12月16日 率先~終身雇用も(#572)
今では中長期経営計画を発表するのは、特に上場企業ではあたりまえのことですが、日本で「五ヵ年計画」というものをはじめて発表したのは松下電器だ、と松下幸之助さんは言います。
世間は批判と期待を持って見守っていたが、日本経済界生産界の大きな発展への貢献であることに社員一同大きな喜びを感じ、結局達成した、とのこと。
松下電器が、中長期経営計画の元祖というのはたぶん本当のことでしょう。
何しろ、もっと有名なものの元祖ですから。
それは、終身雇用。
このブログの記事にもありました。昭和初期の恐慌のときに社員のクビを切らずに、従業員全体の給与水準を下げることで乗り切った――これが日本における終身雇用の嚆矢とされています。
このあたり、堺屋太一さんの『日本を創った12人』の松下幸之助の章に詳しく書いてあります。
江戸時代の丁稚制を終身雇用のモデルのようにいう人もいますが、これは明らかな間違いです。たしかに家族的経営かもしれませんが、終身雇用ではありません。
松下さんが、このような制度を作る前は、労働者のクビは切り放題だったのです。
終身雇用を年功序列と併せて、"グローバルスタンダード"(私はこの言葉が大嫌いです)でないと批判する人もいますが、海外でも優良企業の多くは終身雇用です(ヒューレッド・パッカード、P&Gなど)。
また、日本の会社は年功序列と言いますが、私が社会人になった1980年代後半どころか、それ以前から崩れていました。
年功序列というのは、中央官庁の制度で、キャリア官僚においては、年次と地位の逆転がない(だから早期退職の受け入れ先確保=天下りが必要)という制度です。そんな民間会社はどこにあるの?と聞きたい。
日本の民間会社は、年功も能力と同様に考慮するというだけで、年下の上司などあたりまえの世界です。
今日の一言)いいかげんな"常識"を信じず、自分で歴史をひもとこう。
本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。
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平日の昼間に、場所も横浜なのに、です。
求められていることをやっているからと言わせていただいてもいいのかな、と最近思い始めました。
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