栗原潔のテクノロジー時評Ver2:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 栗原潔のテクノロジー時評Ver2

知財、ユビキタス、企業コンピューティング関連ニュースに言いたい放題

« 2007年6月2日

2007年6月3日の投稿

2007年6月4日 »

前々回のエントリーで、日本ではレコード会社の権利の関係により、市販CDを流すタイプのネットラジオの開設は難しいという話を書きました。

では、米国ではどうなっているかというとSoundExchangeというRIAA(全米レコード協会)の下部組織があり、ここに申請して規定のライセンス料を支払いさえすればネットラジオの営業が可能になります。実質的にレコード会社側に禁止権がなく報酬請求権となっていること、および、権利関係処理がOne-Stop-Shopになっている点で日本と全然違います。last.fmは英国の会社ですが、英国でも同じような仕組みになっているのではと思います(ご存じの方いたら教えてください。)

先日、そのライセンス料金が大幅値上げされようとしているということで大問題になりました。Pandoraにメアドを登録してる人には「ライセンス料値上げでビジネスを継続できなくなるので、地元の議員に働きかけて値上げ阻止をお願いしてくれないか」という趣旨のPandora設立者からの悲痛なメールが届いていたと思います。

このライセンス料値上げは、特に小規模ネットラジオにとって打撃が大きかったわけですが、結局、小規模局については暫定的に据え置きというような形で一応解決したようです(参照記事)。

というわけで米国においても問題なしというわけではないですが、ライセンス料金が高い安いで争うという問題は、そもそもライセンスしてくれない(および、一括交渉窓口がない)という問題よりはるかにマシでしょう。

あと、日本のネット局でも直接SoundExchangeにライセンス料支払いをして運営しているところもあるようです。輸入盤のみをプレイしている限り、権利者には規定の対価が回りますので、常識的には問題ないように思えますが、日本でのルール上はどうなるのか微妙な気もします(これも詳しい方いたら教えてください)。

ところで、Pandoraからのメールにもあったように、米国では消費者として権利主張する際には、有権者として議員に働きかけるというパターンが結構あります(私も留学中にそういうメールをよくもらいました(選挙権がないので自分ではどうしようもなかったですが))。間接民主制としては当然の姿ですね。だけど、日本で地元の議員の人に「日本でもネットラジオを開設しやすくできるように著作権法改正して下さい」と陳情したら、どういう反応が返ってくるのでしょうかね?


キーワード記事*

ネットラジオ

栗原 潔

« 2007年6月2日

2007年6月3日の投稿

2007年6月4日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP


プロフィール

栗原 潔

栗原 潔

株式会社テックバイザージェイピー(TVJP) 代表取締役 弁理士
IT、知財、翻訳サービスを中心とした新しいタイプのリサーチ会社を目指しています。

詳しいプロフィール

カレンダー
2012年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
kurikiyo
カテゴリー

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


Special

- PR -
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ