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"情報の呼吸法"の感想

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私はTwitterで津田大介氏(@tsuda)をフォローしているのですが、TLを見ていると面白いとあるので購入してみました。

本書では情報の取り扱いに関して非常に面白い見方をしています。

昨今のマスメディアは信頼性が無いように思えます。私は2011.3.11の震災以降、オールドメディアの信頼性をなくなったと思っています。信頼性が高ければ取得してもいいのですが、情報の信頼度が100%でなくなった瞬間ユーザとしてはどうすることも出来ません。ニュースの真偽を確かめるコストを個人で払うことは実質出来ません(現場に行って確認することも出来ませんし、知らない人にアクセスすることも不可能です)。

ですが、最近は情報の真偽を確かめるためにソーシャルメディアの活用することが出来るようになりました。オールドメディアのうそ情報を流しているのもTwitter等で現場の情報が流れたことで分かりました(この情報も本当かどうか分からないところもありますが)。

昔TVの番組つくりの不満で、時間が無いからインタビューの抽出を番組の趣旨にあうように抽出していると番組作成側の言い訳を聞いたことがあります。確かに、TVで流す時間は有限ですので発散した結論になることは出すことは出来ません。ですが、今はネットがある時代です。情報を流す時間の実質制約はありません。情報提供者が、情報受信者をミスリードするような方法を取る必要性はもうなくなったと思います。

私は津田氏のメルマガ(TLを見ているとかなり面白そう)は購入していませんが(あまりメルマガを購入したいと思っていないため)、情報の呼吸法を読むと氏の考えに共感を覚えます。特に新しい政治メディアを作りたいと言うの話は非常に面白いと思います。著者が指摘しているように昨今のオールドメディアの政治ねたは政治家を追い落とすことや政争が焦点になっています。

政治ニュースで必要なことはそんなことではないはずです。これからやろうとしている政策やその結果に関してです。このため著者が目指す政治メディアが立ち上がることはユーザにとってかなりメリットがあるように思えますし、政治家にもメリットは大きいのではないかと思えてなりません。

最近のWEBで良く使われているキュレーターに関して面白見方をされています。著者はキュレーターではなく、バーテンダーみたいにデータをあわせて出すべきではないかと。確かに最近のキュレーターの様なリンクを貼ってあるのは、情報を集めには便利なのですが、結論とか一目で分かるような情報が無いような気がします。

私は良くGartnerのデータやAppleの決算情報などをグラフ化していますが、そのほうが理解できると思っているためです。各種情報のURLをリンクしていても見に行かないといけない苦労があるのでやはりバーテンダーの様な形式のほうが情報取得側もいいのではないかと思います。

また、陸前高田氏の佐藤一男会長の「情報発信しないことにはリターンがない」は非常に興味深い一言です。私がブログを書いているのもやはりこれが理由です(あまりリターン無いけど)。確かに情報を発信していなければ、存在していないのとほぼ同じです。わざわざ探す人もいるかも知れませんが、やはりTwitter、SNSやブログ等で情報を発することで見つけるコストも減ります。

ソーシャルメディアによって個人の情報発信するコストが減りました。また、オールドメディアの信頼性は低くなっていると思います。個人で発するソーシャルメディアは信頼度はそれほど高く無いかも知れません(ステマ問題とか)が、多くの情報を取得することにより精査も個人に任すことが出来るようになりました。

本書は、もっとソーシャルメディアを活用したほうがいいと気づかせる良書だと思います。私はメルマガはあまり好きではないので購入は出来ないのですが、著者の活動を応援したいと思いました。

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