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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

Withコロナを見通した教育ICT活用 -オンライン授業からその先のハイブリッド授業について-

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2020年春は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で学校が休校となり、教育現場では厳しい対応を迫られることになりました。そこで、これまでいろいろなテーマでお話を伺ってきた望月陽一郎 先生に「Withコロナを見通した教育ICT活用」についてお話を伺っていきます。

【望月陽一郎先生・略歴】
大分県立芸術文化短期大学 非常勤講師。Forbes Japan 電子版オフィシャルコラムニスト。元公立中学校教諭(理科)・大分県教育センター情報教育推進担当主事・指導主事・大分県主幹等を経験されています。
望月陽一郎 個人サイト:http://mochizuki.net/

オンライン授業について

‐全国の休校中に話題になったオンライン授業、学校でも在宅でも学べるように学校再開後も少しずつ導入が進んでいるようです。そのような中、どのような手法で行うか、家庭で使用する端末をどうするかなど課題が多いのではないかと思います。
 子供たち全員の家庭でのインターネット環境が整っていたり、端末を持っているわけではなかったりすると思います。そのような面で課題はないのでしょうか。

望月先生:休校が始まったところで、学習機会を確保するためにオンライン授業を試みる学校や自治体が見られてきました。

そういった中で問題となったのが、
 ・家庭に子供たちが使うことができる端末があるか。
 ・通信代を気にせず使えるようなWi-Fi環境があるか。
ということです。

 4月~5月にFacebook上でとったアンケートの記述の中にも、
 ・子供たちの環境がそろっていないので、オンライン授業を断念した。
 ・平等ではない、ということで反対された。
という実態についての回答が先生方からかなりありました。

文部科学省からの通知には、
「児童生徒に家庭学習を課す際や学習状況の把握を行う際には、ICTを最大限活用して遠隔で対応することが極めて効果的であることを踏まえ、今回が緊急時であることにも鑑みると、学校設置者や各学校の平常時における一律の各種ICT活用ルールにとらわれることなく、家庭環境やセキュリティに留意しながらも、まずは家庭のパソコンやタブレット、スマートフォン等の活用、学校の端末の持ち帰りなど、ICT環境の積極的な活用に向け、あらゆる工夫をすること。
臨時休業中の学習の保障等について(新規) 4月21日 より抜粋
https://www.mext.go.jp/content/20200421-mxt_kouhou01-000004520_6.pdf

とあり、家庭の環境調査を実施して、できるところからオンライン授業に取り組んだ学校・自治体は、先行していたようですね。

 注目したいのは、先行していた学校や自治体で、すべての家庭に学習環境がそろってから始めたわけではないことです。

‐そういった環境がそろっていなかった家庭に対しては、どのような対応がされていたのでしょうか。

望月先生:家庭でオンライン授業に参加するには、
PC、タブレットあるいはスマートフォンなどの端末
・通信代を心配しなくてよいようなWi-Fi環境
などが必要です。小学校中学校に通う兄弟姉妹が複数の場合には、同じ時間帯だと人数分の端末が必要になります。

 自治体によっては、端末を貸し出したり、モバイルルータ(通信代込み)を貸し出したりしていたようですね。こういった自治体の取組は、先ほどの通知をもとに取り組んだ例といえるでしょう。

-すべての家庭に環境があるわけではなかったが、フォローして実施した学校があったのが興味深いですね。特に「モバイルルータ(通信代込み)を貸し出したりしていた」というお話、興味深いです。文部科学省の通達の影響がそれだけ大きいということなのでしょうね。

望月先生:ルーターを貸し出した例は、以下の記事が参考になると思います。

コロナ休校 自治体から家庭にICT機器など貸出 ―日本教育新聞―
https://www.kyoiku-press.com/post-216333/

-ご教示ありがとうございます。「今回オンライン授業を実施した学校」の様子についても伺えましたら幸いです。

望月先生:オンライン授業といっても実際には、
・動画配信
・学習に使えるオンライン教材の紹介
が多かったようです。いわゆる配信型(一方向)ですね。

-なるほど、そのあたりを次回お聞きしたいと思います。

>>「Withコロナを見通した教育ICT活用(第2回)」に続く20209月公開予定)

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望月先生がmicro:bit を活用したプログラミング教育について、当ブログで連載した記事のまとめは以下の記事からご覧いただけます。

▼【連載まとめ】micro:bit プログラミングとこれからのプログラミング教育https://blogs.itmedia.co.jp/kataoka/2019/02/microbit.html

※連載まとめは、望月先生の連載(5回分)を片岡が再構成してまとめたものです。

 望月先生は、全国各地で依頼によりプログラミング教育やmicro:bitに関する講演やセミナーをしていらっしゃいます。プログラミング教育が必修化された小学校の先生方も参加されてみてください。

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