『ブロガーズ・ミーティング@NEC』で”ラリー仕様”のサーバを見た
7月19日に開催された『ブロガーズ・ミーティング@NEC「夏の節電をITでどうやって乗り切るか」 feat 坂本史郎さん』 に参加してきました。に参加して参りました。
- 28℃オフィスが快適なのは40℃で稼働するサーバーと同じ原理でした #necbm:坂本史郎の【朝メール】より
- 早起きは三文の得とはいうよね - ブロガーズ・ミーティング@NEC (1) #necbm:Power to the People
- 自宅に欲しい!! 環境温度40度でも動作する省電力サーバー - ブロガーズ・ミーティング@NEC (2) #necbm
- 自称「代表取締役用務員」坂本史朗さんは前年対比28%もの電力を削減:ブロガーズ・ミーティング@NEC「夏の節電をITでどうやって乗り切るか」 feat. 坂本史郎さん(前編) #necbm
- NEC流の『導入でエコ・運用でエコ・空調にエコ』 by using Express5800:ブロガーズ・ミーティング@NEC「夏の節電をITでどうやって乗り切るか」 feat. 坂本史郎さん(後編) #necbm
- 夏の節電をITでどうやって乗り切るか?
- THE日本のもの作りな原点を感じた『ブロガーズ・ミーティング@NEC』 耐40度サーバ #necbm
第1部では坂本史郎さんよりオフィスでの節電への取り組みについてご紹介いただきました。窓にかけるブラインドには縦型のものと横型のものとがありますが、横型のタイプでは凹の面を窓の外側に向けるようブラインドを閉じると赤外線を反射するという話が印象的でした。
また、蛍光灯の間引きについても取り組みをされているとのことです。蛍光灯だけを間引きしてディスプレイを明るくし過ぎると明暗差で目が疲れるので自然とディスプレイの明るさも押さえ気味になるかと思います。そうすればオフィス全体での消費電力もより低減できるかもしれません。
第2部ではNECさんよりexpress5800のGT110d-Sという製品について、いかに低消費電力への取り組みに力を入れているかが紹介されました。
電源周りの吸排気は独立性を考慮してか上面吸気して(未確認ですが)ケース内空間を経由させずに電源後部に排気することで主要部分への悪影響が低減されていそうです。
高温環境では劣化速度が早まるとされるストレージについては最も低温となる吸気点、すなわち今回のサーバではフロント側に配置されています。
前面吸気の背面排気ということで、メモリは空気の流れを妨げないよう、鉛直方向でなく水平方向に配置されています。
CPUのファンもマザーボードに対して水平でなく、前面から背面に向かって風を流すように取り付けられています。
底面にもファンがあり、背面最下部から排気する形になっています。おそらく前面から吸気された風がチップセット周辺を冷却しながら抜けていくのだと思います。
これにより40度の環境下でも問題なく作動するとのことでした。ファン等に使用する電力も削減できるのは当然ながら、空調に利用する電力を低減することで節電効果は高いものと思います。
書いてみると簡単そうなことですが、マザーボードの設計から実験をして大量生産に至るまでには相当なノウハウが必要なことと思います。また、水冷については数年前にPCに技術を投入してNECさんは既に「枯れた」領域に至っていると思います。同じようにこの節電PCについても何世代目かの製品ということで多くの知見が集まっていると思われます。
(画像は新倉さんのブログより拝借しました。ありがとうございます。)
それ以外にも様々な工夫がありました。底面に転倒防止のバーが格納されていて、必要に応じて出せること、横置きでも利用できること、前面からのストレージ換装に対応していること、側面の吸排気がないため左右の間隔を意識せずに使うこと。
なかでも「これは!」と思ったのは製品開発の各フェーズで少なくとも3回は(とお聞きしたように記憶していますが)保守を担う会社であるNECフィールディングさんとメンテナンス性についてレビューを行うということ。これはケースを開けたときのケーブルの引き回しがあまりに美しいので、自分からNECさんに対して「保守とか大変なんじゃないですか?」と質問したときに答えていただきました。保守できない製品を売ったら怒られますということで、以前に某メーカーさんのPCが故障した際に招いた保守の方がケース内のダクトを壊してしまうところを間近で見た私としては、さもありなんという思いでした。
さて話はずいぶんと変わりまして、早く走るための車というとF1やらスーパーカーが思い起こされます。そういった車はサーキットのように整えられた環境で最高のパフォーマンスを出すべくガリガリと改造されています。これはITで言えばデータセンターで使うことを想定されたラックマウントサーバのようなものです。
一方でWRXやランエボに代表されるようなラリーカーは悪路でも早く走れるように作られた頼もしい車です。PCサーバというのはラリーカー的な立場の機械ではないかという気がします。
今回のGT110d-Sはその中でも節電に向けてチューンされた状態で出荷された特殊な機械です。とすると、市販者部門というレギュレーションをクリアするために1000台とか500台限定で販売される”ラリー仕様”のモデルと言えるかもしれません。
ちなみに自分が始めてハンドルを握った車はセリカ(ST18)でして、モデルはGT-Rだったこともあり、もう最近はさすがに見かけませんがGT-FOURを見かけると「わーかっこいいなぁ」と目を奪われていたものです。
となるとやはり見たいのは「ワークスモデル」ですよね。40度とは言わず50度での試験とか、はたまた単3電池10本で駆動、みたいなマッドなところを見てみたいなーと思っています。(昔のPC-DIYみたいですけど)
楽しいものを見せていただきありがとうございました。