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Web of the Year 2007結果発表を見て・・

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毎年注目しているYahoo Internet Japanの「Web of the Year 2007」の結果発表がされています。今年の総投票数は62,599票と昨年を大きく超えているようで、今年はWeb2.0の潮流にのって、ユーザからの注目度も高かったのではないかと感じています。

 

年間総合大賞は「ウィキペディア」

年間総合大賞は「ウィキペディア」と2年連続の受賞となり、今はなくてはならない存在となっています。一方、127日に発表したアイシェアの「ウィキペディアの調査」によると、“疑わしいと思うことがある”と答えているユーザは、55.6%そして“基本的に信用していない”と答えているユーザが5.0%となっており、今後はより信頼度の高いサイトになることが求められることになるでしょう。


グーグルも無料のオンライン百科事典製作「「knol」」のプロジェクトを進めており、まさに実名版ウィキペディアのようなコンセプトで、いずれウィキペディアの対抗馬になるのではないかと推測されます。グーグルは既に一部の専門家等に執筆依頼を始めているようで、ウィキペディアが弱いとされる信頼性に対して、グーグルは信頼性の高いオンライン百科事典を仕上げてくことが予想されます。

 
2年連続年間総合大賞のウィキペディアでも、来年もこの位置にいつづける保障はなく、来年の総合大賞はどこになるのか、今から楽しみです。

 

特別賞のネットレイティングス賞はニコニコ動画

昨年のYouTubeに続き、今回も動画投稿共有サイトの「ニコニコ動画」が受賞しました。1219日、ネットレイティングスは、「11月の月間インターネット利用動向調査(PDF)」を発表しました。この発表資料の“図表1の 在京・在阪テレビ局(11 サイト)合計、および YouTube、ニコニコ動画の総利用時間の推移(2006 12 月~2007 11 月、家庭のPCによるアクセス)”は非常に興味深い数値で、在京・在阪テレビ局のサイト(合計)が減少傾向にあるのに対して、ニコニコ動画は驚異的に利用時間を伸ばし、このままいくとYouTubeを追い越すのではないかという勢いです。

 
動画共有投稿サイトの市場は、まだまだ拡大と改善の余地はあり、また広告収入を一部のユーザに還元する仕組みも広がりつつあり、今後拡大が予想されるソーシャル・コマース普及の鍵を握る存在と言えるでしょう。

 

話題賞は脳内メーカ

そして特別賞の中の話題賞は「脳内メーカ」です。「10年前の“動物占い”から今の“脳内メーカ”へと変化するWeb診断サイトの共通点と相違点」でも書かせていただきましたが、“体内メーカ”、“相関図ジェネレーター”、“人生ジェネレーター”等の「脳内メーカ」に続くサイトが次々と出てきました。10年前に「あなたの値段を鑑定します」や「動物占い」等が流行しましたが、まさにその時代を思い出させるとともに、より人間の内面を見たいという欲求がこの大ブームを起こしたのではないかと考えています。

 

最後に

今回は、年間総合大賞そして特別賞の話題となったサイトの個人的な感想を述べさせていただきました。この受賞したサイトから考えられる共通点は、ウィキペディア、ニコニコ動画そして脳内メーカどれをとっても自分が主役になることができるという点ではないでしょうか?そして、お互いに知識や感性そして自分考えていること等を共有したいという欲求を満たすツールであるという考え方もできるでしょう。

 
Web2.0
という言葉を使うのが最近躊躇してしまいますが、今年はまさに、Web2.0の思想と技術が定着し、深化した時代だったと私は考えています。

 

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