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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

今どきの高校生を良いと思う

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日米中韓の4ヵ国の中で、日本の高校生が留学希望者の割合が一番少ないらしい。コメンテーターどもが朝からテレビで嘆いていた。やれやれ。

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日本青少年研究所の調べらしい。聞いたこともない研究所だなあ。たった4ヵ国の比較で何がしたいのかもよく分からん。世界はこの4ヵ国でできているのだろうか。だったら平安時代の日本人の世界観とあまり変わらない(インドとアメリカが入れ替わった程度だ)。

新聞はさすがに冷静に事実を書くだけで、無用のコメントはなかったが、

 研究所は「欧米に合わせて大学の入学時期が秋に移行する動きが進めば、意識が変わるかもしれない」としている。(産経新聞2012年4月5日朝刊より)

という文章から伝わるニュアンスは、この良く分からん研究所が「日本の高校生は意識が低いなあ」と思っているということだよね。

天下り先として作った機関が予算消化のために無意味な調査をしたと妄想する人も出てくるかもしれないので、せめて20ヵ国ぐらいで比較してほしかったなあ。

まあ、数が多くても意味がないのは変わらないけど、もうちょっと興味は持てたかも。

 

は、日本の高校生の意識が低いなどとはまったく思わないですね。

新聞記事にはなかったが、テレビの情報番組によれば、留学したくない人たちの理由は「めんどうくさい」ということらしい(注)。 

いや、すばらしい。よく言ってのけた。今どきの高校生は本当に頼もしい。

こんなものは解釈のしようでどうにでも変わってくるでしょうが。

たとえば、韓国は82%もの留学希望者がいる。その目的は見聞を広めるというよりは、学位の取得だそうだ。

ということは、韓国人は自国の大学の発行する学位に価値を感じていないということじゃないの?(韓国の大学の実情は知らない。あくまで解釈である)

それに比べると、日本の学生は、日本の大学にまだ信頼を持っているということじゃない?

自国の大学がいいと言っている人たちを「情けない」などとけなす連中のほうがよほど情けないと思うんだけど。

(注)産経新聞は、「日本の高校生が留学にメリットをあまり感じていない現状」とニュートラルな書き方をしているが、フジテレビ「とくダネ!」では確かにこのように言っていた。

 

学なんてものは、本当に必要だと思ったときにすればいい。明確な目的があって、その目的が外国でしか果たせないなら、留学すればいい(注)。

韓国の高校生にとって留学は必要なことなんだろう。

日本の高校生は必要性を感じていないだけ。

確実に読み取れるのはそれだけなのに、「いまどきの高校生は情けない」と決め付けている連中が、色眼鏡のついた解釈をする。

本当にダメなのは、この連中だと思うんだけどなあ。

こいつらは、自分たちが若いときに「いまどきの若者は」と言われてきたリベンジを若い人にしているだけ。そんなんじゃなくて、先輩たちから受けた恩を若い人たちに返していけよ、と柄にもない正論を吐かせないでほしいものだ。

もし本気でいまどきの若者にやる気がないと思うのなら、やる気の出ない世の中にしてきた自分らを責めるのが筋なのでは?

(注)僕自身、何の目的意識もなく大学に行ったという過去があるので、目的意識がないのに留学する人についても、これは是とする。人生に必要なのは目的意識だけじゃないんだし。

 

ちろん外国に行かないと分からないことはたくさんある。海外に若い人が行くことが国際交流に役立つということも分かる。

でも、ずっと日本にいながら、世界へ向けて発信している人たちもたくさんいる。

海外で学ばないといけないと思っている人の多くは、"正しい基準"を海外に求めているだけじゃないのかな? それって、"島国根性"(あるいはその裏返し?)というのだと思うけど。

必要に迫られて、つまり本当に日本にないものを求めて留学する人は正しいと思う。しかし、そういうものはあまりないと今の高校生たちは思っているんじゃないだろうか。

それよりも日本発。そっちのほうがクールだと彼らは感じているのではないだろうか。

 

い人たちの感性をもっと信じようよ。

時代の感性を担っているのは、やっぱり10代後半から20代中盤までの若い人たちだ。

彼ら・彼女らが支持しているものの価値は、来年50歳になる僕には正直分からなくなっているが、それが世界に通用しているのも間違いのない事実なんだし。

そして、テレビでは言っていなかったと思うが、アメリカの高校生が留学したい先が、日本・英国・スペインで、それぞれ13%ずつのトップだったことをもっと誇っていいんじゃないだろうか。

我々がグローバル・スタンダード(何やそれ?)の国だと思っているアメリカの若者が日本から学びたいと言ってるんですよ。行き詰ってるなあ、アメリカ。片思いだなあ、中韓(注)。

色眼鏡のついた目では、こんなことも見逃してしまうらしい。

(注)もちろん中韓の留学希望先のトップはアメリカ。日本も同じ。 

一方で、「知りたがり」では、今年の新入社員(高校生同様若者の範疇だ)を褒めちぎっている。僕は「定見のないマスコミ」なんて生意気なことをすぐに書きますが、テレビに関して言えば、この定見のなさが一つの価値だと思っている。

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こういう意見(決めつけであり、根拠不明だ←お前が言うなと言わないで)を信じさせることで、いったい誰が得をするのかなどということを考えてみるのも、よい練習問題かもしれない。もちろん妄想でいい。

 若者の留学離れは、国際感覚や研究能力を磨き、人的ネットワークを形成するなどによる、国際的に通用する人材の育成の機会を狭めるものであり、グローバル化が進む中で、我が国が取り残されることになりかねない。他方、今後我が国に30万人の留学生を受け入れようとする中で、受入れ機関や地域の中核となる人が海外留学経験を有することは大きな意味があり、そうしたことから、日本人の海外への留学の促進が必要である。(http://bit.ly/HjurYhより)

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このブログは、仕事それ自体を楽しむ人を増やすことを目的に書いています。

なお、僕はこういうことを見聞きして、こういうことを感じたということを書いているだけなので、牽強付会なところもあるでしょうが、大人の心で見逃してやってください。

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