オルタナティブ・ブログ > プロジェクトマジック >

あるいはファシリテーションが得意なコンサルタントによるノウハウとか失敗とか教訓とか

仕事熱心ならば早く帰って寝よう、あるいはファシリテーションで「準備」よりも重要な唯一のこと

»

同僚からのメールを見ていたら、
「仕事中の眠い時に、眠いと口に出すのは周りにも悪影響だ。何もいいことはない」などと殊勝なことを書いていた。偉いですね。

とは言え、
・本当は眠いけど、同僚に悪影響だから自分を律してネガティブなことは口にしない

・自己管理をきちんとしているので、そもそも眠くない
の2つを比べると、前者のほうがかっこいいと思われている節もあるが、もちろん後者の方があるべき姿だろう。それは忘れない方がいい。


僕自身は、「疲れた」とか「この仕事だるい」とか「面倒くさいからやりたくない」とか結構口にする。オフィスに自分の席はないから、隣に座る特定の人がこの手のボヤキを集中的に聞かされる訳ではないのだけれども、まあ周りにいる人からするとあまり気分が良くないかもしれない。
それでもあえて言うのは、口に出したほうが改善できると思っているからだ。面倒くさい仕事(つまり、価値の低い仕事)はいずれやめたり、改善したりアウトソースした方がいい。価値の低い仕事に黙々と耐えるのは必ずしも会社にとっていいことではない。


さて、それとは別の話として、僕は仕事中ほとんど眠くならない。
「意識高く、集中して仕事をしているからです(キリッ)」という話ではなくて、単に人より沢山寝ているからだ。ほとんど毎日7時間は寝ている。8時間の時もある。そうでない日ももちろんあるが、その場合は別の日に多めに寝て、帳尻を合わせる。郊外に住んでいて通勤時間も長いので、現代人としては7時間を睡眠に割くのは結構難しいが、もう7年くらいはそうしている。


睡眠に多くの時間を割く本当の理由は「寝るのが好きだから」なのだが、表向きの理由としては「仕事をきちんとやりたいから」というのもある。

先日、ネットで睡眠についての研究結果を読んだ。質の良い睡眠のためのテクニックが色々とあがっていたが、一番衝撃的だったのは次の2点だろう。

1)睡眠6時間を2週間続けた時の知的能力は、48時間連続で寝ない時と同等まで低下

2)本人はそのパフォーマンス低下に気づけない



普段から6時間未満しか寝ないという人はザラにいるだろう。そういう人は本来の能力に比べてずいぶんパフォーマンスが落ちている。僕は自転車をぶっ続けで乗る趣味があるので、48時間寝ないこともあるのだが、そういう時って本当に判断力が落ちる。大事な物を忘れたり、道を間違えたのに気づかなかったり。


しかも、パフォーマンス低下を本人は気づかないのが怖い。「俺の実力はこの程度」と思い込んでしまっているのだ。まあ、常にそういう状態ならば、それがその人の実力と表現するべきなのでしょうけど。



脳科学の成果として、寝ている間に人間は記憶の整理をする事が分かっている。昼間起きたこと、勉強したことなどを反芻し、既存の記憶との関係性を確認した上で取捨選択し、後で取り出しやすいように格納する(変な夢を見るのは、この記憶の整理プロセスを覚えているからだ)。

だから、記憶力を良くするためには十分寝た方がいい。そして、物を考えるというのは適切な時に適切な記憶を思い出すことなのだから、よく寝てうまく記憶が整理されていないと、物をうまく考えることもできない。
昔、受験勉強について「四当五落」という言葉があった。4時間しか寝ずに勉強した人は合格し、5時間も寝てしまうと不合格になる、受験とはそれほど厳しいものだ、という意味だ。
もちろん、今となってはこれは大嘘である(僕は受験生の時も8時間くらい寝ていた)。


仕事、特にプロジェクトが佳境になるとスケジュールに追われる。沢山仕事をしないと間に合わない。自然に帰りが遅くなり、寝る時間が犠牲になる。
それって表面上献身的なのだが、実際にはパフォーマンスが低いまま仕事をしているのであれば、真の貢献度は低いのだろう。
「パフォーマンスが低下していることに本人は気づけない」が事実ならば、もう自分で判断してはいけないのだ。睡眠時間を割くためには考えずに、自動的に家に帰らないといけない。


僕がこの事を教わったのはワインバーグ師匠の本を読んだ時だ。コンサルタントとして顧客企業を訪問したが、何も有益なアドバイスを思いつかなかった時の話。

明日のクライアントとの打ち合わせに向けて、何もよい提案を思いついていなかった。もちろんかなり焦っていたが、もう明日の打ち合わせに向けて寝なければならない時間だったので、寝ることにした。あくる日・・・

僕はコンサルタントとして「準備不足で決してお客さんとの打ち合わせに臨んではならない」と強くしつけられていた。「会議で大事なことは3つある。PrepとPrepとPrepだ!」という言葉もある(Prepは準備のこと)。

実際に会議の準備のためにタクシー帰りすることもよくあったので、これを読んで衝撃を受けた。明日の打ち合わせの準備が全くできていなくても、それでも寝ることを優先すべきなのか・・。準備不足より睡眠不足の方が怖いのか・・。

僕が問答無用で寝ることにしたのは、そのしばらく後からだ。



*************関連記事
僕が鬱病になりかけた時の話、あるいは負のスパイラルについて
会議や研修で寝るのは寝るヤツが悪いのか?あるいは勝手に脳内対策会議

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する