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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

Googleの言語フィルタリングは広告主に配慮した方策だと思う

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先日、「日本のGoogleと米国のGoogleでは検索結果がぜんぜん違う」という投稿を上げました。その後すぐにコメントをいただき、日本のGoogleで検索した場合には日本語言語フィルタがかかるということを教えていただきました。
この日本語フィルタの件、2006年後半に一部でかなり広がった知見らしいですね。

ただ不便なことは確かで、米国サイトを検索するのに、いちいち米Googleのトップページにまで飛ばないといけません。

なぜこういう仕様になっているのか推察してみました。

それはスバリ、日本国内の広告クライアントに最適化した広告メディアにするためです。

日本の広告主は、日本語がわかる日本在住の潜在顧客のために広告を打つのが普通です。他の言語で検索したユーザーに日本の企業の広告を表示させて、ぽちっと押してもらっても、広告主にはロスにしかなりません。
それを防ぐために、まず、広告を表示させるべき相手を予め日本語という枠で括る必要がある。それが言語フィルタリングの役目ですね(正確には、検索時に生成されるクエリで、その検索が日本語であることを示すパラメータが入る)。

さらに検索結果の表示においても、例えばある英単語の検索によって英語圏のサイトがたくさん出てくるようでは、日本市場向け広告メディアとしてうまくない。例えば「BBC」で検索してみて英米のBBC関連サイトがたくさん出てくるようでは、国内の検索ユーザーのニーズは満たせない(という判断なのだと推察します)。そこで、検索結果の表示においても、国内サイト優先で表示させる。
これによって「BBC」というワードを買った日本の広告クライアントも、検索結果に出てくるのは日本のサイトばかりなので、「日本市場向けのサーチエンジンに広告を出したのだ」という満足感が味わえることになります。

というように、広告クライアントの顧客満足を最大化するための方策なのでした。

広告業界の人にとっては当たり前なのかも知れないけれども、インターナショナルな広告というのは例外的な存在で、ターゲットもメディアもクリエイティブも常に国内を意識する必要がある。結果として、広告ビジネスは国内仕様にならざるを得ない。そんなところなのでしょうか。

この延長で考えると、YouTubeがなぜ各国語版をリリースしたのかが、よく理解できるようになります。個々の国々で広告事業を展開するためなのです。

当たり前すぎてつまらなかったですか?(汗

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