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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

メカニカルな英語キーボードはすでに身体の一部

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英語配列キーボードをメインで使う事にした話」を書いたのは11月。その時に手に入れていたのはKeychronというメーカーのK8 Proというモデルです。いわゆるメカニカルキーボードですが、キーの割当を全部変更できるソフトウェアが実装されていて、しかも全てのキーのスイッチをキーボード本体を分解したりはんだ付けし直さずに上面から引き抜き交換できるモデルです。

このキーのスイッチを分解せずに交換できる機能をホットスワップと言っていますが、キーを交換って何を言ってるのか。一般的にはゲーミングキーボードにある程度詳しい方位しか興味もないでしょうし、そうでない方から見るとわからない謎表現ですが、とりあえずここではキーを押す感触を変えることができるとだけ覚えておいてください。

でも、私がこのモデルに決めた2番目に大きな要因がこのホットスワップ可能な事なんです。
ならば1番目は?

英語レイアウトです。

赤軸、青軸、茶軸 という謎パーツの沼

キーボードのキーの後ろには何かしらのスイッチが付いているんですが、これの物理的な構造、形状あるいは形式としてメンブレンとかパンタグラフとか静電云々とかあるんですが、純粋にスイッチとスプリングで構成されるメカニカルというのがあるわけです。本当に物理的にスイッチとスプリングなんですが、これ自体は例えばコンピュータシステムに入力機器としてキーボードが付いた時点から存在しているものです。物理的に押し込むと底突きするスイッチと押されたキーを戻すスプリングというメカの構造なので、ガシャガシャ音がします。

構造として基本はガチにメカです。
メカ故に原理的にガシャガシャ系の音がするのがメカニカルキーボードです。

ただしスイッチの構造やスプリングの強さの違い、強く底突きしない為の何らかの機能の有無や構造、薄型キーボードに対応するロープロファイルと呼ばれるもの、潤滑剤や構造の面から音が出にい静音モデルと謳うもの等などで、実はすごく種類があります。

ただし単純に選択肢全部を組み込んだ商品バリエーションを提供するにはあまりに数が多すぎて、殆どすべてのメーカーは自社の方針や営業戦略に基づいていくつかのパターンのスイッチをつけた商品を提供しているのが普通です。なので、普通に選ぶ際に考える必要があるのはざっくりオフィス用とかゲーミングキーボードと謳うか。比較的高さのあるフルプロファイルなのか、薄型なのか。有線なのかBluetoothや独自方式の無線接続もできるのか。

しかしながら、細かい分類はこれでは終わらないというのは、多分ゲーミングキーボード沼にハマった経験のある方だとよくご存知だと思います。更に言うとHHKやRealForce系を使っているような方は少なくとも私と同じくらい変態なので一般論は通じないですし、たとえ自分で使っていなくてもその名称が通じる時点で沼に入る気まんまんでしょ位のレベルの方だと思いますので、このあたりの話は無視してください。IBMのパーツナンバー1390131とかUnicompというメーカー名に涙が出そうになる方は少ない筈ですが、多分古いコンピュータシステムで使われていた端末のキーボードの話だけで一晩お酒を飲める素敵な方だと思います。ちなみにパーツナンバー1390131とはオリジナルのPC/ATキーボードなのですが、何故か25年以上前から我が家にあります。

とまぁそれはさておき、私の場合はゲーミングという入口ではなく純粋に文字を打つ世界から入ってしまっているのですが、沼は沼です。しかも元と質すと1980年代後半には既にハマってしまっているという「キーボード沼老人会」とでも言えるのではないかと自分で思っていますけれど、だから何だという話ですね。失礼しました。

いずれにせよ、基本的な機能の先に、まだ細かい分類・・・ というかパーツの問題があります。これが、赤とか青とか茶とか銀とかなんとかかんとか。

キーをぶっ叩く自分にとって標準的と言われる赤軸スイッチが向いていなかったのに気がつく

自分がキーボードで文字を打つ場合、比較的強く深くキーを叩き込む癖があります。これはそもそもタイプライターからキーボードの世界に入ったこと、その後メインフレームのダム端末やPC/ATやPS/2等のガチなメカニカルキーボードを長く使っていた事などの経験が影響しているのは自分自身でよくわかっています。それもガッチリ高さのあるキーボードが大好物で、正直ノートPCのキーボードは頼りなくて好きになれません。もちろんそれを使う必要がある場合には普通に使いますけれど、キーをぶっ叩くと壊すのでそこは大人しく静かに。

結果的にストレスが溜まるんですが、勤務先の支給品なら文句は言えません。
でもリモート勤務のとき、そして自宅の自分のPCだと、もう容赦しません。許しません。
外付けキーボードしか使いません。

で、そのために標準的と言われる赤軸スイッチのついたキーボードを入手したのですが、使っているうちにどうにもフニャフニャするしキーを叩くと底突きしてちょっと嫌な感じが指に伝わってきて、気にしだすとだんだんイライラしてきます。もっとクリック感がはっきりして重いのに変えたい。

多分キーの重さやスプリングの強さが自分の求める感触とあってないんだと思います。
これが会社支給PCのキーボードだと諦めるしかありませんが、今目の前にあるのは自分の自前のキーボードです。
しかも、ハンダゴテなしでスイッチを交換できるモデルです。

よし。改造するぞ。

パーツ自体はネットで購入して空輸を待つ

私の場合、今回は色々考えた結果、Gateronというメーカーのスイッチセットを同社の直販サイトで購入。出荷は中国からでしたが、ちょうど中国の連休あたってしまい倉庫から出荷されたあと中国国内の空港から数日動かなくなって困ったことに。でも連休が明けると荷物が動き出してその後は順調に中国を出て関空に到着、その後私の手元に無事に届きました。良かった。


てオーダーしたスイッチ自体はキーボードに最初から付いていた赤軸ではなく、悩んだ末にGateron G Pro 3.0の茶軸と呼ぶタイプ。前よりもタッチが重く、ガシャガシャ音は少し大きくなる見込みです。

ちなみにその"赤軸"と"茶軸"で何が違うかというと、スイッチの接点の部分はちょっと違うのでタッチ自体は微妙に違うのですがこれは並べて比較しないとわからないかもしれません。実際に使ってわかるのはキーを押す重さが2割くらい重く、かつ音がやや大きいということ。ちなみに更に重いスイッチで例えば'青軸'というのがあるのですが、これは昔のメインフレームの端末やタイプライター並にガシャガシャうるさいのですが、タッチ自体は私は大好きです。でも、静かなオフィスどころか自宅の自室でもドアを閉めていないと家族からうるさいと言われる危険性もあるレベルなので、残念ながら諦めました。

で、とりあえず軸の色によるスイッチの性格の違いなのですが、例えばGateronというメーカーでの違いはこんな感じ。

Gateron G Pro 3.0 Switches Features

想像通りの地味な交換作業

さて、モノは来ましたから交換作業です。
正直、地味な作業です。
引き抜き工具を使ってまずはキートップを外し、順番通りに並べたらスイッチの抜き取りを始めます。

とりあずキートップを半分くらい外したところ。後で困らないようにきちんと並べておきます。

DSC_0243_s.jpg

キートップ全部はずしました。この赤いのが「赤軸」の名称になっている軸そのものですね。なお一番右の上から3つ目だけ試験的に先に茶軸に変えているので、色目が異なります。

DSC_0244_S.jpg

そしてスイッチを全部外したのですが、あまりに汚いのでこの後掃除機でホコリを吸い取った後きれいに拭き上げてます。
DSC_0249_S.jpg

きれいにしたら、中国から来た茶軸のスイッチを全部の穴に嵌め込んできます。裏のピンが時々曲がっているので、ひとつひとつの裏側を確認して曲がっていたらそっと戻してスイッチの穴に押し込むという、相変わらずの地味な作業。

DSC_0250_s.jpg

全部の穴に入ったらキートップを戻して終了。怖いので実は最初にキートップを外す前に写真を取っておいたんですが、結果的に配列は全部覚えていたのと、外したキートップはきれいに整列させておいたのであっという間にキートップの戻しは終了。

DSC_0253_S.jpg

ということで元通りに。
スイッチの軸はそもそもキートップの裏側なので、当然ですが使っているときは見えません。でもキーを打った感触はもう完全に別物です。

でも、更にキーボード上の特定のキーだけ他の感触のスイッチに変えようか迷っていたりはします

はんだ付けし直さなくてもスイッチが交換できるキーボードなので、別にキーボード上の全部のキーを揃える必要など無くて、特定のキーだけを特定のスイッチに替える事も好き放題やり放題です。今回は(一旦)全部のスイッチを一気に交換しましたが...

  1. 赤軸より明らかに重くしっかりしてる
  2. スプリングが強いのでキーを打ったときの底突きの衝撃が赤軸より柔らかで、結果的に赤軸より茶軸のほうが静かになった

この2点、本当に激変です。

ただし、この状態にしてからしばらくして、キーごとにちょっとタッチを変えたくなってきました。文字の部分は今のでOKなのですが、右端にある仕事のときに多用するキーのうちpgupとpgdnのキーを更に重くしたい一方でそのすぐ左のhomeとendを軽くしてみたいという細かいオーダーです。軽くするには外した赤軸があるので、とりあえずhomeとendは一旦戻してみました。それに対して重くするのには別のスイッチを買うか静音リングといった別のパーツをつけてタッチの変化を見てみるか、ここは思案中です。

もちろんそんなに厳密なものか?というお話はあるかと思いますが、キーボードって結局自分が一番触るもので、かつ全てのインターフェイスになるので、細かく言い出すとどうしてもとんでもなく細かくなってしまいます、というかなりつつあります。

沼です。危ないです。近寄らないようにしていたのですが、ホットスワップ可能なメカニカルキーボードを手に入れてしまったばかりに、既に両足が沼に入ってしまっているようです。
趣味とかそんなのには基本こだわりはない人なんですけれど、おかしいな。

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