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連日の新興メディア広告合戦記事でおなかいっぱい気味なところに、往年のメディア王による「あらまぁ」な記事が新鮮です。マードック帝国の一員、シドニーモーニングヘラルドによると、News Corp.はダウ・ジョーンズ買収の条件としてバンクロフト家から1人取締役会に入れなくちゃいけないことになっていたそうな。「変な家族だよ。自分たちでは誰を代表にするか決められないんだ」と言ってマードックが指名したのは、ダウ・ジョーンズ社主、ヒュー・バンクロフト3世の娘、ナタリー。
News Corp.初の女性取締役に就任するナタリー・バンクロフトはまだ27歳。ジュネーブ在住でオペラ歌手志望(ステージに立ったことはあるようです)。ジャーナリズムとか会社経営とかにはあまり縁はなかったもよう。UPIによると、一族の1人は友人に「これでもうバンクロフト家がダウ・ジョーンズを失うのは確実だー」ともらしたとか。
これで「実はナタリーはばりばりの経営センスの持ち主だった!」とかだと小説みたいでおもしろいんですが、それはなさそうです。マードックもマードックですが、1カ月も選考期間がありながら代表を決められなかったバンクロフト家もすごいです。
庶民は気楽でいいなぁとなごむ澤でした。
Android関連記事についての分析を、きょこ コーリングの加藤さんが書かれています。
わたしが気づいたのは記事内容ではなくて、タイトルのほう。
GoogleのケータイプラットフォームであるAndroidにからんででた記事の一部でフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をもじったものになっています。
昨日、ITmediaのニュースエディターから指摘を受けたのです。「うちだけで3本もある」と。
・神尾寿の時事日想: 携帯キャリアはアンドロイドの夢を見るか(Business Media 誠)
・グーグルの携帯向けプラットフォーム:アンドロイドはモバイル開発者の夢を見るか?(@IT NewsInsight)
・アンドロイドが見る携帯電話の夢(海外速報部ログ)
そういう話をしているうちにもう2本増えました。
・Androidは無料携帯の夢を見るか?(ITmediaエンタープライズ)
・無料携帯は実現するか:アンドロイドは夢を見すぎか?(@IT NewsInsight)
これはタイトルは違うけど両方とも中身は同じ(eWEEK記事の翻訳)なので実質的に1本ですが、合計で4本。それぞれの編集部は独立して動いているので、こういうことも起きてしまうのです。ちなみにこの記事は原題も“Does Android Dream of Domination?”です。
しかし、「Android」と「夢を見るか」を組み合わせている報道記事は、いまのところITmedia以外には見当たりません。
この組み合わせはあまりにも「ベタ」なので、「ここでやっちゃいかんな」と思ったのでしょうか? でも、ここで使わずにいったいどこで使うんだ、という考え方もあります。わたしは「使っちゃえ」派ですけど。
これに比べて、「流れよ我が涙、と警官は言った」というのはなかなか応用がききません。
なので、せいぜい「当面ないだろう、と担当者は言った」というサブタイトルをつけるくらい(ITmediaのトップページ参照)。まあ、ほとんどの人は気づかないと思うので……。
このAndroidを「VOCALOID」とか「とかちロイド」とかに置き換えると、対象記事はさらに増えてくるでしょう。
以上、VOCALOIDに夢を見すぎな松尾でした。
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