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世界で一番やさしい資料作りの教科書#3 ~タスク依頼の3条件

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2019年12月に出版された「世界で一番やさしい資料作りの教科書」から、内容を紹介していくシリーズ第3弾。

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今回は「お仕事を頼む、お仕事を受ける」時のお話。

お仕事を依頼するのは企業に取って最も基本的な動作なはず。にもかかわらず、よく考えると、一度も体系的に教えてもらったことがないような...。

企業で最初に教えるのが、「仕事の依頼の仕方、依頼のされかた」であってもいいのに、なぜなんだ!お辞儀の仕方とか、名刺の渡し方とか、上座はどこだとか、どうでもいい(相対的にね...)ことは、きっちり教えてくれるのに、肝心なことは何も教えてくれない。

どうなっているんだ、日本企業!

まぁ、みんなが「勘」でやっていて、きっちり言語化していないからなんだよね...。ということで、ケンブリッジに伝わる「タスク依頼の3条件」をお伝えしたい。

これは、依頼する側、依頼される側の視点があるが、一旦依頼される側に立って考えてみたい。上司からどんな風に依頼されたら、スッキリと気持ちよく動けるだろうか?どんな依頼だと良い依頼、と言えるのだろうか?

ケンブリッジでは...3つのポイントがあると考えている。

①動作が明確であること

動作、つまり、「やるべきこと」が明確ということだ。
何をすれば良いのか、どう動けば良いのかわからないと、どうにもならない。
当然である。

......だが、ここでもう一段踏み込んでみる...

どういう状態だと、「動作が明確」と言えるのだろうか?
どういう状態だと、「やるべきことが明確」と言えるだろうか?

「すべきことを明確に伝えてくれないと、動けません」と、文句を言うのは簡単だが、何がわかったら、どうなったら、「明確に」伝えたことになるのだろうか?これがはっきりしないと、言語化したことにはならない。

どういう状態なら「明確だ」と言えるのか?

ケンブリッジだと「体の動かし方がイメージできる」という事がひとつの基準になっているのだが、書籍の中でお父さんが上手く解説してくれているので、引用しておこう。

「例えば『課内の風通しをよくしよう』と言われた場合、一見すべきことは明確に見えるんだが、いざアクションしようと思うと『はて、何をしましょう?』ということになる」
「確かにそうね」
「これは『体を動かすイメージ』が湧かないからこうなるんだ」
「動かすイメージ??」
「そうだ。体の動かし方レベルに落として考えると『毎朝5分チームミーティングをする』とか、『毎月一回飲みに行く』という感じになる。こうなると途端に行動しやすくなるだろ?」

なるほど、確かに。
何かを依頼された時に、「アレして、コレして、こう動いて、...」と自分の動き方がイメージできるかどうか。イメージできないなら、できるまで聞く。または、少し考えてイメージを膨らませればいい。

逆に、伝える側の視点に立つなら、部下が体の動かし方をイメージできるように、依頼すればいい。「イメージできた?まず何する?」と聞いてみても良いだろう。

  
②期限が明確であること

2つ目は、期限である。
「いつまでに」やるか、が明確でないと困る。
期限が曖昧だと、仕事を受けられるのか判断つかないからだ。これは解説の余地はないと思う。「世界で一番やさしい資料作りの教科書」では、もう少し違う解説しているのだが、ここでは説明を端折る。

③目的背景が明確であること

3つ目は、目的と背景が明確であることなのだが、これについては、少し疑問も出てくるだろう。

・そもそも目的背景を知る必要があるのか?
・仕事をこなすだけなら「すべきことが明確」ならそれで事足りるのでは?
・言われたことだけやってくれれば、満足なんだが...。

みたいな話もあるだろう。具体的な事例で「目的と背景」がある場合とない場合の違いを比較してみよう。

上司が『A4の2in1で両面印刷で3部。白黒で左肩にホチキスをお願いできる?』と言ってきた。やるべきことは明確に示されているし、体の動かし方もイメージできそうだ。悪くない。

では、これに目的背景を足してみよう。『実はさ、明日お客さんのところに提案しに行くんだけど、その時に資料として提出したいんだ。結構固めのお客さんでね。ペーパレスの時代だけど、資料印刷しないといけないんだよね』上司が、少し余計に、情報をインプットしてくれるた。なるほど、そういう背景だったのか。

だったら・・・

・会社紹介資料も一緒に必要かな?
・あ、日付が昨日になってるけど大丈夫?
・あそこのお客さん、前回「2 in 1だと見づらい」って言ってましたけど?
・さっき、お客さんから「参加者が2人増える」ってメールがきてたような?

目的や背景がわかると、こんな風に考える余地が増える。少しだけ他のことにも気が回るようになる。少しだけ仕事に意義を持ちやすくなる。つまり、目的・背景が共有できていると、以下のような効果があるのだ。

・部下が自律的に、タスクのヌケモレを補正してくれる。
・部下が自律的に、状況変化に対応してくれる。
・仕事のパフォーマンス(速度・質)を上げるという研究も。

指示されて、脳味噌を使わず働くだけの、ロボットになるな。ということだ。

まとめ

あなたが指示を出す時は、この3つが明確になるように仕事を依頼すればいい。あなたが指示を受ける時は、この3つを意識しながら、相手から情報を引き出していけばいい。というわけだ。

大事なのは、3つの要素を全部押さえると言うこと。どれかが抜けていると、途端に仕事がしづらくなる。

この3つは、別に目新しいものでもなく、仕事のできる人は自然にやっていることである。できる人がやっている事をきちんと言語化して体系化しただけなのだがそれでも、言語化することのパワーは計り知れない。再現性が圧倒的に高まるからだ。

ちなみに、育てるための依頼の仕方や、考えさせるための依頼の仕方もある。必ずしも細かく正確に伝えるのが是ではないのだが、「タスク依頼の原理原則」を考えると、この3点が大事だという話だ。これがわかっていれば、応用が効くだろう。

おまけ:タスク引受スクリプト

ケンブリッジには「タスク引受スクリプト」というものもあるので、紹介しておこう。チェックシートのような形になっている。新入社員など、仕事に慣れていないうちは、これを頭に置きながらコミュニケーションをすると良いだろう。

【タスク引受スクリプト】
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さて、次回は、コミュニケーションの3大お作法を紹介する。

<連載Agenda>
*新刊出ました
*1枚ものの資料作りの3Step
*タスク依頼の3要素
*コミュニケーションの3大お作法
*資料作りの7つのStep
*プレゼンターのべからず7箇条


ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに所属するコンサルタント榊巻(さかまき)がお送りするブロク。
Havefun!(楽しもうぜ!)を合言葉に日々仕事をしています。ケンブリッジはお仕事の依頼も、一緒に働く仲間も絶賛募集中。

ケンブリッジのホームページにも記事が沢山載ってます。書籍も好評です。

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