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虫の声が聞こえる静かな秋の夜は、見ごたえのあるドラマを見たくなります。そろそろ秋の新番組がスタートする時期ですが、私のお薦めは2004年にTBS系で放送された「砂の器」です。

原作は松本清張、主人公の新進気鋭のピアニスト・和賀英良に中居正広、和賀英良を追う今西刑事役に渡辺謙、和賀英良に救われそして救うことになるヒロインに松雪泰子、の3人のドラマです。

中居正広はSMAPのイメージがありますが、以前からドラマではシリアスな演技をすることで知られています。

そして、この頃の渡辺謙と言えば、映画「ラストサムライ」でゴールデングローブ賞とアカデミー助演男優賞にノミネートされるほどの、過去最高の絶好調でした。砂の器は、ラストサムライと並行して撮影されたそうです。渡辺謙は、砂の器でも渋い中年の演技を魅せてくれます。砂の器を殺人犯を追う刑事物と見るならば、渡辺謙の方が主役かもしれません。(原作は刑事の視点で書かれています。)

これだけの原作と俳優が揃って、さらにエンディングテーマがDREAMS COME TRUEの「やさしいキスをして」とくれば、出来が悪いわけがありません。私はDVDで何度も見ました。第1回から最終回まで一気に見たくなります。

このドラマは、とても丁寧にしっかり作られています。最終回のシーンだけでも、各地のロケで1年くらいかかっていると思われます。

演出も素晴らしいです。クライマックスでは、和賀英良がついに完成させたピアノ協奏曲「宿命」をバックに、セリフの全く入らないシーンが15分以上も続きます。これまでにない大胆な演出です。ピアノ協奏曲「宿命」は、このドラマのために新しく作られた曲です。ワンフレーズだけの挿入曲ではなく、2楽章フルにあります。テレビドラマとは思えない手間がかかっています。

ここまで来ると、ほとんど映画です。フジテレビ系に比べると、堅物で融通の利かないイメージがあるTBSですが、この砂の器はまさにTBSにしか作れないドラマ、と言えます。(砂の器は1977年にフジテレビでドラマ化されたことがあります。他に、映画版もあります。)

なお、TBS版の砂の器は、設定や背景が原作と大きく違います。原作にこだわりがある人には、違和感があるかもしれません。私はTBS版を先に見たので気になりませんでした。

昭和の時代に書かれた原作を、そのまま現代のドラマにするには無理がありました。主人公の親子が流浪の旅に出ることになった理由は、昭和ではそれがタブーであり、平成ではそれをタブーにすることがタブーになっています。時代を感じます。興味のある方は、原作も合わせてどうぞ。

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加藤和幸

加藤和幸

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ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

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