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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

例えばカフェ等でちょっと離席するときにテーブルにスマホやPCを放置しておける豪傑の心を持ちたい...とは思わない

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先日、誰もが名前を知ってるコーヒーチェーンの店でトイレとか喫煙ボックスに行くときにテーブル上にスマホを(何故か)3つも放置したまま席を離れた方を見かけてしまいました。流石にこれには驚いたのですが、以前から同じように何かしら作業をしていたPCのディスプレイをロックして消してそのまま置いてあるのを見たりすることがあります。

でも、正直個人的にはわたる世間は鬼ばかりとは言いませんけれど、でもそこまで世の中の善意を信じる神経がよく理解できません。

疑り深いので。

中身を覗かれるとか以前に持っていかれるぞ、という恐怖

正直、私自身はシャイで内気でナイーブなビビリなので少なくともカバンの中に戻してから席を離れますし、実はカバン自体も椅子にストラップを巻き付けておいてカバンごと持って行こうとしても椅子ごと持ち上がるようにしていないと落ち着きません。正確に言うと以前は10キロ近くにもなる機材資材工具をデイパックに詰め込んで背負って移動する仕事に足掛け7年ほど携わっていたんですが、流石にその頃のそのパンパンのデイパックを持っていかれそうになったことは無い...と思っています。記憶が正しければ。

でももっとコンパクトなビジネスバッグや休みの日とかに長年持ち歩いているランバーパック(これはいわゆるウェストバックより大きくて、小さめのデイパックくらいの容量があるものです)の場合には、同行者がいてもお店の椅子にストラップを回して固定する癖がついていますし、構造的に回せなければ片足の太ももにストラップを回して固定してます。

気が小さいもので。

なぜそんな癖がついた?

自覚はあるんですが、1980年代後半に生まれて初めての、しかも単独で出張で行ったフランスでの経験からです。

自分自身はひどい目に合わずに済んでますが、当時の周囲では日本人(あるいは観光客)だと認識されたらカバンを切られて財布を抜かれるくらいのことはそれほど珍しくなく起きてたし、物売り風の子供に囲まれそうになったらカバンを前に抱えて全力で逃げないと本当に駄目だった時代だし、それとは別に主に北アフリカ系のゲリラによるテロがパリ市内でも普通に起きていてド・ゴール空港やオルリー空港だけでなく主要なターミナル駅でもドーベルマンを引き連れて自動小銃背負った武装警官が二人組で厳重に警備してた時代でしたし。

あ、それでもガイドの持つ旗の後ろをぞろぞろ歩く日本からの「農◯ツアー」と呼ばれた御一行様はそこそこいましたし、パリ市内の超有名ブランドのショップにはドルやトラベラーズチェック(流石にもう滅びましたね)を握りしめた紳士淑女がバッグやスカーフやジュエリーを買うために並んでた、まるで昨今の銀座や表参道や京都のような様相でした。

もっともそんな中にいた私は貧乏な単独出張のフランス語はBonjourくらいしか知らない若造だったのでカフェでエスプレッソを一杯頼むのが限界で、あとは空港の売店でカミさんへのお土産のチョコレートを買うくらいしかできませんでしたが。

安全神話は神話の世界の話で、下界の自分とは違う世界という現実的な認識

正直日本国内の社会的な治安は良いと思います。世界的にみて間違いなく「あり得ないほど安全な国」であることは間違いないと思います。

でも、色々起きます。普通に起きます。なにか酷い目に合う可能性が例えば宝くじにあたるくらいの確率だとしても、毎日どこかでなにか起きています。

ある日突然自宅の窓ガラスを割って誰かが入ってきて「お前の家、本当に金がねぇなこんちくしょう」と何故か怒られて殴られるかもしれません。

ある日突然横断歩道を横断している自分の所に電動キックボードが突っ込んできて「なんでこんな所をゆっくり歩いてるんだよ危ないだろ」とやっぱり何故か怒られて跳ね飛ばされるかもしれません。

ある日突然電話がかかってきて「俺だけど久しぶり。仕事で失敗して出した損害うめるのにお金頂戴」と同居してる息子に変わって新しく遠くに住む息子が爆誕するかもしれません。

ある日網棚に鞄を乗せたまま真下の席で寝込んでしまったはずなのに目が覚めたら眼の前の知らない人が何故か私の荷物を持って仁王立ちしてて「重そうだから金塊でも入ってるのかと思ったら金目のものが何も入ってないじゃねぇかふざけるんじゃねぇ」と怒られるかもしれません。

特にこの最後の話の流れで言うと、実は私は電車に乗るときにつり革持って立ってるときだと眼の前の網棚に荷物を上げることはあるけれど、座るなら絶対に膝上もしくは足元に下ろす人です。

カバンが好きなもので(多分違う

ピリピリして生活する必要は無いけれど

忘れ物がちゃんと出てくる話は結構聴きますが、それでも今でも置き引きが無くなった訳では無いし、昔話ですけれど電車内でつり革持って立っている自分の目の前の網棚に上げていた私の荷物にそっと横から手を伸ばしてきた人を怒鳴りつけたこともありましたし。

安全であり安心して生活できることはとてもありがたい事だと思うんですが、そうじゃない状況がある日突然目の前に現れるかもしれませんし、敢えてそんな事態を招きそうな事はしないほうが精神衛生上良いよねとは思っています。

更にいうと、日本は治安が良いよねって話は「日本より治安が悪いと本人が思っているところから来た人、或いは日本より治安が悪いと自分が感じた場所がある人が思う単なる比較論の結果」だと信じてるので。

---iwa

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