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クラウド(cloud=雲)コンピューティングというキーワードがトレンドになってきました。クラウドコンピューティングではアプリケーションをサーバー側にインストールして、データはデータセンターに保管します。インターネットへの常時接続が前提となりますが、どこからでもどのパソコンからでもサービスを利用できるというのはとても便利です。
この分野で先行しているのはグーグルです。Google Appsでメールやドキュメントをサーバー側で利用する環境を実現しました。MS Officeのパッケージ販売をドル箱にしてきたマイクロソフトも、新サービス「Albany」でクラウドコンピューティングへの対応を模索しています。
使いたいソフトウェアのパッケージを購入して、パソコンにインストールして使うというスタイルは、MS-DOSの時代から長い間続いて来ましたが、このモデルはそろそろ終わりが近いのかもしれません。
よく「Google Appsに押されてマイクロソフト危うし」という図式で語られることが多いようです。ただし、今後の実際の動きとしては、まず中小のパッケージベンダーに影響が出ると予想しています。
私は、一太郎、ATOK、Shuriken、インターネットディスクなどのジャストシステムの製品・サービスを利用しています。ジャストシステムは、マイクロソフト以外で日本で唯一オフィススイート製品を自社開発している会社です。日本のパソコンソフトハウスの草分けであり、代表する会社と言っていいでしょう。
Windows3.1の発売前は、一太郎は官公庁の標準ワープロソフトになるくらいのシェアがありました。その後、MS Officeに押されてシェアを落としました。2008年3月の通期予測では単体・連結とも赤字です。ジャストシステムはConceptBase等の法人向けの製品やサービスを手がけていますが、今でも一太郎とATOKで売上の約40%を稼ぐ、デスクトップ製品中心のビジネスモデルです。
ジャストシステムの2008年3月期中間決算事業戦略説明会資料では、
今後の販売戦略
- 店頭市場の縮小に伴い、市場全体が停滞気味のため、国内では撤退する企業が続出。
代わって海外メーカーの進出が目立ってきている。 今後の販売戦略として、海外の優良ソフトを仕入れてJSのサブブランド製品として日本市場に投入し、売上高の底上げならびに粗利益の維持に努める。- ライセンスについては、一部の空白市場への営業リソース投下、およびOEMによる関連製品のラインナップを強化することで収益機会の向上をねらう。
となっていて、クラウドコンピューティングへの対応は見えません。
これからはパッケージソフトを買わずにインターネットに接続するだけで、やりたいことが全部できるようになる可能性があります。インテルの"MID" (Mobile Internet Devices)はこの動きを加速しそうです。
クラウドコンピューティングに対応するためには、ソフトウェアの開発だけでなく巨大なデータセンターの運用が必要で、大きなコストがかかります。
ジャストシステムの次の一手に注目しています。
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