« 2009年5月18日

2009年5月20日の投稿

2009年5月21日 »

三菱UFJ証券の顧客情報が持ち出された事件で、名簿業者に売られた約5万人分について、三菱UFJ証券が1人1万円を払うことに決まりました。総額5億円です。三菱UFJ証券の2008年度の純利益81億円の約6パーセントにあたります。

名簿業者に売られた情報が業者間で転売された結果、情報はすでに100社に拡がったことが確認されたそうです。三菱UFJ証券は利用差し止めと回収に努力していますが、現実問題として今からでは無理です。裏では密かに「あの三菱UFJ証券の…」プレミアム付でさらに出回っていることが想像されます。

投資用マンションや先物商品の購入の勧誘電話が、該当の顧客にかかってくる被害が出ています。今回の事件とは関係ありませんが、私も一時期この手の電話が多くかかってきたことがあります。仕事中にかかってきて、しかも一方的に話し続けて、実にうっとおしい限りです。断るだけでも大変で、電話の後は気力が下がります。まともな社会人の常識や礼儀が通用しない相手とわかりましたので、勧誘とわかった時点で問答無用で電話を切ることにしました。気の弱い人だと、電話を切るタイミングをつかめず、延々と話を聞かされるのではと思います。

もし私が今回の被害者で、営業電話を受けていたとしたら、きっと怒り心頭です。今後かかってくるであろう電話も含めて1万円では、納得できないと思います。三菱UFJ証券は、被害顧客の代理人として、弁護士から該当業者に対して勧誘行為を即時に中止するよう警告して、今後、業者からの一切の連絡は弁護士宛とするよう個別に要請してくれるようですが、これは流出先とされている100社以外の名簿を入手したすべての会社に対して面倒をみてくれるのでしょうか。電話してくる業者は毎回違う名前でかけてきたりするので、イタチごっこになる可能性が高いです。

バケツいっぱいの水にインクを1滴垂らすと、バケツの隅々にまで拡がっていきます。インクを回収することは不可能です。一度流出してしまった情報の怖さはここにあります。本当に怖いです。

関連リンク

テクネコ

« 2009年5月18日

2009年5月20日の投稿

2009年5月21日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
techneco
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ