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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

9月1日 一年分返す覚悟~連続増収増益の罠?あるいはテレビは罪作り(#466)

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9月になりました!、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向のこのコラムも244回目です。

毎月テーマがあります。今月は「経営者になる」! なんとこの本、社長入門だったのですね。とにかく先を読まないので、いま気がつきました。

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勝って兜の緒を締めよ――松下幸之助さんは強調します。

3年も儲かると4年目もと思うが、世の中そうそう甘くない。かえって、必要以上に拡張して弱体化の原因を作ったりする。

なので、4年目は3年間儲けたうちの1年分を返すぐらいの覚悟でやりなさい。そうすれば、悩みがなくなり、慌てなくなり、知恵も出てくる。

尺取り虫のように、進んでは縮み、進んでは縮みを繰り返せ。そうしないと伸びきって死んでしまう。

松下幸之助さんは、無理に増収増益を続けることを戒めていたのですね。

※ただ、松下さんの言うことの多くは、今どきの株主が許しそうもないことばかりです。現在のような状況では、志があり、資金調達の必要があまり無い会社は次々と上場廃止するのではと心配です。

私がよく知る会社も、敏腕社長がいまして、8期連続増収増益を達成して会長に退きました。社長が交代したとたんにいきなり減益。これは新社長の能力不足ではなく、相当伸びきっていたのだと思います。

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世の中には48年間増収増益を続けた伊那食品工業や、それどころか約80年増収増益を続けているジョンソン&ジョンソンなどの超優良企業もありますが、これらの会社の共通点は無理をしないということです。

伊那食品の逸話は有名です。

伊那食品は寒天のトップシェアメーカーです。あるテレビ番組が寒天は低カロリーでダイエットにいいと紹介したところ、突然寒天ブームが訪れました。

普通の社長なら儲けるチャンスとばかり、社員に残業を命じても増産することでしょう。ところが、伊那食品の塚越会長はいろいろなメーカーからの追加注文をすべて断ったのだそうです。

このようなものは一過性のブームであり、去った後に必ず良くないことが起こる。社員は当社の宝であり、そのようなことのために残業させるわけにはいかない、と。

ところが、社員のほうから、商品が欲しくて困っている人たちがたくさんいるのだから応えましょうよ、と自ら残業を申し出たのです。塚越会長は社員が言うのならと増産に踏み切り、この年は予定以上の増収増益になってしまいました。

結果として、塚越会長の予想通り翌年にはブームがさり、それまで48年間続けてきた増収増益がストップしたのだそうです。

ほとんどの人が、変なブームを起こしやがって、テレビは罪作りだと思うのではないでしょうか?

今日の一言)増収増益は良い経営の結果であり、目的化すると必ず悪いことが起こる。 

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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

8月ももう終わりですね。残り3分の1、がんばってやり遂げます。

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