« 2008年8月7日

2008年8月11日の投稿

2008年8月12日 »

8月11日に都内で開催されたNetCommonsユーザカンファレンス2008に参加しました。今回は400名以上の参加者で大盛況でした。

NetCommonsは、2005年から公開されているオープンソースのCMS(コンテンツマネージメントシステム)ソフトウェアです。国立情報学研究所の社会・公共貢献活動の一環に位置づけられた次世代情報共有基盤に関する研究開発プロジェクトで開発が進められています。

2001年に決定されたe-Japan戦略の重点課題の一つとして、小中高校で学校Webサイトを持つことが推進されてきました。ここで問題になったのは、作成した学校サイトをホームページビルダー等のHTML編集ソフトウェアで更新していくことは、学校のサイト担当教員にとってかなりの作業負担になることでした。しかも、その担当教員が異動すると、誰も保守ができなくなって休眠状態になってしまいます。HTMLを編集することは、普通の教員が校務の合間にやるには難しすぎました。また、外部の業者にサイトの更新を頼んだ場合は、更新に費用がかかったり、タイムリーな更新ができなかったり、という問題がありました。

ここでCMSの登場です。CMSを使うことで、サイトのデザインとコンテンツの更新作業が分離されます。HTMLの知識がない教員でも日々の更新を分担して楽に行うことができます。

NetCommonsは、普通の教員が自分たちで学校サイトの更新をできるように作られました。

NetCommonsは、3つの顔を持っています。

  1. トップページ 外部配信向けのポータルサイトの機能
  2. GroupRoom グループの情報共有のための機能
  3. MyRoom 個人のバーチャルオフィスとしての機能

トップページはメルマガの配信、お知らせの掲示などの機能を持ったWebサイトを簡単に構築できます。GroupRoomは「授業」「共同研究」「委員会」「ミーティング」「関心空間」などの目的で活用することができます。MyRoomでは、iGoogleのように、会員それぞれのネット上のオフィスとして、ファイルを保存したり、予定表を管理したり、非公開の日誌をつけたりすることができます。

つまり、1つのシステムで、外部向けWebサーバ、関係者向けグループウェア、個人専用の作業スペースの3つの機能を持っている「オールインワン」のソフトウェアになっています。PC用のサイトを作るだけで、携帯用のサイトも同時に構築できます。

NetCommonsは、モジュールと呼ばれる部品を画面に並べていくことで、Webページを構成していきます。

よく使われているのが、日誌モジュールです。日誌はブログに似ていますが、承認機能があります。学校サイトで、担当教員がアップした更新記事を、校長などの管理者が承認して初めて公開されるようにすることを想定しています。この機能によって、担当教員は気軽に更新記事をアップすることができ、管理者が承認することで学校サイトとして統一されたものになるそうです。一般企業の社外向け社員ブログでも便利な機能だと思います。

他にも、お知らせ、新着情報、オンライン状況、カウンター、スクラップブック、RSSヘッドライン、iframe、カレンダー、スケジュール、施設予約、リンクリスト、ToDo、登録フォーム、掲示板、キャビネット、アンケート、フォトアルバム、チャット、汎用データベース、小テスト、レポートなど、よく使われる機能がモジュールとして用意されています。

NetCommonsはアクセス権の種類が細かいのも特徴です。システム管理者と閲覧だけのユーザ以外に、あるページ以下の管理権限を持つユーザを設定できます。一般企業サイトで、例えばあるページから下はマーケティング部に管理を任せるという使い方ができそうです。

詳細は、NetCommonsの公式サイトをご覧ください。

NetCommonsはすでに全国1,500以上の学校や自治体サイトで使われている実績があります。学校や自治体は前例主義で横並び意識の強いところですので、隣で使っている実績があるならウチでも、ということになるでしょう。また、ある学校でNetCommonsを経験した教員が別の学校に異動になった場合、その学校でもNetCommonsを導入する可能性が高いです。さらに「国立情報学研究所」の”国立”のブランド力と、開発が純国産(注)という点が強力なアピールになります。しかも、オープンソースでライセンス料はかかりません。

学校や自治体向けCMSのデファクトの地位は決まったも同然と言えるでしょう。

注) NetCommons 1.xはXOOPSベースでした。8月18日にリリースされるNetCommons 2.0はPHPフレームワークで開発されたオリジナルです。

このエントリはジャストシステムのxfy Blog Editorで書いています。

テクネコ

« 2008年8月7日

2008年8月11日の投稿

2008年8月12日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

加藤和幸

加藤和幸

株式会社テクネコ 代表取締役。
ITを売る側と買う側の両方の経験を活かして、CRMとCMSのコンサルティングを中心に、お客様の”困った”を解決します。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
techneco
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ