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説明するなら指でさせ、あるいは耳なし芳一だっていいじゃないですか

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この記事で言いたいことは一つしかない。

「今、説明している箇所を指でさせ」

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僕は今まで何度も何度も何度も、人にこれを言ってきた。でも、やらない人がとても多い。なぜやらないのかとても不思議だ。(面倒くさいから?)
やらない身内がいると、蹴飛ばしたくなる。(蹴飛ばさないけど)

会議は議論と合意の場であって、プレゼンテーションの場ではない。だが、議論の前提知識を揃えたり、たたき台を提示して効率良く話を進めるために、誰かが自分の考えを「説明」する場面は多い。
そもそも報告すること自体が目的の会議も多いし。
(報告が目的の会議に存在意義があるのかは微妙な問題だが、一旦置いておく)。

やりたいのは「説明」だから、一番大事なのは分かりやすいこと。
分かってもらった後に賛同してくれるか、行動に移してもらえるか?はあくまでその後の話。
で、複雑な事を説明するために資料の助けを借りる。配布資料に沿って説明していく。この様子を観察していると、2つの事に気づく。

・説明する側は、今どこを説明しているのかに、口数のほとんどを使っている
・それにも関わらず、説明される側は「今、どこの話しているの?」をしょっちゅう見失っている。

説明する内容が複雑であればあるほど、この傾向はアップする。
例えば複雑な業務フローを見ながら、その業務の問題点を議論するような時は、こんな発言が多い。

「納期確認のハコがあるじゃないですか。そこから帳票出力のハコまで間に、OKかNGかを判断するんですよ」

でも、こう口で言うより、

「ここでOKかNGかを判断するでしょ」

と、指さしながら言ったほうが全然早い。頭に余計な情報が入ってこないから、大事な話に集中できる。感覚的には3割話が速く、3割理解が深くなる。
ごくごく単純な話のはずだ。

★具体的には・・
指でさしながら説明するためには、どういう方法がいいだろうか?

1)プロジェクター
僕らは普段、主催する会議で手元資料を配らない。全てプロジェクターに映すだけ。発言に応じてその場で資料を修正していけるのもいいし、紙資源の節約にもなるけれど、一番重要なことは「さしながら説明できる」ことだ。

2)紙に書く
プロジェクターが使えない場合、とっさに思いついた事を説明する場合は、フリップチャート(模造紙)にメモを書いて説明する。

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3)配布資料を指さす
どうしてもプロジェクターやフリップチャートを使えないアウェー環境の場合は、やはり資料を配る。ただし、資料を説明するお相手に向け、はやり指で指し示しながらお話する。
下の写真は、たまたまこれを書いた後に参加した会議で撮ったもの。狭い部屋で行われたカジュアルな説明会だったので、扇子で指しながら説明している。もちろん何が書いてあるかは見えないが「今、この辺を説明してますよ」は分かる。それでいいのだ。

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4)配布資料に書いてある番号で示す
大きな会議室だったりして、3)すらできない場合は、しょうがないので口に頼る訳だが、その時は必ず項目番号を振る。
「システム在庫と実在庫に乖離があるという課題ですが~」
というよりは、
「課題14については」
と言ったほうが、聞くほうが楽だからだ。

★指でさすと耳なし芳一になる
オルタナブロガーの田中さんが面白い記事を少し前に書いていた。
「プロジェクタの光の中に立つ影は、プレゼンタ~♪」

プロジェクターの光の中に入り込んで立つと、スライドの文字が顔やらシャツに写って聞き手の注意力を削ぐよね、という話だ。
読んでまさに「プレゼンあるある!」と思った。スマートじゃないよな。

でも、僕は気にせずプロジェクターの光の中にガンガン立つ。
自分が滑稽に見えようが、聞く人が気になろうが、それより大事なことがあると思うから。それは今日のテーマの「説明するなら指せ」だったり、話す時の勢いだったり。

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