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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

コンテンツではなく姿勢を見ている

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一時期「成功哲学への素朴な疑問」というタイトルで、成功屋への批判を(いちおう営業妨害にならない範囲で――たとえば実名で名指しにしないなど)書いていた。ここで、成功屋というのは、しょうもない成功法則を売り物にして稼いでいる人たちのことである。

僕も一時期、成功屋にはまっていた時期があり、結構な"お布施"を払って"帰依"していた。で、結果は没落。

恨みはない(あれば、名指しで批判します)が、僕と同じような人が減ることはいつも祈っている。

 

の馬鹿さ加減は措いといてもらって、成功屋が大好きな感動ビデオの話をする。

感動の映像を見ながら会場一同が涙するという、普通の人が見たらとても気持ち悪い光景の中に僕もいたわけです。

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イタい。

  

 

 

"宗教的法悦"に近いのだろう。はまっているときはこれほど気持ちのいいこともない。

しかも、スライドの"紙芝居"だったり、ただ文字が流れているだけだったりするチープなもので大の大人が泣くわけです。

さすがにチープな画像だけだと感動も薄いので、音楽を入れたがる。ただ、DVDに焼いて、おみやげにくれる成功屋もいるので、既存曲だとJASRACにお金を払ったりしないといけない。

なので、感動ビデオ専門のシンガー・ソングライターなんて信じられない商売をしている人がいたりする。それで生活できるのだから、感動ビデオの需要はすごいのだろう。ただ、当然メジャーになるほどの才能がない人がその手の商売をしているわけで、盗作で訴えられないか他人事ながら心配である。

まあ、泣ける曲のコード進行とか歌詞のボキャブラリーとかは基本的に一緒ですけどね(少なくとも彼らの作るものはみな同じだ)。

このような、すごい世界が現実にあるのですよ。しかも、あなたの身近に。

 

近、"感動系"が一時期より人気がなくなっているという感触がある。

少なくとも僕の周囲ではそうだ。

一番考えられる理由としては、単純に僕が"洗脳"から醒めて"教団"を離脱し、周囲が普通の人ばかりになったからだろう。

だが、それだけではないような気もしている。

世の中全般が、感動のサービスとかサプライズとかに容易に動かされないようになってきたのではないだろうか?

 

は、 僕らは感動が嫌いになったのだろうか?

そんなことはない。相変わらず感動それ自体は好きだ。僕だって、映画を見たり、小説を読んだりして泣くのは今でも好きだ。

ただ、チープなものとマニュアル的なものにはうんざりしているのだ。

少なくとも、感動のBGMの中、文字がスクロールするだけのコンテンツに感動する人は一時期より大いに減った。

ワールドカップ予選を見て感動するのは、選手たちの動きのすばらしさとその裏にある鍛錬が想像されるからだろう。

映画も同様である。プロデューサーや監督の苦労、考え抜かれた演出、それに応える俳優の演技(当然この裏にも鍛錬がある)等々があってはじめて感動するのだ。

安易なもの、誰でもやれるものに、今まで感動しすぎていただけのことなんだろうと思う(そんなものにでも感動しなければいけないという空気もあったように思う)。

いまや我々はコンテンツに感動するのではない。コンテンツが感動的なのはあたりまえ。そのコンテンツの制作に関わる人の姿勢が素晴らしくないと感動しなくなっているのである。

作り手たちにとっては大変な状況だ。真摯な人ほど厳しさを感じているに違いない。

そうなったのは、一時期の"感動バブル"(2007年から2011年ぐらいがその時期だったように思う)の中で安易な作り手が増えてしまったからだろう。

 

のような状況の具体例として分かり易いのは、フジテレビの低迷ぶりだ。

2011年、「マルモのおきて」の高視聴率に気をよくしたフジテレビが約30年ぶりに作った「ドラマチック・サンデー」というドラマ枠。

ところが、1年後の現在、「家族のうた」が日曜のゴールデン枠なのに3%台という低視聴率で8回で打ち切られた。

理由は、1987年の名作ドラマ「パパはニュースキャスター」のパクリだと指摘されたからだそうだ。

(このあたりの顛末は、「伝説の「低視聴率ドラマ」面白すぎる断末魔(1)」という記事を参考にした。)

確かに設定はそっくり(これはパクリだろう)なのだが、内容はそんなに似ているとは思えなかった。このぐらいで全部パクリだと言われたら、多くのコンテンツがパクリになってしまう。

一番の原因は、作りが安易なことだ。人気俳優を主人公にして、脇を固めておけば、脚本や演出はどうでもいいと思ったのに違いない。 だから、設定もパクってきたのだろうし、驚きのないドラマ展開で平気なわけである。

 

じフジテレビのドラマでも高視聴率の「リーガル・ハイ」と比較すれば一目瞭然だ。

気鋭の脚本家古沢良太と主演の堺雅人が、まるでお互いを試すかのように脚本と演技で勝負している。

図式(世界観)は分かり易いが、設定は複雑で、ストーリー展開に安易さはない(最終回に向けて予定調和的な空気が出てきているが、予断を許さないドキドキ感がある)。そして、笑いもある。

脇も堺に引っ張られる形でいい演技をしている。

まあ、ドラマに関して言えば現在、フジテレビは視聴率ベスト10中4番組を占めている(ビデオリサーチの関東地区の2012年5月28日(月)から6月3日(日)までの視聴率調査、ドラマ部門)。アニメも強い(同じ時期で5番組)。

問題は、バラエティや報道・情報番組。ビデオリサーチの発表を見ても、惨敗状態である。

最たる例が、鳴り物入りで昼の2時台にうつした「知りたがり!」。これが3%台。その安易さが、かなり厳しく2ちゃんねるで叩かれている

僕は、2ちゃんねるの叩きスレッドはあまり好きではないのだが、このスレッドは同感の意見が多かった。確かに何にでもお笑いタレントを使うのは安易だ。

「知りたがり!」の司会は、いまやフジテレビのエースといっていい伊藤アナ。この低迷は厳しい。

 

ので、こんなことになる。

「昨年、8年間守ってきた年間視聴率三冠王の座を日テレに奪われたばかりか、今年4月にはテレ朝が開局以来となる三冠王に輝き、フジは3位にまで落ちてしまった。そのため、昨夏に就任したばかりの編成制作局長のクビが飛ぶ、なんて話も出ている。かつて『視聴率100%男』の異名をとった敏腕局長ですが、彼が手がけた『SMAP×SMAP』に加え、この混乱に乗じて、数年前から不要論が出ている『笑っていいとも!』にも打ち切りが波及する可能性が出てきた」(「伝説の「低視聴率ドラマ」面白すぎる断末魔(1)」より)

過去の成功体験が、逆に重くのしかかっている様子が伺える。

しかし、変えるのは大変なことである。僕が子供の頃から30代に至るまでお正月の風物詩であった「かくし芸大会」が、時代に安易に迎合しようとして、結局消えていった。変えてもダメ、変えなくてもダメ。厳しい状況だ。

だから、ちょっと人気が出たコーナーがあると安直にそれを繰り返す。最近「アカン警察」を見るのをやめてしまったが、毎週「アカン飯」しかやらなくなったからだ。

安易、安直といえば、フジテレビのアナウンサーが全体的にそうだ。若手もベテランも、コメントが安易である(他局もそうなのだろうけど、フジは特に鼻につく)。

痛ましい、悲しい、憤りを感じる、感動しました、などなど、そんな感情語しか言わない。

たまに意見を言うとすれば、「安全性についてはよくよく考えないといけません」、「反省すべき時期に来ているのでしょう」などなど。そんな、誰でもいえるようなことを別に聞きたくはない。

 

分かりだと思うが、僕はフジテレビをよく見ている。

「めざましテレビ」がはじまった頃に(超低視聴率だったころだ)たまたま見て、最初は女子アナの声がうるさくて仕方なかったのだけど、NHKから来たばかりの大塚アナもがんばっているしと思って見始めた。

そのおかげでNHKの朝の連続ドラマをまず見ないようになり、気がついたらチャンネルはほとんどフジテレビからかえずに15年ぐらい過ごしていた。

某大ベストセラーに、勝ち組はNHKを見、負け組はフジを見ると書かれても気にせず見続けてきた。

その僕が、最近はチャンネルをかえることが多くなってきた。

いまさらなどと言わないでほしい。番組を吟味して選ぶのが面倒なのです。W杯とかオリンピックとかWBCとか特別なイベントがない限り、番組表を見るのもしんどい。

番組のクオリティがたいして変わらないのなら、そのままチャンネルをかえないほうが楽。だから、フジを見続けてきたのだが、今年に入ってから、チャンネルをかえることがどんどん増えてきた。それほど我慢ならないときが多いということである。

フジに強い思い入れがあるわけではないが、多少の愛着はある。どうか一日見続けられるような、もうちょっと安易でない番組を作り、安直でないコメントを言うように鍛錬してください。

フジテレビの悪口になってしまったが、他局もずっと見続けられるかといえば、そんなことはない。

テレビでないと、また民放でないとやれないことが、きっとたくさんあるはず。どうかがんばってください。

テレビと一緒に育ってきた世代なので、テレビが安直が原因で滅んでいくのは寂しい。

 

とを安直と責めるのであれば、自分の姿勢も問い直す必要があるだろう。最近そのような機会をいただいたのだが、それは僕にとっては幸運なことであった。

人は姿勢を見ているということは、そういう中で気づいたことだった。

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