自動車が売れない理由に関する私的考察8~今年は無題ですみません。
もう一年経ちましたか・・・。
11月の第二週目の月曜日は「自動車が売れない理由に関する私的考察」と称して独自の観点から自動車業界に関することを勝手気ままに書かせて頂いてます。
今まではここに過去のこのテーマのエントリー履歴を並べていたのですが、今年で8回目ともなると、それだけでも結構なスペースを取ってしまうので、エントリー末尾に寄せました。よろしければ、そちらもご参照いただければ幸いです。
ここ数年の一連のエントリーにも書きましたが、自分の中で「毎年独自の観点から自動車業界に関することを勝手気ままに書く」というルールを作ることによって、一年に一回、自分が自動車業界に身を置く者の一人として、その時考えていることを棚卸ししても良いな、というのがこのエントリーの目的です。こうやって振り返りもしない限り、案外、一年前に書いたことなんて忘れてしまっており(苦笑)そして、その年、自分がどんな事柄に、何に関心を持ってたか、というのも自分自身で振り返る目的もあります。
事実、今回、2年前のものをあらためて見るに、ドルが84円ぐらいだった、ということを思い出しました。え?今、114円とかなんですが、120円行きそうだったこともあるんですが、たかだか2年で・・・とか、完全に自分の備忘録でもある訳です(苦笑)
なので、「売れない理由に関する」、という表題は既に適切でない状態になっていることは先刻承知なのですが(苦笑)、そこはもう”枕詞”のようなものだとご理解下さい。
・・・と、毎年恒例の、いつもの前置きからスタートする予定だったのですが、今年は結局、自分の考えを何もまとめることができませんでした。(まさかいらっしゃらないとは思いますが)楽しみにしていてくれた方が居られましたらごめんなさい。
「以上終了とします」でも、それはそれで仕方無い、と開き直ろうか、というのが正直な所なのですが、自分の考えがまとまらなかった、という事実や悩みを含めて、ここに書き記しておきたい、と思います。だから、いつもに増して内容はありません。よろしければ、先程ご紹介させていただいた、本エントリー末尾の、昨年までの文章を再度ご覧下さい。
今年のテーマとして、当初書き記しておきたい、と思ったのは「クルマと税金」でした。今年の4月、消費税が8%に税率が引き上げられ、来年の10月、さらに10%に引き上げられることが計画されるも、今、このエントリーを記述している段階では延期という線も出てきているらしい。その他にも軽自動車税が来年4月から引き上げされる、とか、自動車取得税が、消費税が10%になる際に廃止されるかも、とか、燃費課税なる新たな税制が生まれてくる、だとか、クルマにまつわる税金関係に大幅な変化があるからです。一方、自分は、この変化の様子の詳細をあまり理解できていない・・・なので、今年は自分の整理・自習も兼ねて、書き記しておこう、と思った訳です。
ただ、いくつかの例示と共にその内容を記載しようとして、そのあまりの複雑さに表現そのものを諦めてしまいました。調べてまとめるのに飽きただけ、というのがより正直かもしれません。
なお、一つだけ自分が気になっていることを書いておきます。軽自動車税、来年4月から自家用乗用のケースだと、従来比1.5倍(現行年額7,200円→10,800円)に上がることで、また次の3月、駆け込み需要が出てくる、という報道があります。(業界の人間としては)需要が喚起されることが実際にあればそれはそれで”一時的には”ありがたいことなんですが、冷静な目で見れば、軽自動車税は、毎年4月1日時点の所有者に掛かる税であり、また、通常の自動車税と異なり、月割りの支払いが無い(逆に手放した際の返戻もありません)ので、
平成27年3月末までに購入:平成27年4月1日時点の所有実績に伴い、5月頃、市町村税の支払い通知書がやってくる(年額7,200円)
平成27年4月2日以降に購入:平成27年4月1日時点では所有していないので、当年度としては支払い通知書無し。平成28年4月1日時点で所有していることに対して、平成28年5月頃、市町村税の支払い通知書がやってくる(年額10,800円)
となり、4月2日以降に購入することで、1年間はある意味軽自動車税の支払いを”先送り”をすることができるとも言えます。ただし、7,200円の税額で確定させている平成27年3月末までの所有に対しては、その翌年度以降も7,200円のまま、10,800円となった方はその翌年度以降は10,800円、ということのようですから、平成27年3月末までに購入することで所有後4年目以降は取り返せる、とも言えるのですが。
ただ、この理論も、単に軽自動車税だけ見た話であり、その他の税制を含めて考えれば、意味の無いものかもしれません。
自動車関係諸税については、昔から、多くの自動車関係諸団体が、その税制の多さ、複雑さ、などに対して、改善を訴えてきました。日本自動車工業会(通称:自工会)のサイトにおける関連ページと、日本自動車販売連合会(通称:自販連)のサイトにおける関連ページの引用リンクを付けておきます。詳細をご確認になりたい方は、画像をクリックしてください。
JAMA - クルマと税金 via kwout
自販連のホームページ via kwout
業界の人間の端くれとして、また、自分自身も消費者の立場として言うならば、税金がシンプル化され、もっと言えば大幅に減税につながってくれれば、ありがたいことはこの上ありません。一方で、日常、車を走らせたりする中で、運用・維持費を賄う必要がある中で、ある程度の税金は仕方が無いものと自分は思っています。
要は、ムダづかいがされていなければいいんです。きちんと支払った税金分、みんなが納得の行く、使われ方がされてさえいれば、と自分は思います。
ちなみに、何かの税が無くなる、という話が出てくると、財源確保のためにまた別の税制が出てくる、というのが常にセットになっています。要は結局”減税”にはならない訳で。自然ともらえることになったお金を、わざわざ”自分”からは放棄しないんだろう、という所なのかな、と。冷めた見方ですけどね。ビールで取れなくなった税を発泡酒で取るようになったら、今度は第三のビールまで・・・という連鎖と何も変わらないのかな、と。そんなもんなのだろうな、と。若干、達観した見方なのか、諦めきった見方なのかわかりませんが。
しかし、これらの自動車関連税制、基本的に「購入する」「所有している」ことに重きを置いた税制になっているように思いますが、どんどん「所有することに意義を感じない」方が増えてきている事実がある中、その目論見どおりに税収が得られるのだろうか、と思う今日この頃です。
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2007年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察~それは「デザイン」と「塗料」
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2007/11/1_514b.html
2008年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察2~自動車メーカー自ら”単なる移動手段”として商品づくりをしてきたから
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2008/11/post-e85a.html
2009年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察3~【番外編】先日のエントリーへの補足および未だに感じる「電気自動車による市場参入」への違和感
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2009/11/post-7a8c.html
2010年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察4~「エコカー補助金」という”麻薬”の副作用?
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2010/11/post-f140.html
2011年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察5~いや、そもそもメーカーが車を製造できないなんて・・・。
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2011/11/post-fee2.html
2012年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察6~いつまで日本で生産させてもらえますか?
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2012/11/post-1f15.html
2013年のエントリー
自動車が売れない理由に関する私的考察7~車が販売できても整備ができない、なんて話が本当に来るかもしれない
http://blogs.itmedia.co.jp/usrtodev/2013/11/post-6c33.html