« 2008年5月2日

2008年5月7日の投稿

2008年5月8日 »

ゴールデンウィークも終わろうかという端午の節句、昨年に引き続き、 幕張メッセで開催されていた日本最大級のフリーマーケットに参加してきました。

まあ参加といっても、たんにブラブラとお店を覗き、bayfmの公開生放送に出演していたゴスペラーズと世界のナベアツ(※ いつも世界のナベツネと間違ってしまう)を見て帰ってきただけなのですけどね。

このフリーマーケット、日本最大級と銘打つだけあって、幕張メッセのホールを9つぶちぬきで使うほどの大会場、 もちろんそのスペース全てが出展者や協賛店で埋め尽くされ、来場者は20万人近くにも達するというメガサイズのフリマです。

本当に多くの人が会場にひしめき合っており、会場に立ち入った途端に熱気に圧倒されました。人がこれだけ集まると、 本当に空気が違ってくるのですね。


ところで、私はフリマにそれほど興味はないのですが、これだけ大勢の人が集まってくるイベントを見ると、 参加している人々には果たしてどれほどの利益があるのか気になってしまいます。

例えば、このイベントでは車での出店を行う人が多いのですけど、出店物に値札を貼って、車に詰め込み、遠路はるばる(しかも早朝に) 幕張メッセまで移動した上、所定の場所で品物を並べ、7時間(10時会場17時閉場です)もお客の相手をして、 残った品物は再び車に詰め込んで家路につくワケですよ。ガソリン代だってバカにならないでしょうし、 もちろん家に帰ったら車から品物を降ろさなければなりません。人によっては再び家の押入れやクローゼットに仕舞い込むこともあるでしょう。

はたしてこれだけの労力を掛けてまでフリマに出店する価値はあるのでしょうか?


今回の「幕張メッセどきどきフリーマーケット」に車出店する場合を挙げ、キャッシュフローを試算してみます。

モデルケースとして、20代男性2人が車(ステーションワゴン)を使って自宅にあった不要物をフリマで売り捌くと想定します。 彼らは東京都調布市から車で移動するものとし、高速道路を通って幕張メッセまで到着、帰宅も同ルートとします。 昼食はフリマ会場で現地調達するため、その分のみ経費に上乗せすると考えましょう。


ということで、キャッシュアウト要素を以下のように仮定。

・一般人による車出店 :6,000円/1日
 ※実行委員会情報より
・高速代金 :3,000円 (中央・首都高・京葉を往復)
・ガソリン代 :1,500円 (50km÷10km/ℓ×150円×往復)
 ※車に詳しくないため誤差はご容赦下さい
・昼食・その他飲料代 :3,000円 (1,500円×2人)


ということは、自分の車で出店するなら”6,000円+3,000円+1,500円+3,000円”の合計でなんと” 13,500円”もの初期費用が必要になることが分かります。

となると、持ち寄った不要物が13,500円以上で売れなければ、少なくとも赤字であることが分かります。いや、 実はそれが全てではありません。

出店者がお金儲けのためにフリマに参加したのであれば、当然彼らの人件費だって考慮すべきです。もし、 彼らがフリマに参加するのではなく、その準備時間も使ってアルバイトをしていれば相応の収入を得ていたでしょうから、 機会損失を考える必要があります。

フリマの準備、実行、片付けに費やした時間(移動時間含む)を正味20時間と考えると、時給900円のバイトであったとしても、” 36,000円(900円×20時間×2人)”を得るチャンスがあったことになり、 彼らはこの金額分をフリマの収益から得ることができなければ、割の合わない仕事だったことになります。

ということで、”13,500円+36,000円=49,500円”。

さらに、もっとキャパシティの大きな車にしようとレンタカーを利用するなら、 SUVであればプラス15000円は見る必要がありますから、” 49,500円+15,000円=64,500円”です。

つまり、フリマで64,500円以上の売上がなければ、その時間を使って別のバイトをした方が得であるという結論に至るわけです。

 

ざっと計算しただけですから、かなり乱暴な数字であることは認識していますが、 それでも5桁の後半台の収益がなければ赤字になりそうだということは、なんとなく分かるのではないでしょうか。 もしも物品をわざわざ仕入れてフリマで儲けたいのであれば、さらに原価分の金額が上乗せされるのですから、 本気で臨まないと痛い目を見ることになりそうですね。


こんな計算をしてしまうのは、きっと私があまりフリマに興味が無いからなのでしょう。知人を初め、フリマ好きの人は、 損得を度外視して遊びとして楽しんでいるから、こんなことを気にする必要もないのでしょうね。

ここまでフリマの費用について考えてくると、主催側の収益が非常に気になってきました。幕張フリマの場合、来場者は20万人弱、 当日券500円、前売り券400円、プロ出店は3日で48,000円、スーパープロ出展は3日で189,000円、 企業出展は315,000円という数字が分かっているので、どなたか計算してみて下さい。

 

NAKA

« 2008年5月2日

2008年5月7日の投稿

2008年5月8日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

中 寛之

中 寛之

アクセンチュアに勤務。
ITIL Managerとして、システムインフラのコンサルティングを中心に、業務領域まで幅広く担当しています。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
infra
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ