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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

上海蟹をかっ食らう

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毎年秋になると「上海蟹、上海蟹」と騒ぐ人が一部にいますが、理由がわかりました。

神田神保町の某店は兄貴分の某店がそもそも上海蟹の有名店であり、仕入れ筋がしっかりしているので毎年良質のブツがたっぷり入荷している模様です。上海蟹と言ってもピンキリらしいので、仕入れ筋がしっかりしている店で食べるに越したことはありません。
酸いも甘いも噛み分けた男女4名。言ってしまえば中年ですな。2週間ぐらい前に攻めてみました。うち1名は上海で本場ものを堪能済み。別の1名は同店で早々とメスを経験済み(卵を持つメスの旬は早い)。

蒸し上海蟹は頼んでから20分ぐらいかかるので、その間、前菜めいたものを食べるということになりますが、その店では珍味に類する上海蟹の紹興酒漬けを出しており、当然それから試すという段取りになります。蒸し上海蟹を各自1杯ずつ。紹興酒漬けを2人で1杯ずつ頼んで出てくるのを待ちました。

深紅に染まった紹興酒漬けが鋏で甲羅をぱっくり割られた状態で出てきました。これは生きた蟹を紹興酒にぶっこんで酔わせて昇天させるという、そういうワイルドな食べ物です。未経験の2名が恐る恐るのところを(見た目は少しこわい感じが実際あります)、自分から行ってみました。まずはオレンジ色の味噌から。

うみゃー。うみゃーの何のって。メガを通り越してテラうまい。クオリアを突き抜けてクオークの域にまで入り込んでいるというぐらいです。わかりやすく言うと生ウニの7倍ぐらいうまい。紹興酒に漬かっているので味が舌の上で複雑多岐に分かれるのですが、それでも口にふくんだ瞬間にこれが世界で一番おいしいものの部類に入る食べ物であるということは直感的に理解できます。
日経夕刊で連載している農学者の小泉武夫氏が何かの本で書いていたエスキモーのものすごい食べ物を思い出しました。ここにその記述があります。これはこれで死ぬまでに一度経験しておきたいブツ。

蒸し上海蟹の方は、これもまた肉も味噌もうまいのはうまいのですが、紹興酒漬けの余波でもってそのうまさの輪郭があいまいになってしまいました。記憶をたどると、肉はどちらかと言うと毛蟹系の繊細な味わいに近いが毛蟹のような濃厚なうまみではなく淡白あっさり。味噌はフレッシュなぴちぴちした卵黄の食感ゆでウサギ肉という感じ(うまく伝えられません)。蒸し上海蟹だけでも毎年このシーズンに騒ぐ価値は十分にあります。

同店では紹興酒のビンテージものが何種類か置いてあります。上海蟹はやはり紹興酒が合います。ビンテージものを安いの高いの色々取り混ぜて試してみるといいです。グラスで売ってくれるので色々試せます。82年だか87年だかのやつがとりたててうまい。琥珀色の深くて甘い海を口に含んで生態系の追憶に浸る…(なんのこっちゃ)みたいな味がします。

上海蟹はしゃぶりつくものであり、じゅるじゅるちゅうちゅう言わせながら食べるものです。すかした男女がすかして食べる代物ではありませんね。蟹のがたいが小さいので、肉を攻めるにも味噌を攻めるにも、じゅるじゅるっ、じゅるじゅるっとやらないと味わい尽くせません。マナーを重んじる西洋人には無理ですねー。アジアに生まれてよかったと実感できます。旬が過ぎつつあるので、来年ぜひお試しください。

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