« 2010年1月12日

2010年1月14日の投稿

2010年1月20日 »

経営再建中のJALのマイレージは、保護される方向です。私は昨年11月の沖縄出張でJALを利用したばかりです。マイレージを気にするほど頻繁に飛行機に乗ることはありませんが、まずは一安心です。

日本のポイント還元プログラムは、航空会社系のマイレージと家電量販店系のポイント還元を中心に、各社が提携してきました。JALはこれから大幅な路線撤退や減便が予想されます。マイレージを貯めるにも使うにも、利便性が悪くなることは確実です。JALのマイレージと提携していた企業に、影響が出るかもしれません。

時を同じくして、家電量販店系のさくらやが2月末で閉店して、会社清算となることが発表されました。さくらやのポイントは親会社のベスト電器に引き継がれるようです。とは言え、近所にベスト電器の店がない方は多いでしょう。これを機会にポイントを使い切る方がいいかもしれません。

発表の翌日にさっそく渋谷のさくらやに行ってきました。新規の買い物は、ポイント付与でなくその場で値引きとなっていました。ポイントをDVD-Rや乾電池に換えて、すべて使い切ってきました。店員さんは「ポイントを2月中に使い切ってください」と案内していましたよ。

私は航空会社や家電店にこだわりがありません。マイレージカードはJALとANAを持っています。家電量販店のポイントカードは、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダ電機と一通り揃っています。物を買うときは、系列にこだわらずに、通りがかりにある店舗で買います。

マイレージやポイントプログラムの狙いは、顧客のロイヤリティーを高めて囲い込むこととされています。本当にそうなっているでしょうか。ポイントプログラムを維持するためのコストと、そこから得られるメリットが釣り合っているかを、一度見直してみてもいいかもしれません。

ITを駆使したポイントシステムを構築するには、費用がかかります。カード1枚を発行していくらの話です。さらにレジで余計にかかる時間と人件費があります。

「ポイントカードをお持ちですか」

「ポイントを貯めますか、使いますか」

「ポイント、使いました」

レジで待たされていると、「列ができるくらいならポイントプログラムを止めればいいのに」と思います。

もう一つの問題は、ポイントプログラムがある店で会員カード無しで買い物すると、自分が損した気持ちになることです。

自宅の近所にドラッグストアが2軒あります。1軒はポイントが付く店、もう1軒はポイントプログラムがない店です。値段を比較すると、ポイントプログラムがない店の方が安いことが多いです。

ポイントが付く店の値段には、将来ポイント還元する分が含まれていると考えると、会員カードなしでその店で買い物するのをためらってしまいます。結果として、ポイントプログラム無しの店へ行ってしまいます。

私のようなタイプは少数かもしれませんが、お客様にリピートしていただく仕組みは、ポイントシステムだけではありません。自社のお客様がどんな人たちなのか、この機会に分析してみることをお奨めしたいと思います。

テクネコ

« 2010年1月12日

2010年1月14日の投稿

2010年1月20日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
techneco
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ