THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2011年6月4日

2011年6月5日の投稿

2011年6月6日 »

元々写真好きな私。もちろんメカとしてのカメラ自体も好きだし、自分の手元の機材にはそれなりに拘りはありますが、それを他人と較べるというのには殆ど興味がありません。また、撮るのは基本的に家族で、風景とか鉄道とかスポーツだとかなんとかって所とはちょっと興味の中心が違うんですが、まぁそれは趣味の話なんで良いとしても、時々なんだか妙な閉塞感を感じることがあります。

そんな時、真面目に理論的な事とか歴史とかに触れて色んなものをリセットするとまた新たなキモチで向き合えるような気がします。

 

先人の歴史と作品に触れるということの重要性

これは芸術系の全てに当てはまると思っています。音楽や絵画などでも同じだと思うのですが、写真はどこから芸術となるかとか言う難しい議論はさておき、少なくとも写真という媒体を通して何かを表現してきた先人は数多くいる訳で、その中でも有名な人ということで名前が残ってる人には名前が残るだけの理由があるわけです。

じゃぁ何をやってきたのか?あるいは何を考えてきたのか?

研究家による歴史もあるし、本人の書いた何かしらの文章や自伝などから伝わってくるモノもあります。キチンと理解するためにはそれらの人たちが生きた時代の背景に対する理解、使っていた機材や掲出媒体などへの理解など多くの事前知識が必要ですが、もしかりにそれが無いとすれば、まずは今の時代で持っている自分の理解範囲を超えるところは「そんなもんなのか」という頭で接すること。10年前ですら今の軸では理解できないような事が一杯あるんですから。

 

たとえば木村伊兵衛先生、たとえばアンリ・カルティエ=ブレッソン先生

三脚をガッチリ立てて撮るとか、レフ板持ってなんたらかんたらなんてことは基本的にしません。もちろん状況的に「レフ板の一つでもあったら、あんなふうに出来るのになぁ」みたいなことを考える機会はもちろんありますが、自分が撮っていて気持ちいいのは普通に流れる時間を切り取る事なので、結局あまり余計な機材は必要なくなります。

ほんでもってですね、写真のなんたるかみたいなところはともかく、あるいは写真集の世界で色んな人の作品に触れるという部分はともかく、それぞれのプロのカメラマンがどんな感じで撮っているのか、そもそもどういう背景を持った人なのか等と言ったところには余り興味を持っていませんでした。

ただ、ある時突然そのあたりの話が気になって、図書館でひたすら探しては読み漁っていた時期がありました。

もちろん、そういう人たちの世界に触れることによって自分の技術が向上するなんてのは無いわけですが、考え方や見方が変わる部分があるのは事実です。そして、僭越ながら「なるほど自分はこの人のスタイルに近いのかもしれない」とか「こういう風に撮りたいなぁ」と思う部分が出てくる事もあります。

そんな中での木村伊兵衛先生やアンリ・カルティエ=ブレッション先生といった人が基本として持っていた、サッと撮ってスッと消える的なスタイルってひょっとしたら近いのかもって思ったりはします。写真撮るぞ!ではなく、写真撮ってますよ!でもなく。でも、ライカなど持ち合わせず、作画の基礎的に知識や写真自体の技術は言うに及ばずというところで、そもそも根本的に何も判っていないだけのかもしれません。いくら趣味の世界だとはいえ、結局のところ単なる誤解なのかもしれませんね(笑)

 

因みに「決定的瞬間」という言葉にはルーツがあります

元々そんな言葉は無かったわけですが、最初にその言葉が出たのがアンリ・カルティエ=ブレッソン先生の1952年出版の写真集「Image à la sauvette (英題: The Decisive Moment)」。日本語訳が「決定的瞬間」。

いわゆる商業写真とは違ってその場に居ないと撮れないモノがあるわけで、それが出来るのは写真の一つの大きな使命であり特徴であるわけですが、まさにそれ自体をタイトルにした写真集。

この「その場に居ないと駄目」的思想ってのは私の展示会やセミナー等のイベントにおける「居あわせた感」と繋がるところがあるんですが、バーチャルな世界での「時間を共有してる感」とはまた違うんですよね。リアリティの部分では圧倒的な差があるよねと個人的には思っています。もちろんどうしてもその場に居れない状況を補完してくれる手段をバーチャルな何かが提供してくれるのは事実なんですが、あくまでも補完でしかない、という気がします。

リアル至上主義、みたいなものかもしれません。

でも、実体感の有無という所はキチンと押さえつつ色んなものを見ていかなくちゃいけないよなと言うこと考えることが最近多くてですね、で、キチンと自分が見たものといのはキチンと伝えないと良くないよねと考えることが最近多くてですね…


 
bibendum_iwa

« 2011年6月4日

2011年6月5日の投稿

2011年6月6日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
showbiz
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ