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「Web2.0」という言葉は、2005年11月に、ティム・オライリー氏が論文「What is Web2.0」の中で紹介したのが始まりです。日本では、2006年2月に出版された梅田望夫氏の「ウェブ進化論」によって注目されるようになりました。
一時期はなんでもかんでも「2.0ブーム」でしたが、2年過ぎてようやく落ち着いたようです。
IT業界の「こちら側」の人はまだしも、一般の「あちら側」の人には結局よくわからなかったのではないかと思います。正直言って、私も未だによくわかりません。
最近「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」を読んで、ようやく納得できる説明を見つけました。
この本は2007年7月に出版されました。著者のひろゆき氏は、Web2.0を以下のように定義しています。
僕の見立てでは、Web2.0と言われるサービスは、技術的に見ても今までと何も変わっていない。ブログブームのとき、「掲示板はブログであって日記ではない」と言われてましたが、もともと掲示板を使った日記らしきものは、インターネットの初期から存在していました。ユーザとしての正直な感想はきっと「どっちでもいい」ということになるでしょう。それと同じように、Web2.0という新しい言葉に、なんとなく惹きつけられているだけなのです。
「森に行くと健康になる気がするのは、きっと何か成分があるに違いない。それはマイナスイオンのお陰だとテレビで観た。」そして、マイナスイオンが出るクーラーをついつい買ってしまうことと同じ原理なのです。Web2.0という難解なキーワードは、マイナスイオンの本質を知らないのに、マイナスイオンが流行してしまったのと、そんなに変わりません。
(中略)
”どこがすごいのか”ということは、あんまり理解できないけれど、なんとなくみんながすごいと言っているからすごい。Web2.0というのは、そもそも技術に立脚した話ではないのです。
一言で言い切っています。私はこの説明でモヤモヤが晴れた感じです。
Web2.0的サービスと言われている、日本最大のSNS『ミクシィ』。こちらは誰も技術的にすごいとは言っていません。ミクシィのすごいところは、技術的なものとはかけ離れ、グーグルと同じくブランド構築がうまかったところにあると思われます。
「健全である」というイメージを前面に打ち出し、一般大衆に「この会社すげえ!」と思わせることがうまかったとしか、言いようがないのです。
(中略)
グーグルやミクシィがWeb2.0企業と呼ばれているのをみると、Web2.0の裏に隠されているものは、技術力ではなく、いかにクリーンなイメージを押し出すのか、そして、いかにユーザーの心を惹きつけられるのか、ということなのかもしれません。Web2.0という言葉の意味がだんだんわかってきました。
最近、ミクシィを”卒業”する人がいるのは、クリーンなブランドイメージが崩れてきているからなのかもしれません。
ひろゆき氏が2ちゃんねるの管理人であるという理由でなんとなく敬遠する方もいるかもしれませんが、2チャンネルは1999年から続く日本最大(たぶん)のCGMサイトです。その経験を元にした言葉は、かなり的を射ているように思います。
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