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デジタル化とDX 2/5 私たちが「いま使っている」DXの定義

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DXとは何者なのでしょうか。全5回にわたり、「デジタル化」との違いを示しながら、考えてゆきます。

連載の目次

  1. DXとは何か
  2. 私たちが「いま使っている」DXの定義 *本日*
  3. デジタル化とは何か
  4. デジタル化の目的と2つの意味
  5. デジタル化とDXの違い

私たちが「いま使っている」DXの定義

改めて、いま私たちがいま使っているDXについての解釈を整理すると、次のようになるでしょう。

「デジタル・テクノロジーの進展により産業構造や競争原理が変化し、これに対処できなければ、事業継続や企業存続が難しくなる。そのためには、自分たちの競争環境 、ビジネス・モデル、組織や体制を再定義し、企業の文化や体質を変革すること」

ここで重要なこと、あるいは目指すべきことは、「ビジネスを変革すること=ビジネス・トランスフォーメーション」です。その前提がデジタルであるということです。

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「デジタル前提」とは、「社会」と「事業」という、2つの視点で理解しておく必要があります。

社会の視点:誰もが、当たり前にスマートフォンを使いこなす。買い物、ホテルや交通機関の予約は、ネットを使う。駅を降りれば地図サービスで自分の居場所と行き先を確認し、到着時刻をLINEで相手に知らせる。まさに社会は、"デジタル前提"に動いている。そんな社会の常識に対応できなくては、事業の存続も成長も難しい。

事業の視点"デジタル前提"の社会に対処するには、自らの事業もデジタルを駆使し、社会の常識に対応できなくてはならない。そうしなければ、顧客は離れ、収益の機会を狭めてしまう。積極的に、デジタルを前提に新しいビジネス・モデルを作り出さなければ、事業の存続も成長も難しい。

「変化が早い」・「未来を予測ができない」・「正解がない」といった、いまの社会状況に対処するためには、上記の2つの視点で、「デジタル前提」のビジネスの変革に取り組まなくてはなりません。

ところで、なぜ「Digital Transformation」 を"DT"ではなく"DX"と表記するのでしょうか。実は、ここにDXの本質が示されているといってもいいでしょう。本来、"Trans-"には上下を入れ替えるや、ものごとひっくり返す、交差させるという意味があります。既存を「入れ替える」ことや「ひっくり返す」こと、すなわち「変革すること」のイメージを"X"で表現しているわけです。「デジタルで変革すること」を「DX」という二文字で表現するというのは、本来は表音文字であるアルファベットを漢字のような表意文字のように扱っているわけです。

あえて"X"を当てはめていることからも、「変革すること」を強調したいという思いが、示されているわけです。

次回は「デジタル化とは何か」を解説します。

【募集開始】次期・ITソリューション塾・第39202229日〜)

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次期・ITソリューション塾・第39期(202229日 開講)の募集を始めました。

コロナ禍は、デジタルへの世間の関心を高め、ITへの投資気運も高まっています。しかし、その一方で、ITに求められる技術は、「作る技術」から「作らない技術」へと、急速にシフトしはじめています。

この変化に対処するには、単に知識やスキルをアップデートするだけでは困難です。ITに取り組む働き方、あるいは考え方といったカルチャーを変革しなくてはなりません。DXとは、そんなカルチャーの変革なしでは進みません。

ITソリューション塾は、ITのトレンドを体系的に分かりやすくお伝えすることに留まらず、そんなITに関わるカルチャーが、いまどのように変わろうとしているのか、そして、ビジネスとの関係が、どう変わるのか、それにどう向きあえばいいのかを、考えるきっかけになるはずです。

  • SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
  • ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
  • デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
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そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。

詳しくはこちらをご覧下さい。

  • 日程 :初回202229()~最終回427() 毎週18:3020:30
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  • 料金 :¥90,000- (税込み¥99,000
  • 全期間の参加費と資料・教材を含む

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

12月度のコンテンツを更新しました】

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目的の資料にいち早くアクセスできるよう、以下の二点を変更しました。

・タイトルと資料の構成を大幅に変更しました

・研修資料を作るベースとなる「最新のITトレンドとこれからのビジネス戦略(総集編)」の内容改訂 

ITソリューション塾について

・教材を最新版(第38期)に改訂しました

・講義の動画を新しい内容に差し替えました

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DXとビジネス戦略

【改訂】デジタル化がもたらすレイヤ構造化と抽象化 p.14

【改訂】デジタル化とDXの違い 改訂版 p.27

【改訂】DXの定義 1/3 p.39

【新規】DXの定義 2/3 p.40

【改訂】DXの定義 3/3 p.50

【改訂】DXのメカニズム p.45

【新規】「デジタル前提」とは何か p.46

【改訂】DXの公式 p.47

【新規】なぜ「内製」なのか 1/3 p.178

【新規】なぜ「内製」なのか 2/3 p.179

【新規】なぜ「内製」なのか 3/3 p.180

【新規】ITベンダーがDXを実践するとはどういうことかp.174

ITインフラとプラットフォーム

【新規】サーバー仮想化とコンテナ 1/2 p.76

【新規】サーバー仮想化とコンテナ 2/2 p.77

【新規】コンテナで期待される効果 p.78

【改訂】コンテナとハイブリッド・クラウド/マルチ・クラウド p.81

開発と運用

【新規】アジャイル開発が目指すこと p.37

【新規】SI事業者がアジャイル開発で失敗する3つの理由 p.74

IoT

【新規】Connected p.139

ビジネス戦略・その他

【新規】個人情報とプライバシーの違い p.146

【新規】「個人を特定できる情報」の範囲の拡大 p.147

【新規】Privacy保護の強化がビジネスに与える影響 p.148

【新規】影響を受けるデバイスやサービス p.149

【新規】スマホAIの必要性 p.150

AIとデータ

【新規】データサイエンティストに求められるマインドセット p.146

改訂【ITソリューション塾】最新教材ライブラリ 第38

ITソリューション塾の教材を最新版に改訂しました

- DXと共創

- ソフトウエア化されるインフラとクラウド

- IoT

- AI

下記コンテンツを新規に追加しました

- RPAとローコード開発

- 量子コンピュータ

- ブロックチェーン

下記につきましては、変更はありません。

ERP

クラウド・コンピューティング

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