THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2009年1月21日

2009年1月22日の投稿

2009年1月23日 »

CNETさんの記事。「人工衛星から見たオバマ米大統領就任式--「GeoEye-1」撮影」。なるほど、なるほど、です。

 

群集は一様には展開しない

統制が取れた軍事パレードでもない限り、一定の範囲に人が規則正しく展開することはないんだろうとは感覚的に判ります。たとえば野外のコンサートなどが典型ですが、やはり前のほうに人は集まる。後ろのほうは微妙にスカスカだったりするわけです。コレを普通は同じ地面に立って見ているわけで、その状態を頭の中で鳥瞰図に置き換える作業を行ったりします。

感覚的には判る。でも、それを可視化するとどうなるか?

 

シミュレーションじゃなく、上から直接確認

野外コンサートだとラジコンのヘリであろうが本物のヘリだろうが何かしら空に飛ばして撮影することは不可能ではないとは思います。でもさすがに合衆国大統領就任式の開催されているワシントンの議会上空を飛ばすわけにはいかない。速攻で空軍機に撃墜されるのは目に見えています。でも空軍機でも届かない場所がありました。そう。宇宙です。人工衛星からの写真。視覚的に判る。もう一目瞭然とはこのことです。ITの世界で言う可視化よりももっと物理的な話(笑)ですが、とにかく一目瞭然。

 

さすがに議会の周りは椅子を置いてますから整然と人で埋まっている

まるでアリーナでのコンサート。ま、運営する側からするとステージが前にあって、客席をその前に展開するわけですから、その部分では全く同じです。イベント屋としては「やっぱりこうなるんだよな」と納得。

 

議会からナショナルモニュメントまでの間は巨大なディスプレイの前に人だかり

後ろのほうだとキロ単位で議会から離れますから設置された巨大ディスプレイの前に人だかりになっていたのは報道で見た通り。でも、それが実際にはこんな感じで人が分散してたんだなというのが、これまた一目瞭然。

 

でもやはり気になるのが、人が集まると当然トイレ需要が生まれます

なんでトイレの話になるかはさておき、イベント屋としては当然トイレを気にする必要があります。食べるものは勝手にしてもらってよいし、ゴミはもって帰れといいつつゴミ捨て場所を指定すればある程度は何とかなります。でも、トイレ需要に対して勝手にしてくださいといってしまうと大変なことになります。

実際一説には5,000器のポータブルトイレが用意されたという報道もありましたが、それを受けてくだらない計算をしてみました。集まった人の総数がたとえば仮に150万人として、1人が1回だけ2分間トイレを使うと・・・

トイレの延べ占有時間:
 2分 x 150万人 = 300万分 = 5万時間 (≒ 2084日 ≒ 5年8ヶ月)
時間のところを5000基で割ると・・・
 5万時間 ÷ 5,000基 = 10時間
つまり、5,000基のトイレを150万人が1回だけ使うために10時間かかる計算です。

なんか計算がイヤになってきましたが、恐ろしいことにこれは150万人が1回だけトイレを使ったときの計算です。氷点下5度で外に居て、1回しかトイレに行かずに済む人はそれほど居ないと思います。熱い珈琲なんか飲むと、利尿作用でイチコロです。つまり、来場者数の数倍の延べトイレ利用者数が居るわけで、そうなると所与の条件のトイレ5,000基ではとても捌ききれないのは感覚的に判ります。

 

でももっと恐ろしいことが・・・

150万人 ÷ 5,000基のトイレ = 300人/トイレ1基が処理する必要がある人数

実際には数倍の人が押し寄せるわけですが、とりあえず1基のトイレが300人分の「モノ」をタンクに入れるカタチで処理するわけです。一人当たりの液体出力(笑)が仮に100ccとすると、300人分で30リットルになります。でも液体出力は入力(飲料の量)に比例するとすると、多分もっと多いので、200ccくらいにはなるかもしれません。そうすると300人分で60リットルになります。が、「大」が入ると量が増えますし、トイレットペーパーが更にタンクを埋めてゆきます。エイヤで倍の120リットルくらいでしょうか。

でもタンクの容量がわからないと計算できないので調べてみました。すると一般的に日本で手に入る仮設トイレの場合、300リットルから400リットル前後のタンクがついているものが多いようです。仮に同じ様なものが2日間まるまる利用されるとすると、240リットルくらいが必要な容量ですから、150万人が一日一回だけトイレを利用するなら、どうやら5,000基あると楽勝のようです。

でも、実際には絶対にそんな計算どおりに行くはずもなく、ちらっと見たテレビの映像では、タンクがパンクして使用不能になり、ドアに南京錠がかかったトイレが。最初の話のとおり、人は一様には分布しないので、当然人が集中するところにはトイレ需要も集中するわけですよね。他人事ながら、きっと大変な状況になっているのではないかと余計な心配をしてみたりします。

ならばトイレ設置場所に定点カメラでも置いて、ネットワーク経由で状況を見れるようにしちゃうとか、あるいは巨大ディスプレイにトイレの行列状況情報を定期的に表示するとかすればみんなが幸せになれるんじゃないかと思ったりもしますが、いまさら関係ないですよね(笑

bibendum_iwa

« 2009年1月21日

2009年1月22日の投稿

2009年1月23日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
showbiz
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ