« 2009年8月27日 | 2009年8月28日の投稿 |
2009年8月31日 » |
8月28日付日経新聞朝刊に、大塚商会が「クラウドコンピューティング」事業に参入するという記事が載ったことで、大塚商会の株価は年初来高値を更新とのことです。
株価高騰の元になった新聞記事を読みました。記事を見た限りでは、今までSaaSとして提供していた業務アプリケーションを、仮想化したデータセンターで動かすだけにしか見えません。
「SaaSを仮想化するとクラウドになるんだ」と納得しました。クラウドって、簡単ですね。
データセンターが仮想化されているかどうかは、提供者側の話でしかありません。一般利用者側から見ればもはや「クラウド≒SaaS」ですね。SaaSが流行してASPと言われなくなったように、今度はSaaSが賞味期限切れでしょうか。
うちもAmazonでサーバーを借りて、NetCommonsをSaaSして、「クラウド事業に参入」とプレスリリースしてみましょうか。公開会社ではないので、株価は付かないのですけど。
シャープが発表したモバイルネット端末「NetWalker」は、5インチ(1024×600ピクセル)の液晶ディスプレイとフルキーボードを搭載しています。OSにUbuntuを採用し、OpenOffice.org、Firefox、Thunderbirdなどがプリインストールされています。Ubuntuで動くアプリケーションを追加できるだけでなく、シャープから電子辞書アプリケーションが提供されるようです。
仕様をみればLinuxを搭載したネットブックです。これまでもDell等はLinuxモデルのネットブックを販売していました。また、ネットブックにUbuntu他を自分でインストールすれば、同等の環境を作ることができるでしょう。技術面で目新しいことはありませんが、シャープがこれをパソコンではなく「モバイルインターネットツール」として打ち出してきた所がポイントだと考えます。
Linuxベースのネットブックのセグメントに入ってしまうと、Windowsと比べて「ここが違う、あれができない」になりがちです。パソコンやネットブックではないモノにすることで、前向きに受け容れられる可能性が出てきます。ネットブックとスマートフォンの中間に新しい市場を作れるかもしれません。
NetWalkerは単にUbuntuをインストールしただけではなく、液晶がタッチパネル付、3秒でサスペンド状態から操作可能、約10時間の長時間駆動など、日本のメーカーらしい製品の作り込みがされています。小型端末に定評のあるシャープ製ですから、細部の質感も高いと思われます。
先日発表されたGoogleのChrome OSは、Linuxの上でChromeブラウザを通して、メールやオフィスアプリケーションを利用する形になるのではないかと予想されています。NetWalkerで端末側にアプリケーションがインストールされている点はChrome OSと異なりますが、普通のユーザから見たChrome OSの使い勝手は、こんな感じになるのかもしれません。
関連リンク:
« 2009年8月27日 | 2009年8月28日の投稿 |
2009年8月31日 » |