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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

« 2009年2月25日

2009年3月1日の投稿

2009年3月5日 »

iPhone 3Gは世界市場で大成功を収めているが、日本市場への浸透はといえば、発売当初の喧噪に比べればまだまだ、というのが実情だとは僕も認める。ただし、単一機種としての認知(例えばiPhone以外のケータイで、10人に訊いて10人が知っている機種が他にあるか?)や、恐らくは30-40万台は売れているだろう実績を考えれば、初年度として十分なものだと僕は思う。

僕はこのBlogでも何度も書いているが、僕自身はiPhoneが大好きだが、それでもiPhoneがすべてだとは言っていない。iPhoneがもたらす、新しいモバイルウェブの可能性を礼賛しているだけだ。それはiPhoneだけではなく、Androidもそうだし、Palm Preも、もしかしたらBlackberryもそうだ。あまりにも制限が多い日本のケータイのWebではなく、PCで使えるWebとほぼ同等(場合によってはそれ以上)のWebを、場所や時間に関係なく利用することができることの素晴らしさを、形にしてくれたのはまぎれもなくiPhoneだ。

日本のケータイは確かに良く出来ている。しかし、ことインターネットを使う、ということについては偽物だ。ケータイのWebは湖のようなものであり、iPhone(と、それに続く挑戦者達)のWebは大海そのものなのである。
僕たちは湖で泳がされていたが、iPhoneによって本物の海にいつでもアクセスできることを知ったら、もう戻れない。もちろん海より湖が好きな人もいるだろう。しかし、海の良さを知ることを邪魔するのは止めるべきだ。

こういう昔話がある。
巨大な洞穴に棲んでいた民族がいた。暗闇の中でコウモリや苔を食べ、湧水を飲んで暮らしていた。あるとき、一人の男が自分たちの住処が意外に小さく、実は外に燦々と輝く太陽の恩恵を受けた豊かで広大な、明るい世界があることを発見し、喜び勇んで他のみんなに伝えたところ、未知の世界に飛び出ることに怯えた民族の指導者達によって抹殺されてしまった。そしてその民族は、相変わらず洞穴の中で暮らし続けているという・・。

iPhoneを前にして過敏な反応している一部の日本人は、この洞穴の民族と同じだ。洞穴を出るか、とどまるかは本人の自由だ。しかし、新しい世界の存在を示してくれる冒険者を抹殺しようとするような動きは我慢ならない。

iPhoneとその追随者達の革新的な試みを受け入れないのはそれでもいい。だが邪魔はしないでくれ、と強く願う。

みなさんのご意見はいかがだろうか。


+ 追記:2009.03.02 00:11
付け加えておきます。
日本の独自仕様に対応していないから、という反論は僕は聞かない。
理由その1:
絵文字も日本語変換も徐々に対応しつつある。物理的に対応できない仕様はあるかもしれないが、それが厭なら買う必要はないだろう。1億人全員が買うべきだとは言っていないし。
理由その2:
もう一度言う。iPhoneを買えとは言ってない。iPhoneと、それに続く世界標準のモバイルウェブ対応ガジェットから目を背けない方がいい、と言っている。

理由その3:
僕はもともと商社で日本製のプロダクトを主に欧州を中心とした海外メーカーと張り合って売ってきた。
日本はモノ作りの国だ。どの国よりも優れた製品を考案し、製品化し、それを世界市場に売って歩く。それが生きる道だ。
日本国内でしか売れない特殊な仕様の商品を作り続けることが国策に合っているとは僕は到底思わない。
キャリア独自のネットワークや、独自のハードウェアテンキー、おサイフケータイやQRコード、InfraRedなどの仕様は、現時点で世界にうって出るのに必要なものではない。むしろWebKitに対応したフルブラウザと、タッチパネルによるソフトウェアキーボード(であれば多言語に同時に対応できる)などの機能を早く充実させない限り、日本のケータイは海外市場でビハインドを受け続ける。

僕は日本人として日本の製品を海外に売ることに誇りを持ってきた。日本のケータイが優れている、というのであればなぜ世界で売ることができない??iPhoneは世界で売ることを目的として作られている。その心意気こそが日本のケータイメーカーが長らく失っているものだと思う。


  

hiro

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プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

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