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地震発生から2週目に入りました。

首都圏では、東京電力の計画停電が継続中です。その影響で、私が普段利用する東急電鉄田園都市線は、通常の8割の本数で各駅停車のみのダイヤになっています。一部の電車で大混雑になることはありますが、とりあえず大きな混乱はないようです。ラッシュを避けて朝の早い電車が混むようになった、という話をききました。新しい日常に皆さん慣れてきたようです。

都内を歩いていると、駅や店舗の照明が減らされています。アニメ【エヴァンゲリオン】のエピソードにちなんだ節電キャンペーン「ヤシマ作戦」を遂行中です。街中が従来より暗く感じますが、これはこれでいいんじゃないかと思います。今まで電気を無駄に使いすぎでした。交差点の大型ディスプレイが消灯されていて、景観がすっきりしてしかも静かです。これはずっと消しておいて欲しいくらいです。

当初の予定では、ブラザーのルーター「MIP-3010」の機能を紹介するエントリを続けて書くつもりでいたのですが、地震が起きたことで延期になっていました。そろそろ続きを書いて、通常体制に戻ろうと思います。

さて、この度の地震で、考え方や生活スタイルが変わる人が多いのではと思います。企業であれば、BCP(事業継続計画)を真剣に考えないといけないのではないでしょうか。

新型インフルエンザ流行の時に言われたように、BCPの手始めは、社員が出社しなくても業務を続行できる環境、すなわちテレワークできる手段を準備することです。電車が止まったり、大混雑で乗れなくなったりして、社員が通勤できなくなる状況が、今なら容易に想像できます。いまだに社員全員が出社できることを前提としている企業は、危機管理能力に欠けると言われてもしかたないでしょう。

日頃からテレワークを採用していれば、いざという時に帰宅難民になる社員の数を減らすことにつながります。また通勤に使われる電力の節約になりますし、災害が起きた時に家族といっしょにいられるというメリットもあります。

ブラザーのルーターMIP-3010は、IPsec機能を標準で搭載しています。

IPsec機能を一言で言うと、インターネットをはさんで接続されたIPsec対応の機器の間で、通信を安全に行うことができます。使い勝手は仮想の専用線のイメージです。

IPsecは1台1台のWindowsパソコンに設定して使うこともできますが、パソコンでIPsecsを使えるようにする設定はかなり面倒です。MIP-3010はIPsecの機能をルーター本体に内蔵することで、個々のパソコン上でIPsecの設定をする面倒がなくなりました。つまり、インターネット上に2台のMIP-3010を設置するだけで、そのルーターにつながるパソコンが社内LANに繋がっているのと同じように使えるのです。

例えば、本社と社員の自宅をMIP-3010で結べば、自宅のパソコンから本社のファイルサーバーに安全にアクセスできます。難しいことは全然ありません。普通に社内のパソコンからアクセスするのと同じ操作です。

また、SIPサーバー(IP電話交換機サーバー)をこのネットワークに接続すると、インターネットをはさんだ内線電話やFAXを利用することができます。Skypeに似ていますが、Skypeがパソコン上でソフトウェアを常駐する必要があったり、専用の受話器やヘッドホンを使ったりするのに対して、MIP-3010のネットワークでは全く普通の電話機やFAX複合機を使うことができます。

今回はブラザー様からSOHO用FAX複合機をいっしょにお借りして、実際に試してみました。理屈を理解していても、普通の電話機でインターネット内線やFAX送信ができるのは、なんとも不思議な気分です。

近頃は小さくて安価なSIPサーバーが出回ってきました。数万円の手のひらサイズのサーバーで、留守番・伝言録音機能を持ったものがあります。これなら社員の安否確認の伝言にも使えそうです。

この先、首都圏で大きい地震が起きるリスクがないとは思えません。テレワークできる環境をいまのうちから検討しておくことをお勧めします。テレワークを採用して災害に強い企業を作りましょう。

テクネコ

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加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

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