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中山信弘先生の「著作権法」ですが、旅行中にほぼ読了しました(しかし、休暇の海外旅行に法律の専門書を持って行く自分はつくづく貧乏性です(笑))。
基本的に大学向けの教科書であり未来論の本ではありませんので、解釈論を中心としたオーソドックスな構成になっていますが、随所に著者の問題提起がなされていて大変興味深く読めました。特に、「著作権の憂鬱」というタイトルで始まる序章部分は名文です。大事なところに下線を引いていくと全部下線になってしまいそうです。
感想文を書こうと思いましたが、池田信夫先生のブログにほぼ私が言いたいことが既に書かれていますので、そちらをご参照ください。本書での重要な問題提起としては、池田先生のブログに書かれている「所有権のドグマ」の話に加えて、人格権と財産権のバランスの問題もありますが、これについてはかなりヘビーなお話しなので、また後日書きたいと思います。
著作権制度について真剣に議論したい方は前提として是非ご一読をお勧めします。もちろん、中山先生の意見にすべてしたがえということではないですが、ありがちな俺様法律論(例:「著作権の侵害は他人の土地を勝手に使うのと同じ」、「著作権侵害者は悪いことをしているので厳罰化は当然、厳罰化に反対するのは後ろめたいことがある人のみ」)が少なくなることを期待します。
あと、本書は教科書ではありますが、入門書ではないので、いきなり法学の前提知識なしで読むとちょっとつらいかもしれません。民事と刑事の違い、物権と債権の違い、民法の三大原則、解釈論と立法論の相違あたりは理解しておくことが必要でしょう。とは言え、最近はネット上でもわかりやすい解説記事が多数ありますので、ネットを参照しながら読み進めるのも充分ありかもしれません。
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