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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

AI(人工知能)についてこれから学びたい人へのご提案

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いい入門書がたくさん出ているのだけど、AIについては誤解だらけだ。

AIに関しては、いまだに誤解があるというよりは、年々誤解が広がっている気がする。

僕は5年前にAIに関する文章を書き始めた。それから継続的にウォッチしているので何とかついていけているが、この1年~2年ぐらいでAIに関する大量の情報をインプットした人だと、全体像を正確に理解するのは難しいかもしれない。

僕もそれほど自信があるわけではないが、大まかな理解はできているつもりだ。

そこで、これからAIについて勉強を始めたい人、あるいは勉強し直したい人に対して、ささやかな提案を差し上げたい。

AIには階層的な包含関係がある

最近目につくのは、AI=ディープラーニング(深層学習)という誤解だ(※)。ディープラーニング(DL)はニューラルネットワーク(NN)というアルゴリズムの1つに過ぎない。NNは機械学習(ML)の1つだ。

「機械学習」とは、ソフトウェアが自ら大量のデータを元に学習して、データを解析(分類)するプログラムを自動的に作り出すことだ。それ以前は、人間が知識を定義し、判断の仕方をプログラミングしていた。こういうのもAIの一種だ。

したがってMLもAIの一種だということになる。

以上を集合の包含関係で示すと、

  AI⊃ML⊃NN⊃DL

となる。まずこのことを押さえることだ。

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なおDLが今のところ最先端であることも、今までできなかったことがDLのおかげでできるようになったのも事実だが、MLやML以前のAIが無くなったわけではない。解きたい問題によって最適な解法があり、それがDLとは限らないからだ。AI以外のアプリケーションが無くならないことを考えれば、明らかだろう。

※僕がこのように考える理由は、AIは判断基準の見えないブラックボックスだから経営や裁判等の判断材料にならないという人が多いからだ。実際には、この意味でブラックボックスなのはディープラーニングである。他の機械学習のアルゴリズムは基本的に判断基準を示すことができる。最近ではディープラーニングでも判断基準を出力する方法が研究されていて、ある程度の成果が出てきているようだ。だが今のところ判断基準を明確に示したいときにはディープラーニング以外のアルゴリズムを選択することが普通だ。

AIがやっていることは分けること

もう1つ、重要なことはAIには何ができるかだ。AIがやっていることは、基本的には分けることだ(これに最近はデータ生成が加わったが、今回は割愛する)。「分ける」ことは「分かる」ことなのだ。

写真を見てネコだと判断するのは、ネコとネコ以外を分けること。囲碁AIがやっていることは、有効な手とそうでない手を分けること。

MLの解説を読むと、たくさんの手法が出てくるが、あれは分け方の方法(アルゴリズム)を列挙しているのである。問題によって最適な分け方がある。だが1つとは限らない。また初期値や学習データの質などによって、解答の精度も変わってくる。

データサイエンティストと呼ばれる人たちがやっていることは、初期値や学習データをいろいろ変更しながら、最適な分け方を探すことだ。最近はこの仕事もMLでやろうとし始めている。

そうなると、データサイエンティストの仕事は、このようなML(正確には機械学習モデル)を開発することへと変わっていくことになるのだろう。

提案(まとめ)

  1. AI⊃ML⊃NN⊃DLという包含関係
  2. AIがやっていることは分けること

まずはこの2つを押さえ、少しずつ理解の範囲を増やしていくのが、AIを理解する早道だと思う。

などと偉そうに書いているが、この小文にも間違いがあるかもしれない。その際にはご教示いだたけると幸いです。


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