webOSのオープンソース化の感想
HPは今まで放置状態だったwebOSの方針を決めました。とりあえずオープンソースとして公開して、ハードウェアはタブレットのみ作る可能性があると明言しました。
売却ではなくオープンソースとして公開することにどの程度効果があるのでしょう。オープンソースで成功しているものは少なくありません。ですが、その多くはバックのサポートが非常に大きくなります。
最近勢いがなくなってきたUbuntuですが、Canonicalがバックで対応しているのでここまで普及しました。Symbian OSは2010.2にオープンソースとして公開していますが、バックのNokiaがWindows Phoneへ舵を切ったこともあり成功しているとは言えません。Androidはオープンソースで成功していますが、Googleが普及させるために力を注いでいることが成功の主要因でしょう。MeeGoは巨人Intelが支えていましたが、最終的には開発終了しています(Intelのこの方向の注力はあまり成功した試がないように思えますが)。
オープンソースにしたからと言って、ハードに依存しているOSはバックの影響は非常に大きいと思われます。またHPはメディアタブレットの製品はあってもスマートフォンはないと発言しています。iOSにしろ、Androidにしろスマートフォンとメディアタブレットの両方を製造しています。補完関係にある両者でなければプラットフォームとして成功できないのではないかと思います。メディアタブレットだけ出すのはMicrosoftへの駆け引きへのアピールのように見えなくもありません。
このため、現状ではwebOSがプラットフォームとして成功する目がさらに減ったように思えます。とはいえ、夏にハード撤退を思えばwebOSの命運はそこで尽きていたのかも知れませんが。それを思えば、Amazonあたりに売却とかしたほうが面白かったのではないかとさえ思えます。
コンシューマー系のOSとして、Windows、Mac/iOS、AndroidとOSが成功している部類でしょう(Symbianも出荷台数としては成功している部類だったと思いますが、その後の発展が...)。Mac/iOSはAppleが自社消費のみに使用しているOSですが、WindowsとAndroidはハードメーカへ展開しています。HPはwebOSでAppleを目指したのかも知れませんが、それが如何に難しいことか今回の事例で分かりました。似たような製品群を目指すメーカは巨大なメーカやユニークなメーカと闘わなくていけないため大変なことなのでしょう(今のBlackBerry)。また、MeeGoなどの結末を見ているとオープンソースにしてもどうにかなるとは思えません。
やっぱりOSのエコシステムを作るのは一朝一夕ではないのでしょうね。