SSDの形状によるPCの自由度の考察
SSDが普及し始めてPCに最初から搭載されるケースが増えてきました。MacBook Airを除けば、SSDはHDDのリプレイスを狙って2.5インチもしくは1.8インチHDDと同じ形状を搭載しています。
ですが、HDDと違ってSSDは形状をHDDと同じにする必要がありません。現在販売されているSSDの中を開けるとすかすかな製品がいくつか存在します。また、"ThinkPad X201sを三枚におろしてみた"でも書きましたが、結構ストレージの場所はとります。
もし、SSDの形状を気にせずノートPCを作ったらどうなるかを実践したのがAppleのMacBook Airです。それに使われていないSSDは東芝製のBlade X-gale(108.9×24×3.7(2.2)mm)です。
新しいMacBookはSSDとHDDのハイブリッド構成になると噂されていました(採用されなかった...)。Blade X-galeとHDDを搭載すれば、SSDでOS/アプリの起動を速くし、HDDでストレージ不足を補えばストレージの問題(速度と容量)を全て解決でき、筐体もスマートにすることが可能でしょう。
SSDの形状に囚われなければ、新しいタイプのPCを作ることが可能なことを示唆しています。
普通に考えれば3つあると思います。
1つ目は、MacBook Airに追随するように薄型です。これは安易過ぎますが、東芝が提供していることを考えると他メーカで採用可能です。
2つ目は、SSDを複数搭載しRAID0にストレージの高速化です。2.5インチSSD(69.85 × 9.5 × 100 = 66,358立方mm)を1個搭載するよりも、Blade X-gale(24.0 × 2.2 × 108.9 = 5,750立方mm)を4枚入れた方が体積的に少なくなります(コネクタ部分は増えるので体積比だけではだめですが、どの程度増えるのかわかりません)。これでRAID0を組めばシーケンシャルリード・ライトが極端に高速なお化けマシンが出来上がります(その前にSATA 6Gbps対応が先か...)。それも既存のサイズとは変わりなく実現可能です。
3つ目は、マザーボードに直接NANDを貼り付けてさらなるコンパクト化です。Macbook Airはメモリをマザーボードに直接埋め込むことでコンパクト化しています。これをストレージにも適用します。コストは上がると思いますが、コネクト部分の省略化することでコンパクト化を実現可能です。ただし、増設できない問題が生じますが(注:どの程度ユーザがメモリやストレージを増設・交換するでしょうか。あまり多くのケースがなければ、交換させないのも一つの選択肢だと思います...ただし私のように交換大好きタイプは困りますが)。
SSDは今後も微細化と大容量化すると言われています(微細化することで信頼度が低下して、大容量化できないとも言われていますが...)。また、積層技術により大量に積むことができます(64ギガバイトの組込み式NAND型フラッシュメモリ新製品の発売について)。このため、Blade X-galeの大容量化もしくは小型化が可能になると思われます。
SSDは容量単価でHDDを追いつけないと予想されています。ですが、どれだけのユーザがテラバイト級の容量を必要としているでしょうか。また、Evernote等のインターネットストレージが安価になると手元に置くメリットを失う可能性もあります。このため、SSDのカバーできる容量で十分な時代が来ると予想しています。
SSDの登場によってMacBook Airが先鞭をつけたユニークなPCを作りは、他メーカにも追随して欲しいものです。
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