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 前回、情報社会は不特定の誰かが必要とする情報は、いつでもどこでも入手できるようにしておく、つまりオープンにしておく必要があると前述しました。個人や組織が何か判断しようとする際に、絶対的に必要なものは「情報」です。また、全ての「情報」獲得の権利は、基本的人権にかかわるものであり、生存権であり、幸福を追求する権利なのだとも言いました。それを実現するにはどうしたらいいでしょうか?  

情報社会の情報取り扱い理念  

  そもそも、「情報」は、「共有財産」なのではないでしょうか。一人で完全に自己完結する他人にとって全く無縁で孤独な「情報」なんてあるのでしょうか?そ の「共有」の範囲は、家族における場合に始まり、地域のコミュニティ、学校、企業、自治体、国家、社会、グローバルな経済・金融活動など様々ですが、社会 的に共有することで「情報」は意味を持ち価値を発揮するものです。  

  この「共有財産」という概念は、企業や各種団体でも行政や政治の世界でも等しくあてはまる大原則です。個人が握りしめて棺桶まで持っていくべき情報などで はないハズです。組織やコミュニティは何がしかの社会的存在価値を持っており、その関与者(ステークホルダー)に対して、情報を開示、つまり共有していく 義務が存在すると考えるのが自然です。企業は取引先や顧客、株主に、行政は県民や住民に、政府とその機関は国民に、場合によっては国益上必要なら外国政府 にも情報を提供し共有するのです。    

  この公共財である「情報」にも独占禁止法が適用されるべきではないでしょうか?公有情報隠匿・隠蔽罪なるものでしょうか?共有情報私的独占罪でしょうか。 インサイダー取引の禁止のように情報の囲い込み悪用を防ぐには、誰でも知っている状態にしてしまうのが、もっとも効果的です。情報にアクセスする権利や機 会においては平等だということです。つまり、みんなが得をする、フェアな情報環境だということです。  

 情報の存在そのものや誰がその情報を保持しているのか、分からない状態でアンフェアな行いが起こるのです。人の心に正義を期待するのはいいのですが、プラトンの著書国家にある羊飼いのギュゲスの指環の喩え話にあるように、往々にして立場ある人の心は、誘惑に負けてアンフェアな行いをしてしまいます。  

  何度も繰り返しますが、何でもかんでも情報公開・開示すればいいというものではありません。企業や公的団体では公開によって経済的損失や著しく不利益を生 じさせてしまうような、さらには公共の概念に反して一部の利益になるような、そして国益に反するような情報は、きちんと管理されなければいけないのは当然 です。また、プライベートで私的な個人情報は、公共に反しないことを条件に堅く保護されなければならないのはいうまでもありません。  

 これらの考え方があてはまらない例外は、○○組などの反社会的団体だけだと考えられます。彼らは、その存在をアブノーマルな方法で告知・誇示することはあっても、広くその活動内容を多くの人たちに知ら占めることはあり得ません。存在を脅かされることになるからです。ちなみに、ネットで検索してみましたが、もちろん公式ホームページはありませんでした。  

逆にプライバシーも含め無理やりにでも、情報開示に準ずる扱いをして、普通の人々が不利益を被らないようにすることも必要ではないでしょうか。  

情報共有の三原則  

 前置きが長くなりましたが、社会的存在価値のある組織・団体や個人に適応される、情報三原則なるものを考えてみました。  

企 業に身を置く広報パーソンも、政府の広報担当者も、すべからく広報として活動することを考えると、このような原則が下地にあればプレス活動でもブランド構 築にあたっても、極めてスムーズな行動を可能にすることがお分かりいただけると思います。その上、対外活動ばかりでもなく、組織内広報活動においても日 ろからこのような原則を追求していれば、「社内ベクトル合わせ」「広聴」「社内一体化」「方針徹底」など多く課題解決にメリットを感じるでしょう。 

1.どんな組織も生データや一次情報へのアクセスを内外に開放し、情報の信頼性を確保せよ 

組織の活動履歴である生データや一次情報を常時開示しておき、ガラス張りにすることで情報と組織の信頼性を担保します。これにより、不特定多数の自発的な理解と関与が高まり、組織や社会運営の質的向上や効率やスピード向上が期待できます。企業であれば社員自身が会社を理解するに不可欠の情報アクセス環境を提供することになります。一方、政治や行政の世界であれば、一次情報(生データ)を共有して、社会的課題や政策課題を自分の問題として考えるチャンスが与えられ、参加しているという 実感を得やすくすることになるのです。 

2.組織や社会は、あまねく情報の共有で横溢せよ  

組織や社会の目指しているところや価値観などは可能なかぎり共有すべきだし、社会では多くの人が持つべき知識を「常識(コモンセンス)」と呼んでいます。いずれにせよ、多くの人が活動するところには、すべからく共有すべき情報があるということで共通しています。逆の言い方をすると、共有するべき情報があるからこそ社会と言えるということです。 

3.個人が自由に情報発信できるコミュニケーション環境を構築維持させよ  

個人が社会や組織内に向けて、規律を持ちつつ自由に情報やメッセージを発信できる、コミュニケーション環境を有形無形インフラとして構築し維持する必要があります。組織や社会はその存在価値を維持していくためには、修正や改善が欠かせないというパラドックスがあります。社会情勢や国際情勢などの環境が変化すれば、その中の一部にすぎない組織や社会が変なkしなければならないのは当然といえば、当然なんです。  

健全な社会に住み続け、同じく健全な企業や団体に勤め続けたいのなら、そして少しでも社会を発展させたいと考えるなら、少人数の活動でも大企業でも、行 政、国政レベルでもあてはまる、これらの普遍性ある原則の徹底を追求して「オープンな情報共有社会」を目指さなければならないのです。実現できるかどうかは別問題です。それでも追求しなければならないことです。  

参考図書:国家(上)プラトン著 岩波文庫 

次回は、コミュニケーション・ギャップの唯一の解決策であるといわれる「情報共有」について掘り下げます。

Patina

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