THE SHOW MUST GO ON:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) THE SHOW MUST GO ON

通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

« 2007年8月23日

2007年8月24日の投稿

2007年8月25日 »

ロジスティックスという言葉があります。単に「物流」と解釈される事が多いのですが、本来は軍事組織におけるサプライチェーンを表し、「兵站」と訳します。


前線で必要なあらゆるものを準備し適宜供給するという考え方

元々ギリシャ語を語源とするロジスティックスは、前線で必要とされるモノの調達・輸送・補給を指すものです。厳密に軍隊用語として定義すると「ミリタリー・ロジスティックス」といわれるものであり、商業活動の一環としては「ビジネス・ロジスティックス」といわれるものです。目的や手段が異なるため別の言い方をしていますが、本質的には、ある活動におけるサプライチェーンの構成要素だと思えばよいのかもしれません。


イベントにおけるロジスティックス?

セミナーであれ展示会であれ、それが出展であれ主催であれ、必ず現場に何かが必要になります。それを如何に調達し、如何に利用者に最適なタイミングで供給するか。その事前の段取りと手順、そして運用方法をまとめたのが運営マニュアルです。どの立場から考えるかが問題ですが、全体を仕込む立場から考えると、ブースの造作や映像、展示台、展示物などのみならず、極端な話お客さんそれ自体も供給するべき資源になります。


たとえばセミナーで言うと

会場、プロジェクター、スクリーン、レーザーや伸縮式のポインター、音響機材、必要であれば演出照明機材、テーブル、椅子、プレゼンテーション資料のデータ、配布資料、カタログ、タトウ、封筒か紙袋、ノベルティ、アンケート、受付テーブル、受付看板、記名受、名札ケース、ボールペンやサインペンなど必要な事務用品、案内看板、受付前看板、企画スタッフ、制作スタッフ、進行スタッフ、運営スタッフ、受付スタッフ、更にはスタッフ間の連絡用トランシーバーなどなど。
でも、仕込む立場だと、まだ終わりません。

集客対象者リスト、案内状や招待状自体とそれを送るための封筒や切手、申し込みのためのWebサイトやFAX受付の仕組み、受講票自体とそれを発送する仕組み、アンケート集計の仕組み、来場者データの顧客マスターへの還流の仕組み、リードのフォローのための仕組み、ビジネス・トラッキングの仕組みなどなど。
でも、まだ終わりません。

企画書、予算書、稟議書、予算、現場で必要な運営手順などをまとめた運営マニュアル、必要な購買処理、必要な場合制作や運営会社との折衝などなど。

そして、当然お客さま。


(仮称) イベント・ロジスティックス

こうやって書くと気が遠くなりますが、例えばこれらの一部または全てを何らかの目的を持って話をするセミナーの講師に対して供給するのが、(仮称) イベント・ロジスティックスではないかと考えています。平たく言うと、結局ステム開発などのProject Managerが持つのと同じ機能ですね。それを、イベントなどの業界ではProduceと称しているわけです。
ある一定以上の規模の場合には、各パートごとにDirectorを立てて動きます。

前線(=現場)で戦う部隊(=講師や会社そのもの)に対して、必要とされる各資源を必要なタイミングと必要とされる量供給できる仕組みの計画、調達と運用。これがロジスティックス。


言い方はともかく、実はみんなやっているのですが

この役割、実は普通にやっているわけですが、ある一定以上の規模になると誰かがまとめる必要があります。しかし、多くの場合ブツギリで計画・運営されて、全体が見えなくなってしまいます。しかし集客活動と会場の運営を分離してしまうと、結局現場が混乱します。かつて、2万人規模のイベントで、それまで集客、当日全体運営、印刷物まわり、セミナー進行、展示会場運営など木っ端微塵にパラで動いていたのを全部統括するというチャレンジをやったことがあります。このときの発想が「ロジスティックス(兵站)」でした。コンテンツとそれ以外を明確に分離し、お客さままで含めた全ての資源を供給するということについて全責任を負う役割。部屋に入ったお客さんにどのような話をするのか、そこからどのようなビジネスを生むのかはコンテンツの担当の責任。

正直、仕事的には本当に大変でしたが、会社対お客さまという観点から言うと、非常に多くの成果を上げることができました。全体の流れをProducerから常に見えるようにしておくこと、そして決めた手順で確実に動けるDirector以下のStaffを信頼して開催すること。少しでも運営に口を挟める余地があると余計な問題がでるものですが、最初からタンカを切って責任を分離したお陰で、想像以上にスムーズに事が運びました。


制作統括?

因みに、Producerという表現ですが、NHKでは番組制作のProducerを制作統括と表記しています。運営マニュアルに書く上では、こっちの方がカッコいいなぁと思っていたり・・・ 余談でした。

bibendum_iwa

« 2007年8月23日

2007年8月24日の投稿

2007年8月25日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

岩永慎一

岩永慎一

外資IT、日本のIT系を経由して現在通信事業者に勤務。営業やSE、更にはコミュニケーション系を中心にありとあらゆるマーケティング関連の仕事を経験してきたが、現在は通信業界の特殊部隊として常に完全装備で課題に取り組む。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
showbiz
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ