好きな私でもあるので素人なりにカメラ本体を含めた機材周りの知識はあります。いや、年々皆さんの機材が立派になる傾向があるのがよく判ります。本体だけで数十万円するカメラを両肩にぶら下げたような方もいらっしゃいます。
久々にカメコを多く見かけた、この週末
この週末は幕張でイベントに出展していたのですが、最近に無く多くのコンパニオンを専門に撮っている方をお見かけしました。私が立っていたブースにも・・・ 中にはコンパニオンの休憩のローテーションを考えて30分おきにブースを訪れる方もいらっしゃったくらいです。
機材を見ると、正直羨ましくなる方も大勢います。でも・・・ これは感覚的な問題なのですが、本職として、あるいは相当撮りなれた方の動きと、とりあえず趣味(?)でコンパニオンを撮りまくっている方とは、やはり一目でわかることに気付きました。別に担当しているブースや会場の運営に支障が出なければどうでも良いことなのですが、お客様の応対をしていなければ基本的にきょろきょろしている時間のほうが長いですから、どうしても見てしまいます。たとえば・・・
- 極端に倍率の高いズームレンズ1本でがんばってる
- レンズのフードを逆向けにつけたまま撮影している
- 正面からバシバシとフラッシュを光らせる
- レンズの距離感を自分でわかっていないのか、前に行ったり後ろに下がったり落ち着かない
- 何度もブースの前を通るのだけれど、出展物ではなくコンパニオンの顔しか見ない
- コンパクトデジカメで片手でひょいと撮ってゆく(安定しない)
- 一眼レフカメラの内蔵フラッシュでがんばってる
繰り返しますが、別に良い悪いの話ではありません。テクニックの問題もあるので、一概にそれが駄目だとか言う話でもありません。そもそも趣味の話ですから、私なぞが四の五の言う話ではありません。本気で撮影禁止にしているのでなければ、ブースを撮って貰うのはイベントにとって良いことですし、出展者のロゴが入った写真を撮ってもらうのも悪い話ではない。もちろんコンパニオン個人個人にとっても決して悪い話ではありません。撮るならちゃんとした顔をするので、むしろちゃんと声を掛けて欲しいというくらいです。
でも、撮影会じゃないんで、もう少しスマートに撮ったほうがカッコ良いのではないかなとは思います。
逆に言うと、プロっぽく見せる方法がある?
もちろんあります。機材はこんな風にした方が良いとか、カメラ以外のこんな機材は持って他方がそれっぽいとか、あります。でもそれを徹底すると単なるコスプレですね。要は自分が思った写真が撮れるように色々試行錯誤して、結果その人のスタイルが出来るわけなんで、繰り返しますが、何が良い悪いという話ではありません。
でも、ある部分とか、ある立ち居振る舞いでプロフェッショナル・カメラマンはわかります。
そういえば年齢層が昔より上がっているかも
もともとカメラ小僧と言ったくらいですから、かつては比較的低年齢、大体20代後半を中心とした層だったような気がします。この「比較的」が問題で、もちろん出展者も含めて幅広い年齢層の方が昔からコンパニオンの写真を撮っていました。でも最近の傾向は30代後半以上と思しき方が増えているような気がします。写真を趣味とする方の年齢層にも関わる問題かもしれません。ふと、そんなことを思ったりします。
しかし、年齢層が上がっているならば、「カメコ」ではなくカメラオヤジで「カメオ」かなどと余計なことまで考えてしまいましたが・・・ これは本当にどうでも良い話です。そもそも、私も子供の運動会などでは親子関係上も年齢的にも立派なカメラオヤジですし。
でも、許せないこともあります。正直な話。
最近はあまり遭遇しないのですが、太古の昔の晴海国際見本市会場で盗撮系の方をその場で押さえたこともあります。ブース内にいた挙動不審者の情報を主催者に通報したことも一度や二度ではありません。それぞれの内容や手口、取り押さえ方については書けませんが、挙動不審は意外に目立つものです。意外と誰かが見ているものです。これだけは許すわけには行きません。
最近でも会場内の休憩スペース周辺などで微妙な動きをしている方を見かけることが無くはないです。主催者でなく出展者や来場者の場合は本気でマズいよと思わなければ何もしませんが、主催者の立場であれば動いたことはあります。
個人の趣味は個人の趣味。他人が四の五の言う話ではありません。
だけど、私としては周りから見てもスマートに楽しめる趣味の方が良いなと思った次第です。