« 2012年11月16日

2012年12月17日の投稿

2012年12月18日 »

Autodesk社は業務用CADソフトウェア「AutoCAD」の開発元として知られています。AutoCADはパソコンCADソフトウェアのデファクトです。とは言え、一般的な企業ユーザがCADを使う機会は少ないと思います。

私はAutoCADを実際に使ったことはありません。私のAutodesk社のブランドイメージは「難しそうなCADのソフトを作っている会社」で止まっていました。

前回の「メーカーではなくメイカーになろう」でご紹介した書籍「メイカーズ」にAutodesk社のソフトウェアが出てきます。

このところ注目が高まっている3Dプリンタは10万円台から、レーザーカッターは30万円くらいで買うことができます。今後さらに機器の値段が下がることは確実で、より高性能なハードウェアをより安く入手できるようになることは間違いありません。しかし、いくら機器が安くなっても、そこに出力するデータがなければ「ただの箱」です。そのデータを作るソフトウェアの分野で、Autodesk社は重要なポジションにあります。

実はAutodesk社は以前からコンシューマやクラウド方面に進出しています。それが「Autodesk 123D」ファミリーです。

現時点で以下のソフトウェアが公開されています。実際に使ってみると高機能なソフトウェアです。これが無償で公開されていることに驚きます。

123D Design

いわゆる3D CADのソフトウェアです。Autodesk社の業務用の製品に比べ簡略化されていて、その分わかりやすくなっています。3Dプリンタへ出力することもできます。

123D Catch

一部で話題沸騰の写真から3Dモデルを作るソフトウェアです。いろいろな方向から撮った写真をクラウドにアップするとそれを合成して3Dモデルのデータに変換してくれます。どんなものか想像が付かない方はこの動画をご覧下さい。

123D Sculpt

タッチスクリーンで粘土細工をする感じで3Dデータを作って色を塗ることができます。現時点ではiPad専用です。

高機能なソフトウェアを無償で公開してしまって商売になるのか心配になりますが、そこはちゃんと考えられています。Autodesk社は作ったデータを公開して共有できるギャラリーをクラウドで運営しています。このギャラリーは無料で使える無料会員と年間$99.99のプレミアム会員があります。プレミアム会員になるとギャラリーのデータを無料で3Dプリントして配達してもらえたり、プロが作った作品をダウンロードできるようになったりするようです。

プレミアム会員は先日に始まったばかりで、今後サービスが充実していくと思われます。ここがAutodesk社のフリーミアムのビジネスモデルというわけです。CADソフトウェアの会社がいつの間にかクラウドとフリーミアムの会社になっていました。

テクネコ

« 2012年11月16日

2012年12月17日の投稿

2012年12月18日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
techneco
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ