THE日本のもの作りな原点を感じた『ブロガーズ・ミーティング@NEC』 耐40度サーバ #necbm
一昨日『ブロガーズ・ミーティング@NEC「夏の節電をITでどうやって乗り切るか」 feat 坂本史郎さん』 に参加してきました。
NECのこだわり・・・そこまでするのか?と感動した『THE日本のもの作りな原点』を見せて頂きました。
28℃オフィスが快適なのは40℃で稼働するサーバーと同じ原理でした #necbmオフィスの省電力を試行錯誤しながら最適ポイントを探り出した坂本さんのブログも是非参照下さい。スライドに詳しく出ています。実際にベタで地道な努力にこそ、答えがある!改めて学んだ感じです。
今回は省電力がテーマです。サーバそのものの電力もさることながら、熱を持ちがちなサーバの「いかに熱を効率的に流すか」な試行錯誤の結果が、中小企業でデスク脇に置いても使える「耐40度」な「GT110d-S」サーバに仕上がったようです。
私も多く見てきましたが、中小企業で完璧な空調状態でサーバを置ける環境は極端に少ないと思っています。実際に床置きでホコリ収集機になっているものや、レイアウト上見やすい場所に置いたら西日が差し込んでいたり、オフィスの隅っこでウンウン唸っていたり、不安定な高い場所に置いてあったり。。。と、劣悪な環境にあったりします。夏場の休みの日には空調も入ってないので、結構暑い状態にもなっています。
たまに聞くのが家電と同じ感覚で、テレビは10年も壊れないのに、コンピュータは5年も使えない。。。どうして?。。。と、私は明確な答えを持っていませんが、家電じゃない!としか言いようがありません(笑)
1.小さな筐体 幅93mm
2.耐40度サーバ
この2点がとても気になりました。
従来モデル←←←←←←← 【一目瞭然の温度差】 →→→→→→→新型モデル
小さな筐体にするための「熱効率」な工夫が満載です。
上の図は、内部の空気の流れです。赤い部分は空気の流れが速い部分です。赤く←を私がつけました。
この←左側にある「グレー色」の「ノ」な感じの部分が、空気の流れ効率を上げるための絶妙な形をした板です。
このRな形状がなんともセクシーなのです。方波見さんのNEC流の『導入でエコ・運用でエコ・空調にエコ』 by using Express5800:ブロガーズ・ミーティング@NEC「夏の節電をITでどうやって乗り切るか」 feat. 坂本史郎さん(後編) #necbmに写真があります。
左側の従来モデルの中央にある青い縦型が、メモリーです。メモリーがこの場所でこの形状だと、空気の流れを阻みます。通常はこんな形で配置されていると思います。
これが右側の同じく青色部分では、横置きに変わってます。中央の上部にある横長なヤツです。マザーボード上の設計から変えない限り、縦から横への配置換えは、ものすごく大変なはず。デスクの配置換えで向きを変えるのとはわけが違います。
この空気の流れを徹底的に調整し、メモリーの配置まで変えた結果の温度分布が下の図になります。
一目瞭然です。赤黄色が温度の高い部分です。メモリー周辺とCPU,電源周りの筐体中央部分に熱がこもってます。
図の左側がサーバ背面です。熱を逃がすためのメッシュ構造になっていますが、小さなゴキブリが入れない微妙なサイズになっているようです。冷蔵庫同様に、ゴキブリなどは暖かい場所に・・・この話、今日はこの辺でやめときます(笑)
この最大熱効率を追求するために、上記のような熱センサーを100箇所近く張り巡らせ、内部冷却ファンの位置をミリ単位で動かし、もっとも効率よく冷やせる場所を物理的人海戦術で探り出したようです。
机上で設計されただけのものでなく、非常にベタで地味なやり方です。どちらかといえばスマートではないかも知れません。
しかし個人的には、ここまでするのか?と唸るほど、徹底的なこだわりを感じます。単に40度まで耐えられるようにするには、こんなことをしなくとも、ファンを多くするとか、内部を広くするとか。。。いくらでも楽な方法はあるはずです。が、小さくするのと同時に熱効率を上げるという、トレードオフな関係にあったものを、両方取りする「こだわり」、それを実現したNECに「THE日本のもの作りな原点」を強く感じました。赤←をセクシーと感じるところでもあります。
例えば。。。と、コンテナとコンテンツに分けた説明をすることがあります。コンテナとコンテンツの価格価値が一緒くたになっている。。。感じがする
ここでは、コンテナとはサーバで、コンテンツとは中身のデータになります。
コンテナは、どのメーカーのどんな機器を使うのかだけです。コンテナ単体で考えれば、物理的に壊れても購入し直せば、新しい入れ物にはなります。実際には好みの分かれるところでもありますが、入れ物であるコンテナは、何を使ってもそう大差ないと思っています。サーバであれば、止まるまで、壊れる寸前までは普通に使えます。
一方のコンテンツはそういう訳にはいきません。データのバックアップさえ取っておけば「いつ壊れても」大丈夫ですが、大概バックアップ間隔の一番長い時期に起きたり、バックアップが取られてなかったりと、マーフィーの法則のように起こるものです。結局、中身のデータであるコンテンツが命です。
出来るだけ壊れない方が良いですが、機械モノである以上壊れることは宿命でもあります。壊れることを前提で考え、中身もバックアップ等して万一に備えますが、それでも多少なりともロスは出てしまいます。
細部までこだわった「THE日本のもの作り」を地で行ったサーバ。現場での使用方法を熟知した結果の「耐40度」だと思います。少なくとも壊れる要素は軽減されているはず。 要因を限りなく少なくしていくこと。まさにリスクマネジメントです。
コストパフォーマンスとは、見えるコストだけでないことを改めて感じたミーティングでした。