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グローバル化する中で日本人はどのようにサバイバルすればよいのか。子ども×ICT教育×発達心理をキーワードに考えます。

Withコロナを見通した教育ICT活用 -オンライン授業の配信について-

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2020年春は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で学校が休校となり、教育現場では厳しい対応を迫られることになりました。そこで、シリーズとして望月陽一郎 先生に「Withコロナを見通した教育ICT活用」についてお話を伺っていきます。

【望月陽一郎先生・略歴】

大分県立芸術文化短期大学 非常勤講師。Forbes Japan 電子版オフィシャルコラムニスト。元公立中学校教諭(理科)・大分県教育センター情報教育推進担当主事・指導主事・大分県主幹等を経験されています。

望月陽一郎 個人サイト

オンライン授業を実施した学校の様子について

前回の最後に、

望月先生:オンライン授業といっても実際には、
・動画配信
・学習に使えるオンライン教材の紹介
が多かったようです。いわゆる配信型(一方向)ですね。

という話で終わりましたが、授業動画の配信(見るだけ)の方がテレビ会議を使った対面授業よりも多いようです。なぜでしょうか?

望月先生:配信された動画を見るのは、YouTubeで普段動画を見るのと同じです。つまり、ネット上の動画を見ることができればよいことになります。ハードルが低い、ということです。

全国で休校になった後、子供たちの家庭のネット環境を調べるための調査が行われました。

「学校の環境のみで全ての児童生徒のICT環境が対応できない場合には、家庭や学校にあるあらゆる機器や環境を最大限活用すること。そのために、学校において、児童生徒の家庭におけるインターネット通信等の ICT環境を早急に把握すること。・・・」

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」の方向性等について(通知)(令和2515日)より

  • インターネットが使えるか。
  • Wi-Fiで常時接続できるか。
  • カメラ付きパソコンなどの端末があるか。

など、いろいろな調査が行われたようです。

しかし、パソコンがあってもカメラがついていない。Wi-Fi環境がなくスマホだけのため、常時つなぐと通信代がかかる。など、常時子供たちがテレビ会議システムをつかった対面型のオンライン授業をするには、このようにハードルが高い場合があります。そういった調査結果から、動画配信を選択した学校も多かったようです。

また、文部科学省のサイトに紹介されたオンライン教材をHPで紹介した学校・自治体もありました。

子供の学ビ応援サイト

-動画配信はすぐにできるのでしょうか?

望月先生:オンライン授業についてやりとりをしてきた先生方から聞いたのは、

  • 動画をつくるのが大変。

    ということでした。

子供たちだけでなく、保護者の方や一般の方も見る可能性があるため、きちんとしたものをつくりたいと考えるのは当然ですが、動画作成について負担を感じる場合も多かったようです。なぜなら、先生方は授業動画を日頃から作っていたわけではありませんから。

・撮影前準備

 ・・・動画の長さ、内容などをあらかじめ考えておく。

・撮影

 ・・・カメラで撮影する。(自分で撮るか他の先生に撮ってもらう)

 ・・・撮り直しもある。

・編集

 ・・・長さを調整したり、余分なところを削除・撮り直したものを挿入したりする。

など、簡単な動画1本でも慣れない場合は大変だったと思います。それを100本以上も配信していた自治体もありましたね。

私は、「事前準備(リハーサル)を多くして、撮影後の編集がいらないようにする方法」をすすめていました。編集を始めると完成がこれでよいのか悩むことが多く、また編集できる先生に負担が集中するということもあるからです。

これらを解決するひとつのアイでアとして、各自治体でバラバラに授業動画をつくるのではなく、

NHK for School

のように、公共放送であるNHKがまとめて動画を作成(あるいは集め)して配信する方法もあるのではないかと思います。そうすると、全国で同じレベルの動画視聴によるオンライン授業ができますよね。

-確かに休校中に授業動画を一生懸命作成されてきた先生方のご苦労がうかがわれますね。このようにテレビ会議システムによる対面授業(同期型)ではなく、非同期型(時間を合わせなくてよい)の形式を取った場合、子供たちの反応はどのように把握していたのでしょうか?

望月先生:それについては、

  • 子供や保護者からの感想があって好評だった。(会えないけれど先生方の姿を見て)

という話も聞きましたが、

  • 動画を見たかどうかわからなかった。子供たちの反応が見えなかった。

という話も多く聞きました。動画を見た子供たちの感想・反応を先生方にフィードバックする手段まで確立できていなかったようです。

そのため「子供たちとのコミュニケーション不足」という状況になったのではないでしょうか。テレビ会議システムによる対面授業のメリットはまさに反応がすぐわかることにありますからね。

今、GIGAスクール端末(子供たち一人一人に配布するタブレットなど)の整備が急がれているのは、再度の休校がある可能性も想定して対面型オンライン環境実現のためでもあると思います。

GIGAスクール端末の整備の必要性、改めて感じました。そして、望月先生はChromebookの活用も研究されているそうですね。

望月先生:はい。昨年からどう活用していけるか試用してみていますが、全国でも導入事例がどんどん増えているようですね。

-それでは次回はChromebookについて教えてください。今回も貴重なお話をありがとうございました。

>>「Withコロナを見通した教育ICT活用 -Chromebookの活用について-」(第3回)に続く(2020年10月公開予定)

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望月先生がmicro:bit を活用したプログラミング教育について、当ブログで連載した記事のまとめは以下の記事からご覧いただけます。

【連載まとめ】micro:bit プログラミングとこれからのプログラミング教育

※連載まとめは、望月先生の連載(5回分)を片岡が再構成してまとめたものです。

望月先生は、全国各地で依頼によりプログラミング教育やmicro:bitに関する講演やセミナーをしていらっしゃいます。プログラミング教育が必修化された小学校の先生方も参加されてみてください。

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