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世界で一番やさしい資料作りの教科書#4 ~コミュニケーションの3大お作法

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2019年12月に出版された「世界で一番やさしい資料作りの教科書」から、内容を紹介していくシリーズ第4弾。

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今回は生産性を上げる「コミュニケーションのお作法」のお話。

僕が所属するケンブリッジには、生産的にコミュニケーションをするためのコツがある。もう本当に年中言われるし、これを指摘されない人はいない。ケンブリッジの社員は、何度も指摘されて、だんだんコミュニケーションのコツを身についていくのである。

面白いのは、方法論として言語化されているわけではないのに、どのマネージャーも判で押したように同じことを言うこと。効率の良いコミュニケーションを追求すると自然と同じところにたどり着くのだろう。あまりに皆が同じことを指摘するので、最近「コミュニケーションの3大お作法」として言語化したのだ。

だから、このお作法自体は、できる人が無意識にやっていることなのだと思う。できる人にとっては目新しくないかもしれない。実際「新しい発見はなかった」という方も一定数いる。
だが、言語化には大きな価値があると考えている。暗黙知が言語化されることで、再現性が高まり、展開・浸透が圧倒的に楽になるからだ。なんとなくやっていることを、構造化して理解する事が、物事の本質を捉える一つの方法なのかもしれない。さて、簡単に3つのお作法を紹介していこう。

お作法①:発言に見出しを付ける

発言に見出しが付くと、話の明瞭さがグッと上がる。誤解されがちだが「結論から話せ」とは違うのです。話しかける時に結論がないことだって多い。例えば、相談には結論も何もない。結論を出すために相談したいのだから。
だから「話がよくわからないから、結論から話せ」と、どれだけ部下に言っても、意味がないケースも多い。

そこで登場するのが、「見出し」だ。結論ではなく、今からしようとしていることを、一言で伝えてから本題に入るのである。まさに記事の見出しをイメージしてもらえると言いだろう。

【よく使う見出し】
・質問です
・確認です
・感想です
・賛成です
・反対です
・違う意見があります
・相談したいです
・提案です
・補足です
・報告です
・困ってます
・アドバイスが欲しいです
・とりあえず聞いて貰いたいです

こんなことを一言添えてから中身に入れば、それだけ見通しが良くなる。
「世界で一番やさしい資料作りの教科書」から、解説を引用してみる。

「この辺の言葉を一言挟んでから、詳細を話す感じかな」矢口が説明してくれる。
「え?『とりあえず聞いて貰いたいです』でも良いんですか??」葵が驚きの声を上げた。
「そうなの。世間でよく言われるのは、『結論から話せ』ということだけど、全然そんな必要ないの。今からしたいことを一言言えば良くて、『聞いてもらいたい』と言ってくれれば聞き手も構えられるでしょ?その後、ダラダラ話してくれても全然問題ないわ。そういう時もあるわよね」

片澤はバチンと指を鳴らした。「そうか、だから『見出し』なんだ」しっくり来たらしい。「ニュースや記事の見出しって、別に結論が書いてあるわけじゃない。でも見出しがあるとグッと記事が読みやすくなる。というか見出しがない記事は読む気にならないな」
「そうそう。まさにそれ。なんでもかんでも結論から話せなんて言われると、息が詰まっちゃうしね」

という感じ。ちょっとしたことだけど案外、効果がある。記事に見出しを付けるように、発言にも見出しを忘れずに。

お作法②:質問にストレートに答える

いきなりダラダラと話始めるのではなく、まず、聞かれたことに対してストレートに一言で答える。詳細な説明はその後で。
相談したい。というケースとは違って、相手に質問されているので、それに対する答えがあるはずだ。それをまず、シンプルに答える。それから中身の説明をする。

実はこの話し、ケンブリッジ語録の#1で解説しているので、詳しくはそちらを見てもらいたい。<ケンブリッジ語録#1 質問には「ストレート」に「簡潔」に答えよ>

あなたも軍人になりきってもらいたいw

お作法③:最後まで言い切る

前述2つのお作法は「話し始め」のお作法だった。3つ目は話し終わりのお作法だ。つまり、日本語は文末で意味が決まる言語である。という話だ。例えば

・今日は寒い...ですね。と
・今日は寒い...ですか?

では、意味が変わる。

・今日は寒い...と思わない。
・今日は寒い...と思いたい。

でも、意味が変わってしまう。

こんな風に、語尾で意味が決定付けられる言語なのだ。にもかかわらず、語尾をぼやかしてしゃべる人が多いのだ。日本人の奥ゆかしさなのか、遠慮なのか。そんなことをやっていたら噛み合うものも噛み合わない。語尾に力をこめてもらいたい。これも、ケンブリッジ語録の中で紹介してるので、詳しくはそちらを参照して欲しい。<ケンブリッジ語録#21 「発言は最後まで言い切れ」>

まとめ

以上、ケンブリッジに古くから存在するコミュニケーションの3大お作法を紹介した。
3つを「話して側がすべきこと」としてまとめたスライドもあるので、以下に乗せておく。書籍では、「聞き手側がすべきこと」も紹介しているので、興味があれば。

【コミュニケーションの3大お作法】

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次回は、「資料作りの7つのStep」を紹介したい。

<連載Agenda>
*新刊出ました
*1枚ものの資料作りの3Step
*タスク依頼の3要素
*コミュニケーションの3大お作法
*資料作りの7つのStep
*プレゼンターのべからず7箇条


ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。

ケンブリッジのホームページにも記事が沢山載ってます。書籍も好評です。

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