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デジタル化とDX 5/5 デジタル化とDXの違い

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DXとは何者なのでしょうか。全5回にわたり、「デジタル化」との違いを示しながら、考えてゆきます。今日はその最終回です。

連載の目次

  1. DXとは何か
  2. 私たちが「いま使っている」DXの定義
  3. デジタル化とは何か
  4. デジタル化の目的と2つの意味
  5. デジタル化とDXの違い *本日*

デジタル化とDXの違い

DXとは、次のような解釈になります。

「デジタル・テクノロジーの進展により産業構造や競争原理が変化し、これに対処できなければ、事業継続や企業存続が難しくなる。これに対処するために、自分たちの競争環境 、ビジネス・モデル、組織や体制を再定義し、企業の文化や体質を変革すること」

デジタル化とは、次のような解釈になります。

「アナログな現実世界の現実世界のものごとやできごとをコンピュータで扱えるカタチに置き換え、人間のやっていたことをコンピュータでできるようにすること」

また、デジタル化には、「デジタイゼーション:効率化のためのデジタル技術の活用」と「デジタライゼーション:変革を伴うデジタル技術の活用」との2つがあり、前者は「既存の改善」であり、後者は、「既存の破壊」であると説明しました。

DX」は「ビジネス変革」を意味する言葉です。一方、「デジタル化」は、ビジネスを改善、あるいは変革するための手段です。

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DXが目指すビジネス変革は、デジタル化と言う手段が必要です。だからと言って、「デジタル化」だけで、ビジネスを変革することはできません。事業の目的や経営のあり方を再定義し、「いまの社会」に適応するための取り組みも必要になります。

「いまの社会」とは、「変化が早く、予測困難な社会」です。このような「いまの社会」を支えているのは、インターネットやクラウド、スマートフォンやIoTなどのデジタルです。そんなデジタルが前提の社会に対処するには、自らもデジタルを駆使して、圧倒的なビジネス・スピードを獲得し変化に俊敏に対応できる企業、すなわち「アジャイルな企業」に変わる必要があります。

当然、そこで働く人たちや組織の仕組みも、変化に俊敏に対応できなくてはなりません。すなわち、自律したチームへの大幅な権限委譲やそれを支えるオープンな情報共有、従業員ひとり一人が最高のパフォーマンスを発揮するためのワークスタイルの多様化などです。つまり、アジャイルな企業の文化や風土への変革が必要になるのです。

DXとは、既存のビジネス・プロセスやビジネス・モデルを「デジタル化」することに留まらず、企業の文化や風土への変革を目指す取り組みなのです。

デジタル化とDXの違いをご理解頂けたでしようか。冒頭で申し上げたデジタル技術を使い「業務を効率化すること=デジタイゼーション」や「既存のビバネスを変革し新しいビジネス・モデルを生みだすこと=デジタライゼーション」だけでは、「デジタル化」です。もちろん、それは大切なことですが、「変化が早く、予測困難な社会」にあっては、これらを日常の当たり前として繰り返し、ビジネスを変化させ続けなくてはなりません。そんな「アジャイル企業」に変わることが、「DX」なのです。

この違いを理解した上で、デジタル化やDXの実践をすすめなくてはなりません。

【募集開始】次期・ITソリューション塾・第39202229日〜)

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次期・ITソリューション塾・第39期(202229日 開講)の募集を始めました。

コロナ禍は、デジタルへの世間の関心を高め、ITへの投資気運も高まっています。しかし、その一方で、ITに求められる技術は、「作る技術」から「作らない技術」へと、急速にシフトしはじめています。

この変化に対処するには、単に知識やスキルをアップデートするだけでは困難です。ITに取り組む働き方、あるいは考え方といったカルチャーを変革しなくてはなりません。DXとは、そんなカルチャーの変革なしでは進みません。

ITソリューション塾は、ITのトレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、そんなITに関わるカルチャーが、いまどのように変わろうとしているのか、そして、ビジネスとの関係が、どう変わるのか、それにどう向きあえばいいのかを、考えるきっかけになるはずです。

  • SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
  • ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
  • IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
  • デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん

そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。

詳しくはこちらをご覧下さい。

  • 日程 :初回202229()~最終回427() 毎週18:3020:30
  • 回数 :全10回+特別補講
  • 定員 :120
  • 会場 :オンライン(ライブと録画)
  • 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000
  • 全期間の参加費と資料・教材を含む

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

12月度のコンテンツを更新しました】

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目的の資料にいち早くアクセスできるよう、以下の二点を変更しました。

・タイトルと資料の構成を大幅に変更しました

・研修資料を作るベースとなる「最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略(総集編)」の内容改訂 

ITソリューション塾について

・教材を最新版(第38期)に改訂しました

・講義の動画を新しい内容に差し替えました

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DXとビジネス戦略

【改訂】デジタル化がもたらすレイヤ構造化と抽象化 p.14

【改訂】デジタル化とDXの違い 改訂版 p.27

【改訂】DXの定義 1/3 p.39

【新規】DXの定義 2/3 p.40

【改訂】DXの定義 3/3 p.50

【改訂】DXのメカニズム p.45

【新規】「デジタル前提」とは何か p.46

【改訂】DXの公式 p.47

【新規】なぜ「内製」なのか 1/3 p.178

【新規】なぜ「内製」なのか 2/3 p.179

【新規】なぜ「内製」なのか 3/3 p.180

【新規】ITベンダーがDXを実践するとはどういうことかp.174

ITインフラとプラットフォーム

【新規】サーバー仮想化とコンテナ 1/2 p.76

【新規】サーバー仮想化とコンテナ 2/2 p.77

【新規】コンテナで期待される効果 p.78

【改訂】コンテナとハイブリッド・クラウド/マルチ・クラウド p.81

開発と運用

【新規】アジャイル開発が目指すこと p.37

【新規】SI事業者がアジャイル開発で失敗する3つの理由 p.74

IoT

【新規】Connected p.139

ビジネス戦略・その他

【新規】個人情報とプライバシーの違い p.146

【新規】「個人を特定できる情報」の範囲の拡大 p.147

【新規】Privacy保護の強化がビジネスに与える影響 p.148

【新規】影響を受けるデバイスやサービス p.149

【新規】スマホAIの必要性 p.150

AIとデータ

【新規】データサイエンティストに求められるマインドセット p.146

改訂【ITソリューション塾】最新教材ライブラリ 第38

ITソリューション塾の教材を最新版に改訂しました

- DXと共創

- ソフトウエア化されるインフラとクラウド

- IoT

- AI

下記コンテンツを新規に追加しました

- RPAとローコード開発

- 量子コンピュータ

- ブロックチェーン

下記につきましては、変更はありません。

ERP

クラウド・コンピューティング

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