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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

28℃オフィスが快適なのは40℃で稼働するサーバーと同じ原理でした #necbm

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おはようございます。

今日も雨の合間に出社ができました。

昨晩はITmediaの企画で『ブロガーズ・ミーティング@NEC 夏の節電をITでどうやって乗り切るか feat 坂本史郎さん』という企画でお話とモデレーターをさせていただきました。今朝はそれについて。

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■6月は前年比28%減達成

電気使用量を過去にわたって調べてもらいました。
それをまとめるといくつかのポイントが実データで分かりました。

・震災の後にインド出張をしてバンガロールのホテルで電気をふんだんに使っていたショック
・節電するぞという意志をもつ
・1階にいたときの電気使用量はエアコンを新型に変更することで40%削減された
・3階のオフィスは倍のスペースだが電気使用量はあまり変化がない
・空調を28℃に設定する、いくつかの禁止事項を設ける
・でも不快
・それを快適にするには、上層空気の循環、温度ムラを無くす、オフピーク電力を活用する
・早朝からのオフピークエアコン稼働は効果的
・発熱減を減らす
・「電気予報ツール」を使ってアンテナ感度を高める

その他細かい工夫を積み重ねて、6月には前年比28%減が達成できました。
プレゼンテーションのスライドは↓↓をご参照ください。

続けて「節電」という観点でNECさんからのプレゼンテーションがありました。

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■NECのExpress5800というサーバーのとても凝っている内部設計

「オフィスでは約半分、データセンターでも約3分の1。」
これは、空調が電気使用量に占める割合だそうです。

「オフィスでは16%、データセンターでは約半分。」
これは、コンピュータが電気使用量に占める割合だそうです。

つまり、節電にはコンピュータそのものの電気量を抑えることも重要ですが、空調による電気使用量を下げることがどうしても大切なってくると。そして、NECはExpress5800というサーバーの最新型で、40℃の環境でも安定稼働するというものを開発できたそうです。

40℃で安定稼働といったら、かなり暑い環境ですね。熊谷の夏の外気そのものでも行けてしまう。そのなかで130Wほどのサーバーが安定稼働をする仕組みを達成するには、驚くほどの創り込みがあったようです。

元素材屋の自分としては、「耐熱温度が上がった裏には、大胆な素材や部品の見直しがあった」という答えを期待していたのですが、実際には、「空気のムラを徹底的にに少なくすることで、熱の滞留を防いだ」というのが答えでした。

まず、ボードや部品類の配置を変え、空気のフローを設計し、シミュレーションを繰り返し、最適な配置を決めるそうです。そして、次には熱電対を100個ほど実際に配置して、実際の測定のもとに、さまざまな最適化を図っていくそうです。冷却部品の最適化、複数ファンのオフセット設置。見えない部分に注ぐ、地道な努力の繰り返しです。

すると、熱の滞留による温度ムラを最小化することができる。

これによって、40℃の環境でも耐えられるサーバーが出来上がったそうです。お聞きしていて、その見えない部分への徹底的なこだわりに、日本メーカー的な美学を感じ取りました。自分の好きな言葉に『創り込み』があります。その『創り込み』魂が嬉しかったです。

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■あれ、温度ムラを最小化するって、オフィスの快適化と共通している?

そして、ディスカッションは進みます。

すると、オフィス内でもサーバー内でも、温度ムラを最小化するということに共通点があるのだという意見も出てきたりしました。

うちの代表取締役用務員は、オフィスの温度ムラを少しでも無くそうと、扇風機の配置を変えてみたり、エアコンダクトにファンをつけたり。日々いろいろと工夫してみているのです。

その感性とちょっと共通する部分があったりして、これはこれで嬉しさを感じてしまいました。

地道なオフィス環境改善も、最先端サーバーの開発と共通点があるのだっ!

ちょっと勇気をいただいたのでした。(^^)

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