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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

今年の10大ニュース 4位・3位・2位・1位 経営者失格の烙印

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おはようございます。

【朝メール】番外編、辻褄合わせ版を発行いたします。

20131224093406 そのビーズクッション、わたしの…

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■4位:メジャーバージョンアップ

メールをこまめに事前キャッシングして、それをサイドスクロールアクションでサクサク見せる。このユーザーインターフェース変更をしたCACHATTOのバージョン5、リリースしたのが今年の1月でした。だいぶ前に感じますね。

CACHATTOが行っていた従来の、都度読み込みをするインターフェースでは、データキャッシュ型の同様のサービスに根こそぎ負けてしまう。セキュリティ製品とはいえ、使い勝手の悪さに甘えてはいけない。一昨年夏、あるお客様との対話の中で、その危機感を強く覚えてこの変更に踏み切ったのです。

メジャーバージョンアップは、それまでで問題が出きって安定、ある意味、枯れていた前バージョンからすれば、まるで全体をひっくり返すような変更です。埃のようにありとあらゆる、想定の足りなかった問題が出てきてしまう傾向があります。

思い出せばバージョン3から4に移った時もかなりの苦戦を強いられて実施しました。それでもパソコンUIの実装や管理者画面の柔軟性アップや大幅強化が待ったなしという状態で4を出したものです。

このバージョン5とともに、技術開発陣が先導してチケット駆動開発という開発マネジメント手法を定着させることができました。その結果、年間40回を超えるCACHATTOの本体や、各種セキュアブラウザーのバージョンアップを安定的に実施できるという体制もできてきました。

この環境変化の激しい世界での大きな組織能力アップができていることがありがたいです。

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■3位:海外事業の立ち上げ

"IBM Connect"というイベントに参加したのが今年の1月です。前回までは"Lotusphere"と呼ばれていたもので、アメリカのフロリダ州オーランドに、1万名近い人を集めて実施する大イベントです。ここに今年はe-Janとしてブースを出しました。

さらに"Extending Social Collaboration to Mobile Devices"というジャンルでCACHATTOでノミネーションし、3位内のグローバルファイナリストへと残りました。残念ながら優勝はできませんでしたが(汗)。6月にはチューリッヒにて開催されたIBMのイベントでも展示ブースを出しました。

これらの活動を通じて、CACHATTOのニーズがグローバルなものであると実感できました。同時に、まずは日系企業の海外拠点への販売ルートとサポート体制とを早急に構築する必要性を感じたのです。

7月には野村総研北京との協力体制で中国でのCACHATTO販売開始を発表させていただけました。早速上海の顧客候補訪問やセミナーに少しお時間をいただきお話させていただき、その後、毎週のようなトライアル機の設置、ご評価などをいただき、中国のインターネット回線事情などに苦しめられながらも対処し、12月には初案件が受注できました。商標の登録なども進めており、12月の最終日には中国での登録が完了したとの書類報告が届きました。

2013年は大陸上陸元年でした。

海外での活動を活発化すると、当然のことながら、製品のみならず、マニュアルやドキュメント類についても多国語化や、各国のネイティブへのネットワークが必要になります。コミュニケーション手法としては、グロービッシュ、つまり英語をネイティブとしない人たち同士で、英語を媒体として意思疎通をする能力が必要です。

社内英会話をスタートしたのは、福利厚生ともみえますが、組織のグロービッシュ能力の底上げとして必要なのでスタートしたのです。さらに、その英語能力を使いながら、海外のリソースを上手に活用すること、その能力が必要です。

ローカルリソースを上手に活用する、これには世界中の人が登録しながらネット越しに仕事を頼める、アウトソーシングサイトを使って行くのが合理的と思いました。ところがどうすればいいのかがよくわからない。

そこでoDesk経験豊富な、Darden MBA後輩の大塚さんに手伝ってもらい、プロジェクトを立ち上げました。そのあたりの苦労話は大塚さんがブログに記録してくれました。

これらの活動の中で、CACHATTOのメニューは日本語・英語・中国語・ドイツ語化ができ、カタログも日英中版が完成しました。マニュアルなども今後必要に応じて拡大するための能力を組織として身につけることができています。

組織としても、驚きの展開だったのですが、英会話の先生として招いていたアジア系オーストラリア人がビジネス経験が豊富と判明、「ぜひ一緒に」と合意し、e-Janメンバーの一人として参加してもらいました。そしてGlobal Business Taskforceという名称のタスクフォースを立ち上げたのです。

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■2位:e-Jan ファミリー増える!

陣容の拡大を積極的に行っています。

考え方としては、いわゆる新卒を中心にメンバー増強をしています。新卒も4月の一斉入社に固執するのではなく、外国の大学を卒業修了した人たちにも入社してもらっています。

転職の方々にも大いに力を発揮してもらうべく入ってもらっています。社会人経験があることによるメリットも大きいです。

検証チームとして学生さんメンバーがアルバイトとして、常に手伝ってもらっている体制ができたのも今年です。そして、社内英会話講師陣も大切なe-Janファミリー。

見ていて面白いのですが、皆さん、入社から数ヶ月もすれば、大いに活躍してくれているのです。目いっぱい活き活きと仕事している。何ともうれしいことです。

この現象をよく「手つなぎスカイダイビング」と表現しています。複数名で手をつないで輪になってやるスカイダイビング。新たなるメンバーが入ってきて手をつなぐと、その人もすぐに、目いっぱいに広がってしまう。

これが手だけではなく手足で、輪ではなく網状になって、面で落ちるのではなく、球で膨らんでいる感覚でしょうか。チームワークで一つの価値観に向かって協力している。

2014年の4月には新たに5名の新卒がやってきます。これで新卒は3年度連続で5名ずつの採用です。男女比ほぼ1:1。50名に満たない組織なので、毎年1割を超える新卒が増えています。さらには転職メンバーの新しい力がそれだけ増えているということです。

必然的にスペースが不足してきました。それなので、2014年は4月にかけて引っ越しを実施することにしました。新しいオフィスも半蔵門駅。ワンフロアにまとめます。1000㎡を超えるスペースです。オフィスにはe-Jan文化を引き継いだ要素にしていきます。
楽しみですね。

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■1位:融資完済・無借金経営!

実に長いことかかりました。150百万円の残高を8月末に返済し、ついに13年にわたる借金を完済、無借金経営へと脱皮できました。

東レのベンチャービジネス推進制度には融資枠がありました。その融資枠から借りられるお金を製品開発の資金としました。その枠に甘えて当初に開発を大失敗したことで、この会社は大きな債務の十字架を負った抱えた状態で事業をやっていたのです。

これを5年かけて黒字化、その後、少しずつ返済しながらついに完済できました。支払いが終わると、背負っていたものの重さに改めて気が付いたりするものです。それまでは、正直な財務指標に経営者失格という烙印を押されていた後ろめたい感覚でした。

次第にじわりじわりやってくる嬉しさを共有しようと、翌日、全メンバーに「大入り袋」を出させてもらいました。

借金が無くなり、事業基盤がしっかりとキャッシュフローを生み出す状態になっている今、事業としては新たな能動性とともに的確な判断をしていくプレッシャーが高まっています。

個人的にも経営者失格の烙印が無くなった感覚がしました。

逆に、これからは「傲慢のワナ」との戦いが始まったともいえます。自分はこの「傲慢のワナ」が人生において最も危険なことだと認識しており、そこに細かく落ちていることにたまに気が付きます。

今後は事業の拡大に応じて財務的な借金はあり得るでしょう。でもまずはきっちりとゼロに戻し、これからをしっかり足を地につけて先を見つめる段階に来られた、ということです。

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ということで2013年、大晦日になってしまいましたが、
10大ニュースを発信させてもらいました。

皆さまよいお年を!!

坂本史郎

Comment(1)

コメント

石原良太郎

借入金全返済、おめでとうございます。どれほどのことかは、経験者しか、わからないかもしれませんね。すごいことです。私の場合、ようやく返済の目処が立ったところで、売却されたので、悔しい思いだけが残りました。ともかく完遂、素晴らしいです。立派です。

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