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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2010年1月6日

2010年1月8日の投稿

2010年1月13日 »

まぁワタシが四の五の言っても仕方ないのですが、AndroidをOSとして採用したケータイ端末とiPhoneとの比較が盛んです。例のGoogle Phone、つまりNexus Oneの発表で更に一段と盛り上がっている感があるのですが、ワタシ的にはなんだかWindows MobileとiPhoneの比較が散々されていた頃を思い出します。なんか軸が違うんじゃないの?って。

あ、あらかじめということでの宣言ですが、ワタシはAppleがいうコトは全て正しいと信じてるとか、逆にiPhoneが嫌いだとか、Googleが描く夢に期待が膨らんで仕方ないとか、やっぱr誰が何と言ってもWindows Mobileステキとか、そういう立ち位置ではありません。ガラケー残念とか逆にガラケー万歳という立ち位置でもありません。もう少し冷静に「通信」という立場から見ているつもりです。

 

普通はケータイのOSなんて意識しないでしょ?

iPhoneはシングルベンダーで、OSもハードウェアも基本的にAppleから出てる2種類しかないわけです。それに対してWindows Mobileは色んなメーカーがそれこそキーボードの有無やら何やら違いがある端末が何種類も出てきているわけです。もちろんWindows MobileというOSが持っているUIに依存する固有の使い勝手の部分っていうのは変わらない訳ですけれど、とりあえず現状のWindows Mobileを機器、つまりハードウェアのところで色々とアレンジしているわけです。

今後のマイクロソフトのほかのプロダクトとの組み合わせという今後のロードマップを見る限り、いわゆるコンシューマー市場から微妙に腰が引けてるとも受け取れる訳ですが、逆に言うと法人市場での一種インフラとしての役割を持たそうとする意図が見え隠れする部分はある、ように見えます。

ただ、特にiPhoneが出てきた頃には単純にOSとしての比較・・・のはずがiPhoneというパッケージとWindows MobileというOSという比較が成されてきた形跡があります。また、海外での比較というのも結構紹介されていましたが、実は比較対象となっていた端末が日本では手に入らないものであったり、それが使える通信事業者が提供するサービスがかなり違ったりしていて、単純に比較するべきものではないという話が実際にありました。

あまり大きく取り上げられる事は無かったんですけどね。

それで言うとSynbianとかは出荷ベースでも現在の稼動ベースで言っても圧倒的に数がお多い。でも、それを使ってる人のうち、Symbianだから買った人なんてそんなに居ません。ただ、Symbianが動くSmartPhoneという市場はあって、 そこでの後乗せソフトウェアのマーケットって言うのはキチンと存在しているんですね。で、元々ケータイ用に高度に作りこまれたOSですから、電話機としての機能については基本的に不自由なく使える・・・事が多いわけです。

そう。これらは電話の出、なんですね。それに対してWindows MobileもAndroidもiPhoneも違う。氏素性が違う。

 

因みに余談ですが、洗濯機とか炊飯器、デジカメ、液晶テレビ、あるいビデオなどのOSというか制御プログラムを意識して選ぶ人は居ないわけで(笑

家電製品もなんらかのソフトウェアをもって動いているものってのが一杯あるわけです。それをメーカー側が表に出す事はしませんから、それらの業界の中の人しか基本的には知らないわけです。そもそも何のソフトウェアかは完全に無視してこんな機能が使えるぜ系の話の方だけにコミュニケーションが絞られているわけです。

だって、コモディティなんだから。裏側の話なんて誰も気にしちゃいないし。

そのうちケータイもこういう世界に行くべきなんじゃないの?というのは昔からの持論です。それがiPhoneやNexus Oneの先にあるのかどうかは知りません。よく判りません。

 

因みに、旧い話の蒸し返しですがWindows Mobileだから、Androidだから、あるいはiPhoneだからスマートフォンだっていう議論は間違いですよ

以前から言われていますが、そもそも世界的な定義から言うと日本のケータイはホボ全てスマートフォンと言えるものです。iPhoneはスマートフォンじゃねぇ!と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、とりあえず乱暴にそうさせてください。だって勝手にSkypeやVoIPじゃなく一応通信事業者の音声系のサービスで電話できるんだからPCやPDAじゃなくてスマートフォンです。

逆に言うと、海外では日本のケータイが持っている機能を持ったものは実はそれほど多くないし、その機能自体を必要としない人も多いわけです。しかもそれが億単位で存在している。これがガラケー論の論拠の一つだったりしますが、それが良い悪いはここでは議論しません。ただ、間違ってはいけないのは、比較対象と思っているものをキチンと横並びで比較しているのかどうか、という視点の持ち方だと思っています。

すっごくキツイ言い方をすると、Androidは要は組み込みOSです。機器側がソフトウェアに寄るのか、ソフトウェアが機器に寄るのかという立ち位置の問題はありますが、基本的に組み込みのリアルタイムOSです。ここは間違っちゃいけない。で、企画段階でどこまでGoogle側の人が関与したかは知りませんが、そのAndroidを使って物理的な形にしたのがHTCで、それがGoogleブランドで売られるわけです。それを何らかの通信事業者のネットワークに繋ぐわけですが、事業者によって料金もサービス内容もデータ通信の速度も違う。だから実は一概に横並びでの比較すら難しい。

つまり何を言っているかと言うと、それを組み込んだ機器メーカー、それを自社のネットワークサービスで利用することを良しとした通信事業者、そしてソコに付加価値サービスを提供するソフトウェアやネットワーク上のサービスを提供する企業(あるいは個人?)の総合的な状況を見ないといけないわけです。なんで米国でも3Gの世界が来たぞと言ってるはずなのにGSM版だけをしばらく売っていたかというのは、誰のネットワークで使えていたのかってのを知らないと評価できない。その事業者のネットワークがどういう状況なのかを知らないといけない。さらには、そこは何があってもiPhoneみたいな飛び道具を独占する必要があったんですね。

そもそもiPhoneはGSMのネットワークでも使えるように作られたものなんだよね
Windows Mobileを搭載した端末はネットワークに逆に依存しなくても良いように作ってあるっぽいんだけど逆に通信資源はLANみたいに無限に使えると思ってるフシがあるぞ
それに対してガラケーと呼ばれる日本の3Gケータイは3Gのネットワークが無いと成立しないしなぁ
ところでAndroidとChrome OSとの棲み分けってどうするって言ってるんだっけ?

などなど・・・

そこまで押さえた上で比較しようよというのは、一般には難しい話ではあると思います。そんなこと知るか!と言う話はもっともだと思います。ただ、それらを全く意識せず情報を流すメディアには何らかの責任があるんじゃないのかな?とちょっとだけ思ったり。

 

ちなみにAndroidで動く機器自体に有る一定の機能要件を満たしたNexus One認証(?)を取ったモノ用とは違うらしく・・・

このあたりまで来ると、もうAndroidで動く機器同士の比較も余り意味が無くなります。OSが動くという次の段階での一定の条件。うむ~。ますますもって、誰もが大好きな単純比較なんて出来なくなります。

当然そこにはパッケージとしてのiPhoneと比較されるAndroidというOSという変な立ち位置。Nexus Oneならまだ判りますが・・・とかね。

ということで、ネットワーク自体は一般消費者から企業まで同じものを使うわけですが、接続する機器の考え方、受け取り方、評価の仕方やされ方ってのは一様ではないよね、というのを改めて感じてしまう週末です。

bibendum_iwa

馴染みの店に新年の挨拶と称して(というか言い訳を作って)軽く飲んだ昨夜の帰りの電車の中。そろそろ時計が天辺あたりの各駅停車。それなりに空いているお陰で座れました。ふと右隣を見ると白いタブレットを持った人が。

「あ、Kindleじゃん」

初めて見ました。生Kindle。

 

その方の氏素性は判りませんが・・・

画面は英語の・・・どうやら小説みたいです。画面の部分で言うと丁度ペーパーバックの1ページくらい。ふむふむ。見た目として普通に黒のインクで印刷されたページそのものみたいなモン。ふむふむ。

で、当然ですがページめくりはボタンをぽちっとするわけです。バックライトはありませんが、とりあえず電車の中で読むには特に問題なさそうな感じ。隣の席の私からも普通に文字が読めます。

「なるほどなぁ。」

色々な経緯で随分と昔からいわゆる電子ペーパーのプロトタイプには触れてきましたが、とりあえず製品となったものとしてのKindleを見たのは初めてです。

 

で、コレが欲しくなったかってのは実は微妙

正直、本は好きです。自分的には「本を読む」という行為と「テキストを読む」という行為は別だと考えているフシがあり、気合を入れて文章を読むときには紙の形であるほうが頭にすっと入って来やすい感じがしています。

もちろん、そうも言っていられない状況もあるわけで、Webの画面やらPDFやらWordやらなんやら、画面上に表示されている文字を追いかける時間はそれなりにあるのも事実。実際に計算すると多分紙よりも画面を睨んでる時間の方が長いとは思います。

でも、レイアウトとか書体とかも含めた「作品」としての本、あるいは「紙」は好きなんですよね。私の場合。

 

まぁ四の五の言ってても気が付いたら買ってるかもしれませんが

とりあえず今は「ふ~ん」という感じ。印刷物とは違う質感に違和感は隠せません。これは慣れの問題なんでしょうけど・・・ね。

 

bibendum_iwa

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プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

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